【トークセッションVol.2】ウェアラブル、IoT、モバイルのココだけのハナシ

ウェアラブル、IoT、モバイルのココだけのハナシ

株式会社ウェブレッジは東京ビッグサイトで開催された、「Japan IT Week春 第9回 Web&モバイルマーケティングEXPO」にて、2015年5月14日(木)~2015年5月15日(金)の2日間、ウェアラブルデバイスやIoTに関するトークセッションを行いました。本記事では、当日のトークセッションより一部抜粋して、皆様に御覧に入れます。また、こちらより全文掲載の完全版のトークセッションも無料ダウンロードいただけます。

講師紹介

1日目に行われたトークセッションに引き続き、この記事では2日目のトークセッションをご紹介いたします。2日目は、以下の3名によるセッションが行われました。

池端隆司
(携帯電話博士 株式会社ウェブレッジ取締役)
池端隆司
塚本昌彦 教授
(ウェアラブルの伝道師 神戸大学工学部電気電子工学科教授)
塚本昌彦 教授
河村和典
(スマートグラス「雰囲気メガネ」エバンジェリスト 株式会社三城ホールディングス)
河村和典

なお、1日目は池端隆司に加え以下の2名によるトークセッションが行われました。
スマートロックロボット「Akerun」生みの親 河瀬航大
携帯研究家 山根康宏
⇒1日目の記事はこちらから。
【トークセッションVol.1】ウェアラブル、IoT、モバイルのココだけのハナシ

それでは、トークセッションをお楽しみください。

Apple Watchは売れるのか?

司会「ということで、それでは最初のテーマ。『Apple Watchは売れるのか?』というテーマ。先日Apple Watchが発売されまして、色々なメディア記事で“使ってみた”、“分解してみた”など書かれていたりすると思います。皆様にご意見を伺いたのですが。」

~中略~

塚本「(Apple Watchが売れる要因として)大きいと思っているのが、隠し機能ですね。」

司会「隠し機能ですか?」

塚本「隠れ端子があるんですね。ベルトの裏に。六端子のやつで。たぶんデータの書き込みみたいなのもが出来るのでしょうけども、まずはその端子で充電ができる、というのが注目されていて。いまサードパーティからアップルの認可なしに充電ベルトってのが出るっていう話がありまして。ベルトで充電できるんですね。ベルトにバッテリーが入っていて。Apple Watchって1日しか持たないって最大の弱点だと思うんですよ。それが3日くらい持てばかなり使い勝手が良くなるんですけれど、そのベルトが隠れ端子を使うとか。もしかしたらアップルが純正の充電ベルト、バッテリーベルトを発表するかもしれない。それからもう一つが、年内と言われてるんですけれど、ニューバージョンの投入が早いんじゃないかという話があります。売れるかっていうと、1年間は売れるだろうと。その先は解らないというのが典型的な答えなんですけれども、アップルはおそらく売っていくと。継続的に売っていくという作戦で色々策を打ってくるだろうという風に思う訳です。」

池端「(前略)そもそも『今の使い方で良いのか?』ってところに自分は重きを置いていて。生体情報を取得する道具として腕時計型デバイスはすごく優れていると思うんですね。今、様々なコンテンツがありますけど、まだ活かしきれてないのかなって思います。受け皿としてはとてもいいかなと思います。ただ活かしきれてないっていうのと、そもそもスマートウォッチ、Apple Watch自体を何に使うのかっていう所が定まっていないので宝の持ち腐れになってしまうんじゃないかなという風に直近のところは考えています。そもそも腕時計じゃなくて体の中に埋め込んで生体情報を取ればいいと思うんですよ。例えばペースメーカーとかも極端な話ウェアラブル端末になると思うんですけど、そういった所まで考えてしまうと腕時計である必要はないんじゃないか、という風に私は考えたりします。」

IoTのメリット・デメリット

IoTのメリット・デメリット

司会「ありがとうございます。では、次に行きたいと思います。(中略)次、ちょっと抽象的な質問なのですけれども『IoTのメリット・デメリット』っていう事をテーマにしたいと思います。車だとか冷蔵庫とか色んなものがネットに繋がってきますよね。昨日、Akerunというスマートフォンと連動して鍵を開けることにより、一般宅から業務用で活用されるだろうっていうものを開発した会社のフォトシンスの代表の方に講演頂いたんですけれども、そこではやはりセキュリティの問題がデメリットとしては挙がっていました。」

池端「私が思う『IoTのメリット・デメリット』というのは、まずメリットという所は今後出てくるコンテンツによって色々変わってくるかと思うんですよね。私の一番危惧しているのはデメリットの方で、やっぱりセキュリティが問題なのかなと感じております。今この会場に恐らくウェアラブル端末着けてらっしゃる方が普通よりはたくさんいると思いますし、スマートフォンをお持ちの方がほとんどだと思います。それらはBluetooth Low EnergyとかWi-Fiで通信しているものがほとんどだと思うんですね。つまり、この空間上に様々な個人情報が漏れているんですよ。Bluetooth Low Energyは各社が独自に規格したセキュリティを掛けているんですけど、Apple Watchの心拍の情報なども、もしかしたらこの空気中にあるかもしれません。それで心拍の情報の、例えば脈拍の谷間の間隔をRR間隔っていうんですけど、そこで感情なんかも分析できるんですね。ちょっと前までは家の住所・名前・生年月日・顔写真等テキストベースのものが個人情報と言われていたんですけど、今それに生体情報が加わるようになって、さらにスマートハウスが出てきて、ライフスタイル的な個人情報もネット上で取り扱われるようになってます。なので、そこのセキュリティですよね。そこの規格をしっかり決めてやることが今後のカギであると思います。手前味噌なんですけど、弊社は検証会社なんでBluetooth専任のスタッフもいますし、そういったセキュリティのチェックをしております(笑)」

〔中略〕

河村「メリットは、使い方次第で変わりますね。デメリットで池端さんと違った観点から申しますと、IoT化によって今までなかったものを作らなくちゃいけないっていうような感覚が生まれどんどん物が増えてくる。恐らくこれがデメリットになると思います。さっきの時計と一緒ですね。『今までなかった技術です。こんなすごい事出来ます。』って事をすると、セキュリティ以前に『そんなものいらんわ』って言われて、そうするとIoT自体が死んじゃうかな、というのはちょっと感じます。元々あるもの、例えばエアコン。エアコンがどこに人がいるかっていうのを見て送風を送ってるのであれば、例えば老人がいま起きてるのかとか、2~3日動きがないよってことを拾って家族に投げてくれるっていうような使い方もできるとは思うのですが、そのための物を改めて購入してくださいとかサービス料を払ってくださいって言ってしまうと普及しないと思うんです。プライバシーに関する情報を自然に取ってくれるような形で広まっていけばIoTって活きてくると思うんですがね・・・(後略)」

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【トークセッションVol.1】ウェアラブル、IoT、モバイルのココだけのハナシ

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