2016年9月20日(火)、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム主催のモバイルビジネス講座「MVNO・MVNE、動画メディア、VRの普及がもたらす新時代へのシフト」にて、弊社(株式会社ウェブレッジ)取締役 第一検証事業本部長 携帯電話研究家の池端隆司と、同社の第一検証事業本部 ネットワークエンジニアの小熊辰徳が登壇致しました。
本記事では、当日の講演の概要に関してレポートをしたいと思います!
(※有償の講座のため、一部抜粋してお届けいたします。)
講演タイトル:「MVNOが気を付けるべきSIM Freeスマートフォン」
携帯電話研究家 池端隆司、恒例の自己紹介
毎回、セミナーや講演の時に恒例の自己紹介となっておりますが、
・携帯電話を個人で1,000台程度所有(普通、多くても10台前後ですよねw)
・テレビ、新聞、WEBメディアなどでモバイル関連で各メディアに出演
・アプリ等に課金した合計金額は、普通自動車◯台分(ココには書けない…)
と、さすが携帯電話研究家というような自己紹介を行い、講演会場は「ワハハハ、ザワザワ」とザワついておりました。(笑)
SIMフリーに関するあれこれ
本題の講座に関してですが、まずはSIMフリーに関して、今回の講座で紹介されていた一部を抜粋してお届けします!
(※有償の講座のため、一部抜粋してお届けいたします。)
●約7割の方がSIMフリー端末に興味がある!
池端「とある調査機関によるSIMフリー端末利用意向の調査によると、約7割がSIMフリー端末に興味があると出ています。」
こちらが、調査元のデータです。
出典:https://marketing-rc.com/report/report-simfree-20151125.html
テレビCMで大々的にキャンペーンをしているブランドも多いからか(?)、一般ユーザーのSIMフリー端末に対する興味は約70%、約4人に3人が興味を持っているようです。また、こちらのデータは2015年末ごろのものなので、今ではもっと興味ある割合が増えているかもしれませんね!
ちなみに、著者の自分も、SIMフリーのiPhone6sを使っています。MVNOにしたら、毎月の携帯電話代金が50%以下になりました・・・!
●次世代放送「i-dio」に対応したSIMフリー端末
池端「一部のSIMフリー端末は、キャリア端末が持たない機能を搭載しています。例えば、次世代放送「i-dio」に対応したコヴィア・ネットワークス社から発売されているスマートフォンであるi-dio Phone。本来であれば、専用のチューナーを別途用意しなくてはいけませんが、このi-dio Phoneは単体での視聴が可能です。」
調べてみると、i-dioは契約不要(無料)で楽しむことができて、テレビやラジオと同じように放送波を受信して、音楽チャンネルや映像などを視聴する方式なので、データ通信料金を気にする必要も無いとのこと。価格を抑えて利用することを求めているSIMフリー端末ユーザーと相性が良いサービスを搭載しているスマートフォンだと言えそうです!
個人的にはあまりラジオは聞きませんが、i-dio Phoneはi-dioだけではなく、FMラジオ、地デジ(ワンセグ)にも対応しているようなので、そこは嬉しいかも。(TVが壊れているので、仕方なくラジオでプロ野球を聞いてまして、この端末は気になります。)
あなたの端末に緊急地震速報は届きますか?(ETWS)
ここからは、第一検証事業本部の相互接続性検証担当でネットワークエンジニアの小熊にバトンタッチ。
某アニメを彷彿とさせる自己紹介ページにて登場。
▼写真
自己紹介が終わり、早速本題へと進むが、インパクトのある写真からスタート。
▼写真
出典:http://ig-kasugai.seesaa.net/article/138568276.html
小熊「大きい地震の発生時、強く揺れる数秒から数十秒前に警報を発してくれる緊急地震速報(ETWS)という機能があります。正式には“Earthquake and Tsunami Warning System”と言い、LTEの標準仕様となっており世界標準規格です。基地局とつながって電波の利用ができていればキャリアSIM、MVNO SIMに関わらずETWSは利用できる仕組みとなっているのですが、
SIMフリー端末の場合には「ETWS非対応」というものがあり、この端末にはETWSが届きません。」
ETWS、自分は初めて聞きましたが、一般のユーザーも認知しているのでしょうか?気になるところです。
小熊「ETWSの対応有無に関わらず、緊急地震速報が届くと勘違いされているユーザーも居るようですが、そうではありません。」
勘違いしていたone of themがボクです。申し訳ございません。
技適について
その後、いくつかのテーマを経て、次は、技適に関して。
●技適
小熊「電波法に基づいて製品を開発して、総務省に申請し、「技術基準適合証明」「技術基準適合認定」のどちらか、または両方の認定を受けると端末に技適マークを付ける事が可能です。いわゆる「技適」と呼ばれるものです。
弊社は第三者検証会社なのでテストの依頼を受ける際にヒアリングすると、この技適マークが無い状態で、通信テストを行ってしまうのは法律的にNGであるにも関わらず、意外とそれを知らずに内製でテストしているお客様も多々いらっしゃいました。最悪なケースだと、技適未取得のために、出荷後に全て回収・販売停止になってしまったという事例も複数あります。」
そのほか、電波法の一部改正により、来日外国人(旅行者)向けの規制緩和がされたり、利用ユーザーだけではなく販売側に対する規制強化などに関しての法関連の紹介がされました。
ビジネスと法務は切っても切れない関係なので、この辺りの法律周りは注意する必要がありそうです。
技適未取得の端末を合法的に通信テストする方法
小熊「では、技適を取得前の製品や開発機でのテストはどうするのか?に関しては、例えば、シールドルームやシールドボックスなど、電界強度を減衰させる専用の試験設備を使用する必要があります。弊社では、さらにシールドルームの中に小型基地局を設置し商用電波を利用することで、技適未取得でも早い段階で通信テストを行えるため、「手戻りリスク」を減らし、結果的に品質コスト削減が期待できます」
▼写真
最後は弊社の検証サービスの紹介になりますが、シールドルームやシールドボックスなどの専用の試験設備を用意しているため、技適未取得の端末でも合法的に通信テストを行えます。
本記事の下部にURLを貼り付けておりますので、ご興味ある方は御覧ください。
講演概要・企業概要
●講演概要
講演タイトル:「MVNOが気を付けるべきSIM Freeスマートフォン」
講師:池端隆司(株式会社ウェブレッジ取締役 第一検証事業本部 事業本部長 携帯電話研究家)、小熊辰徳(株式会社ウェブレッジ 第一検証事業本部 ネットワークエンジニア)
内容:スマートフォンに関するハード、ソフトウェアの検証を得意とするウェブレッジならではのSIM FreeスマートフォンとMVNOのSIMを組み合わさた場合のテスト観点をハードウェアやアプリケーションそれぞれ実際にあった不具合を交えながら紹介。
モバイルビジネス講座 「MVNO・MVNE、動画メディア、VRの普及がもたらす新時代へのシフト」
●株式会社ウェブレッジに関して
ソフトウェアに関するシステム品質検証、サービス品質検証などの第三者検証事業を手掛けており、ソフトウェアテストに関する国際的な資格であるISTQBのパートナープログラムにおいて、Platinum Partnerの認定も受けている。
また、IOTデバイスとスマートフォン間の相互接続性検証サービスや、技適未取得製品でも合法的に通信テストが行えるシールドルーム・シールドボックスを保有するなどIOT時代の検証環境も用意している。