VR空間で細かい操作を可能にできる、新たなハンドコントローラーが登場|山根康宏のワールドモバイルレポート

VR空間で細かい操作を可能にできる、新たなハンドコントローラーが登場|山根康宏のワールドモバイルレポート

ゲームやエンターテイメント用途から、教育などへと活用が広がるVR(バーチャルリアリティー)。だが大きめのヘッドマウントディスプレイを目に装着したうえで、
両手に持ったモーションコントローラーを使う操作はまだまだ快適とは言えない。特に手の動きはトレースできても、指先を使った細かい動きは現状のコントローラーでは再現できない。

そこで各社が指先の動きを再現できるコントローラーの開発に取りん組んでいる。そのほとんどがグローブ型で、内部にセンサーを内蔵し指先の動きをトレースできる。2017年はいくつかの製品が商用化の見通しで、いずれもVRの普及に欠かせないキーデバイスとなるだろう。

例えばSensoの「Senso Grove」はグローブの内部に7個の慣性計測装置(IMU、inertial measurement unit)を内蔵しており、指先の動きを毎秒150回計測。遅延速度は10ミリ秒以下で、指先を動かせばほぼリアルタイムでその動きを再現することができる。
バッテリーも搭載しているため手の平にはめるだけで使うことができる。SDKも公開されており、より細かな動きを必要とするゲームや、手術などのVRシュミレーションのようなプロユースへの対応も期待できる。
予定価格は599ドルと高価だが、競合製品が各社から出てくれば数年内に買いやすい価格になるだろう。

Senso Groveは指先の動きもトレースできるグローブ
Senso Groveは指先の動きもトレースできるグローブ

だがグローブ型デバイスにも実は一つだけ欠点がある。それは長時間はめていると、意外にも汗をかくということだ。手や指にぴったりとフィットさせるためにゴム素材などで圧迫するため、1日中はめたままでいることも難しい。
指の動きをセンサーが直接トレースする構造であることから、快適に装着できる素材や形状の検討もいずれ必要になるだろう。最近はやりのVR体験展示やイベントでも、1つのグローブを続けて多くの人にはめてもらうのは難しそうだ。

VRゲームなどで細かい操作も可能だが、装着していると汗をかいてしまう
VRゲームなどで細かい操作も可能だが、装着していると汗をかいてしまう

そこで全く新しいアプローチで指先の動きを再現できるコントローラーが開発中だ。OYMotion Technologiesの「gForce Gesture Armband」はその名前の通り、アーム=腕に取り付けて指先の動きをトレースできるデバイスなのである。

gForce Gesture Armbandは8個のパーツからなる、腕輪型のデバイスだ。内部には人間の肌の表面で筋肉の電位を測定する表面筋電位(sEMG)センサーが内蔵されている。筋肉が動いたときに発する電位を図ることで、筋肉の動きを測定できるというわけである。gForce Gesture Armbandを腕にはめておけば、指先の筋肉の動きも腕を伝わって測定できるという。

表面筋電位で指先の動きを感知するgForce Gesture Armband
表面筋電位で指先の動きを感知するgForce Gesture Armband

また9軸のジャイロセンサーも内蔵しているため、手の全体の動きもトレースできるとのこと。これにより6つの動作「手の平を握る」「手の平を開く」「手首を曲げる」「手首を伸ばす」「物を掴む」「親指と人差し指を伸ばして指示する」といった動きを認識できるとのこと。

OYMotion TechnologiesはCES Asia 2017やMWC Shanghai 2017などの展示会に出展し、プロトタイプの製品を使ったデモを行っていた。腕の動きをトレースできる人間の手の形を模した模型が展示され、gForce Gesture Armbandを来場者が腕にはめて操作を体験することができた。実際に指先を動かしてみると、まだ細かい動きには対応はできてない。手のひらを開く動きも、ゆっくりではなく「パッ」とおもいっきり開く必要があった。とはいえ数分手を動かしてみるとコツがつかめ、模型の手のひらをある程度自在に動かすことができるようになった。しかも手袋をはめていないので、操作性は快適でもあった。

実際のデモ。最初はなかなかうまく動かないが、数分も動かすと慣れてくる
実際のデモ。最初はなかなかうまく動かないが、数分も動かすと慣れてくる

現状ではまだトレースできる動きが少ないため、細かい指先の動きまでは再現できそうにない。しかし現状でも両手に持つハンドコントローラーの代わりにとして使うことは問題なくできそうだ。今後はセンサー感度を高めたり数を増やすなどして、より細かな動きへの対応ができるようになれば、いずれはVR/ARユーザーの必需品になるかもしれない。

VRやARでの利用を考えている。今後感度や精度の向上を期待したい
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