ドローンの競争は水中へ、水泳アシストロボットも登場|山根康宏のワールドモバイルレポート

ドローンの競争は水中へ、水泳アシストロボットも登場|山根康宏のワールドモバイルレポート

数多くの製品が登場しては消えているドローン市場。気が付けば中国のDJIが市場のシェアを大きく握り、その後を追いかける企業も中国勢が多い。Parrotなどドローン普及初期に名の通っていたメーカーは苦戦しており、しばらくは中国企業がマーケットをけん引していくだろう。

ドローンは空を飛ぶものだが、一方で水中を走るサブマリン型のドローンの開発も急激に進んでいる。そしてこの分野でもリードを広げようとしているのが中国企業だ。CES2018にはドローン専用のゾーンが設けられたが、10社以上が水中ドローンを展示していた。

CES2018で目立った水中ドローンの展示
CES2018で目立った水中ドローンの展示

水中ドローンは水の中を電波が通じにくいため、ケーブルを接続して操作する必要がある。空中を自由に飛ぶドローンとの大きな差がここにあり、ケーブルの巻き取りやすさが水中ドローンの使い勝手を左右するほどだ。またしなやかに曲がるケーブルを使わなくては、水中ドローンが思い通りに動いてくれない。そしてケーブルが断線してしまえば高価なドローンが海底へと沈んで行ってしまう。

ケーブルが必要なのが空中用のドローンとの大きな違いだ
ケーブルが必要なのが空中用のドローンとの大きな違いだ

空を飛ぶドローンは空撮用途として使われることが多いが、水中ドローンは濁った水の中や光が届かない深い水中では撮影できるエリアが限られてしまう。そのため個人用に水中を撮影する製品ばかりではなく、水中の配管の状態確認など商用利用向けのものも多く登場している。また釣り糸と餌入れを装着し、釣りの用途として使える製品も出てきている。

個人用だけではなく商用利用もターゲットにした製品が多い
個人用だけではなく商用利用もターゲットにした製品が多い

最近では国により免許が必要となるドローンに対し、水中ドローンはまだ規制が無いが、用途もある程度限られている。それでも認知度やブランド力をあげシェアを拡大しようと様々なメーカーが参入を開始している。その中でもPowerVisionはデザインのいい製品を投入し、一般消費者への認知度も高めようとしている。

CES2018では新製品のPowerDolphinを出展。名前の通り、イルカのようなスタイリッシュなボディーは誰もが欲しいと思わせる外観をしている。水中撮影は空撮ほど手軽で一般的なものではないだろうが、印象的な製品を次々と送り出すことでマーケットリーダーの地位を確保しようとしているのだ。

スタイリッシュなボディーのPowerDolphin
スタイリッシュなボディーのPowerDolphin

一方では水中ドローン市場の盛り上がりに乗って、水泳をアシストしてくれるマシンも多く見られた。水中スクーターと言えば聞こえがいいが、プロペラと羽を内蔵し、人間が両手でつかむことで水中を勢いよく進んでくれるものだ。もちろんただ走るだけではなく、前方にはカメラを搭載あるいはGoProなどアクションカムを取り付けることが出来る。水中を移動中の光景を静止画や動画で撮影することができるのだ。

水中ドローンと違いケーブルもいらないし、自分の目で撮影したい場所へと向かうことができる。マリンスポーツ用途として考えればこちらのタイプの製品のほうが普及は早いかもしれない。ドローンを使って空を飛べるようになるにはまだまだ時間はかかるだろうが、水中を自在に動き回ることのできる製品はすでに市販化されているのだ。

水中バイク、水中アシストロボットと言える製品
水中バイク、水中アシストロボットと言える製品

この手の製品もスタートアップ系企業が参入している。その1社、中国深センのHoverstar Flight Technologyは面白い製品を開発中だ。同社はパテントを取った水中バイク型製品を展示していたが、それ以外にも水上を浮上して移動できるドローンを開発しているという。空中とは違い、水のすぐ上であれば落下しても水の中に落ちるだけで危険度は少ない。空飛ぶ自転車ならぬ、水の上を移動するドローンライクな製品は夢があって面白い。商用化に向けての開発に期待したいものだ。

スタートアップの水中アシストロボット
スタートアップの水中アシストロボット

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