現在IoTは様々な分野で注目を浴びており、より便利な生活を送ることのできるIoT製品もここ最近はたくさん出てきております。
そしてこのIoTやロボットなどの先端技術の普及により、従来の農業スタイルに変化をもたらしてきているのをご存知でしょうか。
この流れを受けて、農林水産省は平成25年11月に、ロボット技術やICT(情報通信技術)等の先端技術を活用したスマート農業の実現に向けて、研究会を立ち上げています。
スマート農業とは!?
「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間とりまとめによると、スマート農業とは、現在日本の農業が直面する課題をロボット技術やICTの導入により解決した新たな農業を意味しております。
以下は「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間とりまとめにて農林水産省が提示している、スマート農業の姿です。
① 超省力・大規模生産を実現
② 作物の能力を最大限に発揮
③ きつい作業、危険な作業から解放
④ 誰もが取り組みやすい農業を実現
⑤ 消費者・実需者に安心と信頼を提供
引用:「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間とりまとめ
出典:「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間とりまとめ スマート農業の将来像より
農業の問題点
上記で述べた農業の課題とは別に、農業の大きな問題点として、労働人口が減少していること、労働者の高齢化という点がよく挙げられております。
農林水産省が発表している「農業労働力に関する統計(農業就業人口及び基幹的農業従事者数)」では年々農業の就労人口は減少し、平成27年には平均年齢が約66歳と高齢化が進んでいることがわかります。
若者の農業に対するイメージ
高齢化が進んできている理由として、日本全体が高齢化に向かっていることも理由だと思いますが、若者の就労人口が増えないことも理由として挙げられると思います。
若者が農業を始めない理由としては、漠然とした農業に対するマイナスイメージを持っている人が多いのではないかと考えられます。
●初期費用が高い
●収入が少ない
●重労働
●ノウハウがない
今後スマート農業が進んでいくことで、これらの問題も解決することができ、若者や女性にも農業に参加してもらうことが可能な世の中になっていくかもしれませんね。
きつい作業、危険な作業から解放
出典:「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間とりまとめ スマート農業の将来像より
誰もが取り組みやすい農業を実現
出典:「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間とりまとめ スマート農業の将来像より
農業IoT「e-kakashi」
これまで、農業の現状とこれからについてみてきましたが、実際に農業で使えるIoT製品が世の中にはいくつも登場してきておりますので、今回その中から農業IoT「e-kakashi」をご紹介したいと思います。
出典:https://www.e-kakashi.com/products
e-kakashiは、「簡単・手軽・面白い」をコンセプトに開発された農業IoT製品で、田畑などの圃場(ほじょう)にセンサーネットワークを張り巡らせて、温湿度や日射量、土壌内の温度や水分量、CO2などの環境情報を収集し、それをクラウドにアップしてデータを管理することができます。
そして利用者は、スマートフォンやタブレットなどからそのデータを確認することができ、農作業の品質管理や効率化に役立てることができるのです。
出典:https://www.e-kakashi.com/products/software
また、e-kakashiの面白いサービスとして、経験の浅い方はデータを収集してもどのように栽培に活かしたらいいのかわからないという場合も多いでしょう。
e-kakashiには、栽培地域や異なる作物ごとの栽培管理技術やノウハウを料理のレシピのようにまとめることのできる「ekレシピ」というサービスがあり、他者作成のレシピを利用することもできるので(作成者の承認が必要)、ノウハウがないという方でも、効果的に栽培に活かすことができます。
まとめ
今回はスマート農業についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
日本では食料自給率の低下が問題視されておりますが、今後このIoTなどの先端技術を使って農業人口の増加や食料自給率の向上につながっていくことを期待しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。