「”自分が聴くべき音楽と出会える”ことを目指す」サブスクリプション型音楽配信アプリ「AWA」インタビュー

音楽配信アプリAWA

サブスクリプション型(定額制)音楽配信サービスが続々と国内市場で登場する中で、各アプリベンダーはどのような戦略をとっているのでしょうか?

今回は、株式会社サイバーエージェントとエイベックス・デジタル株式会社の共同出資により設立され、「AWA(アワ)」を運営している、
AWA株式会社の取締役である小野哲太郎氏(以下、小野)にインタビューをし、お話を伺ってきました!

サブスクリプション型音楽配信アプリ「AWA」とは?

▼AWA株式会社 取締役 小野哲太郎 氏
AWA株式会社 小野哲太郎 氏

筆者
「サブスクリプション型(定額制)音楽配信アプリ「AWA」とはどのようなアプリなのですか?」

小野
「AWAとは、定額制の音楽配信アプリで、現在iPhoneとAndroidで提供しております。邦楽と洋楽それぞれ配信しており、お気に入りの楽曲を好きなだけ聞くことが出来るといったサービスです。
ちなみに、邦楽に関して日本のレーベルがほぼ全て参加しているので、かなり網羅しています。」

AWA立ち上げのきっかけ

筆者
「どうしてAWAをつくろうと思ったのですか?」

小野
「なぜAWAを作ったかと言うと、ここ数年で世界の音楽市場自体がダウントレンドにあって、フィジカル(レコード、カセット、CDなど)が売れにくくなってきていますよね。特に日本ではCDが凄く売れる国で、世界で2番目の市場があるので規模は大きいのですが、減りが速くなっています。
このままでは音楽の市場規模自体が縮小するという課題感があったので、ヨーロッパで始まったSpotify(スポティファイ)のような”サブスクリプション × ストリーミング”のドメインで、日本発のそういったサービスを作り市場を盛り上げて行かなければ、という気持ちがあったためです。」

筆者
「AWAのサービス思想やコンセプトは?」

小野
「”自分が聴くべき音楽と出会える”をコンセプトにしています。AWAで無くても、スマートフォンとネット環境さえあれば、常に何万曲もの音楽が聞ける状態であると思うのですが、そもそも最適な音楽に出会えなければ、いくら曲数が多くてもあまり意味が無いと考えています。
なので、余すことなく自分が聴くべき音楽と出会える状態を目指してサービス設計を行っています。」

筆者
「たしかに、AWAを使っていると「あ、この曲好きかも!」と感じる事が多い印象です。
”自分が聞くべき音楽と出会う”ために具体的にどんなやり方をしているのですか?」

小野
「それを実現する手法は色々あると思うんですが、僕らがやっているのは「音楽の波形分析」と「ユーザー間の協調フィルタリング」の2つの手法を使って関連性を見つけ、リコメンドするといったやり方です。具体的には、音楽の波形分析のほうでは、例えば楽器はこれを使っていて、声の質はこんな感じで、バンドは女性1人で、、、といった感じで1曲ずつ音楽の細胞分析をして、グラフ化しています。ユーザー間の協調フィルタリングのほうでは、多くのユーザーの嗜好情報を蓄積し、類似した嗜好のユーザーが好きな曲をリコメンドするといった感じです。
もちろん、これはかなり省略した説明になるのですが、本当はもっと複雑で数学的な仕組みなどを使って構築しています(笑)」

AWAの目標と差別化について

筆者
「目標などはありますか?」

小野
「目指しているところは「国民的な音楽サービスを創る」ことです。なので、少数のユーザーさんに深く深く使ってもらうのも大事ですが、より多くの方に広く使ってもらえるようなサービスにしていきたいと思っています。具体的には、現時点で300万ダウンロードなのですが、2015年内に1,000万ダウンロードにしたいですね。」

筆者
「拡大スピードが凄いですね」

小野
「日本人にとっては新しい、定額制で聴き放題の音楽サービス市場に3社(AWA、LINE MUSIC、Apple Music)が一斉に入ってきて、より市場全体が盛り上がっている感じが出てきており、その流れに乗ることで注目度はある程度取れていますよね。
1社だけでやっても、「なんか始まったぞ」程度にしかユーザーさんは思わないと思うのですが、3社が一気に入ってきて、しかも聞いた事がある会社だぞってなると「なにか起きるんじゃないか。ちょっと使ってみるか。」ってなると思うんですよね。その辺は割りと狙い通りに進んでいるかなーという感じですね。」

