高齢化が進んでいることや、安倍政権が成長戦略のなかで、「戦略的市場創造プラン」のテーマの1つに「国民の健康寿命の延伸」を打ち出したこともあり、現在日本ではヘルスケア産業が注目を集めております。
それに関連して、今回は体の不足している栄養素を分析し、その人にあったサプリメントを自動で調合し提供してくれる飲料サーバー「healthServer(ヘルスサーバー)」をご紹介致します。
今回はヘルスサーバーを生み出したドリコス株式会社の代表取締役、竹康宏氏にお話をお伺いしてきましたので、ヘルスサーバーをつくるきっかけや特徴など詳しくご紹介していきたいと思います。
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ヘルスサーバーができるまでの軌跡
なぜヘルスサーバーをつくろうと思ったのか、ヘルスサーバーに辿り着くまでのきっかけについてまずはご紹介したいと思います。
「飲む」行為に注目
今回お話をお伺いした代表取締役の竹氏は、もともと健康や病気に詳しかったわけではなく、電子製品の脳みそに相当するCPUや、記憶できる容量を決めるメモリなどを高性能化する研究をしている、半導体の技術者でした。
しかし研究をしている中でCPUやメモリなどのスペックがいくら上がったとしても、それが直接売り上げにはつながらない世の中になってきている。自分の持っている技術だけでお客様に買ってもらうことは難しいとの思いを感じるようになり、お客様が毎日している行動にフォーカスして、そこに半導体の技術を加えることで、何かイノベーションを起こせないかと考えたのが、ヘルスサーバーをつくるきっかけになったそうです。
そこで注目したのが「飲む」という行為!
飲むだけで病気になりにくい世界ができれば面白いのではという想いがきっかけでヘルスサーバーをつくることにつながったそうです。
しかし、漠然と病気になりにくい世界といっても何を改善していけばいいのだろうということで、はじめに健康維持のために必要なことは何かを考えたそうです。
健康を維持するためには
健康を維持するためには、
1. 自分がどういう健康状態か認識すること
2. 不健康な点がわかったら、それを改善する行為をすること
が必要となります。
近年スマートフォンのアプリやウェアラブルデバイスなどにより、ステップ1の「自分自身を知ること」は比較的簡単にできるようになりました。しかし、このステップ2については、「運動するようにしましょう、食事を見直しましょう」など行動するかどうかは本人次第の部分が大きく、自ら改善しようと行動する人はなかなか少ないという現状がありました。そのため、この部分が手軽にできるようになったらいいよね、との発想がヘルスサーバーをつくることにつながったそうです
実際、今まで「栄養学」の観点では、塩分など取りすぎたものをどうするか考えていたのですが、現代では仕事が忙しいことや一人暮らしの人が増えていることもあり、栄養不足の人が増えているそうです。そこで現在の「栄養学」では不足しているものを、どのように取るべきかを考えることにシフトしているそうです。
世の中にすでに出回っているアプリやウェアラブルデバイスにより、自分の健康状態を知ることは難しくなくなってきているため、そこから得られた体のデータを基に、体に不足しているものを出すだけでいいというものをつくろうと考えたところから、ヘルスサーバーに行き着いたそうです。
ヘルスサーバーができるまでの軌跡 まとめ
(1)身近にあるもの、お客様が毎日している行動にフォーカスして、何かイノベーションを起こせないかと考えた。
(2)その中で、生きていく上で必ずしなければならない「飲む」という行為に注目。飲むだけで病気になりにくい世界ができればと考えた。
(3) ウェアラブルデバイスやアプリで比較的簡単に自分自身を知ることは可能になったが、その後はアドバイスのみで実際に行動するかどうかは本人次第ということが多かった。
⇒ここに注目して、手軽に改善できるような製品をつくれれば需要があるのではないか。
(4)一からつくるのではなく、すでに世の中に出回っているアプリやウェアラブルデバイスで得られるデータを活用しようと考え、そこで得られた体のデータを基に体に不足しているものを出すだけでいいものをつくろうとしたところ、ヘルスサーバーにたどり着いた。
ヘルスサーバーの特徴
特徴① 不足している栄養素を解析するアルゴリズム
その人に不足している栄養素を解析し、その人に最適なサプリメントを調合し抽出をしてくれます。(粉のサプリメントを水に溶かして飲む)
どのサプリメントが必要なのかわからないという方も多くいらっしゃるかと思いますので、自分でサプリメントを選ぶ必要がないというのは、手軽でいいですね。
特徴② 低価格
通常の栄養ドリンクが1本200円程度なのに比べて、ヘルスサーバーは1杯数十円程度で飲むことができます。
また、サプリメントを調合してもらうためには、デパートなどにあるサプリメントのお店の店頭に実際に行って調合してもらうのが一般的ですが、価格としては人を介しているので高くなってしまいます。
その点ヘルスサーバーは自動で抽出してくれて、人を介す必要がないのでローコストでサプリメントを摂取することが可能です。
ターゲットユーザー
・オフィス(福利厚生の一環として)
・スポーツジム
まずはオフィスやスポーツジムなど健康維持に対して比較的積極的な方をターゲットとしては考えているそうです。
特にスポーツジムでは栄養面のサポートもしたいがなかなかできていないという現状があるようで、今後はスポーツジムに設置するだけではなく、健康維持に積極的な方に対しては個人や一般家庭にも置いてもらうことで、より総合的に健康面のサポートをしていくことができます。スポーツジム側にも使う側にもメリットがありますね。
おわりに
ヘルスサーバーについてここまでご紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。
一家に一台のように、ヘルスサーバーが家にあることが当たり前の世の中をつくっていきたい。「健康になるために頑張る」のではなく、「頑張らずに健康になれるような世の中にしていきたい」との思いを、最後に竹氏からお伺いすることができました。
一般販売は来年の春頃を予定しているとのことで、今後のヘルスサーバーの展開が楽しみです。
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では、最後までお読みいただきありがとうございました。