筆者
「いまは複数の企業が参入して市場的にも盛り上がっていて、ユーザーはとりあえず全部試して見ると思うのですが、有料課金するとなると1社のみですよね。その辺の差別化はどう考えているのですか?」

小野
「やはり、プレイリストとリコメンドの2つですね。他社さんだと、スタッフの人が自分たちでプレイリスト作っている場合が多いんですけど、AWAの場合は、ユーザーさんが作ったプレイリストを先ほどのアルゴリズム等によって、最適な人にリコメンドしていって、より”自分が聴くべき音楽と出会える”状態に近づけています。

音楽って、ジャズが好きな人もいれば、クラブミュージックしか聞かない人もいたり、あるいはボサノバ、クラシックが好きな人がいる一方で、例えばAKB48や三代目JSBといった大好きなアーティストの音楽のみ聴きまくる人が居たり、はたまた朝は元気出したいから盛り上げる曲を聴きたいなどのタイミングによって聴きたい曲が変わったりなど、ニーズが多様化し複雑化しすぎている状況です。なので、その人の趣味嗜好に合わせた形で最適なプレイリストや音楽をリコメンドすることで、その多種多様なニーズに応えられる点は差別化になると思っています。

AWAの課題

筆者
「目指しているゴールの達成や、ユーザー目標達成などにおける課題はありますか?」

小野
「根本的な課題でいうと、音楽って凄いたくさん聞く時期と、ほとんど聞かない時期があるみたいに、使用時期に波があるところですね。例えば、友達とカラオケに行った時にその曲が大好きになって聴きまくるとか。ある時期だけAKB48の音楽を聴きまくって、しばらくしたらパタっと聴かなくなるとか。
そういった波がある中で、毎月1,000円程度の課金をしてでも使いたいと思ってもらえるほどの価値提供出来るかどうかが最重要な課題であると考えています。そのためには、自然な流れで新しい音楽に出会ってもらい、利用頻度を高めていくことが重要だと考えています。」

プロダクト品質の考え方

筆者
「プロダクト品質についてはどうお考えですか?例えば、弊社はソフトウェア品質向上支援の事業を行っており、例えば広告に100万円使って新規ユーザー集めても、不具合多かったら離脱して無駄ですよね、という感じなので、不具合面やユーザビリティ面での品質への考えが凄く気になるのですが(笑)」

小野
「その考えには同感で、お皿に穴が空いていたら、どれだけ美味しい料理でもこぼれ落ちてしまうので一番ダメですよね。それと同じで、いくらコンテンツ(料理)が良くても、お皿の部分が使いづらかったり不具合があると凄く勿体無いという考えを持っています。
とは言っても、「カンペキにならないとリリースしません」となるとスピード感も無くなりますし、タイミングを外すことの方が怖いので、プロダクト品質は意識しつつもスピード感を持って回していくといった、その辺のバランスは常に意識して取り組んでいます。」

小野氏からポストコラボの読者へ一言

筆者
「以上でインタビューは終了となりますが、最後にポストコラボの読者の方々へ一言お願いします。」

小野
「みなさんに新しい音楽体験をお楽しみいただけるよう、使いやすさ、機能にこ
だわり日々改良しています。使い始めた日から3カ月無料でお試しいただけるの
で、是非体感ください!」

筆者
「本日はありがとうございました。」

小野
「ありがとうございました。」

▼AWA
http://awa.fm/

AWAの最新情報はこちらで公開中:https://awa-official.themedia.jp/
AWA Facebookページ:https://www.facebook.com/AWAmusic
AWA Twitter:https://twitter.com/AWA_official
AWA Instagram:https://instagram.com/awa_official

▼AWAのレビュー(POSTCO)

AWA Music – 音楽聴き放題(アワミュージック)

— iPhoneアプリ

AWA Music – 音楽聴き放題(アワミュージック)

— Androidアプリ

最新情報をチェックしよう!