ルイ・ヴィトンのロゴがあしらわれたIoTガジェット│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

ルイ・ヴィトンのロゴがあしらわれたIoTガジェット│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

ルイ・ヴィトンといえば1854年にフランスで誕生したセレブ御用達なおなじみの高級ブランドですね。筆者はバブル期に高校~大学生生活を送っていましたが、同級生たちはみんなルイ・ヴィトンのバッグやポーチで通学していましたね。いわば、筆者にとってはなじみ深いブランドなわけですが、実はそのルイ・ヴィトンをはじめとする個人向け高級品ブランド市場は、近年低迷を続けていたのだそうです。要因としてあげられるのは中国の皆さんの「爆買いブーム」の衰退やら、ファッション分野の重要な消費者といえるミレニアル世代に対するアプローチ不足なのだそうで。2000年代に成人を迎える世代を指す「ミレニアル」世代と言われる若者は、生まれて既に恵まれた情報環境に優れていることから、別名「デジタルネイティブ」世代ともいわれています。彼らは情報過多の時代とともに、バブル崩壊やリーマンショックをはじめとする金融危機を経験しているため、ルイ・ヴィトンのような高級ブランドへの関心が薄いとされてきました。

一方で、ファッション業界の成長は85%が彼らのようなミレニアル世代がけん引しているとも言われ、相反する状況の中でマーケティング戦略の確立が難しかったと思われます。高級ブランド市場では主要顧客層がミレニアルに移行しつつあり、どのようにして若い層に商品をアピールしていくかが成功のカギを握ると言われていました。

そのような中、ルイ・ヴィトンも傘下に入るLVMHグループは、2016年から記録的な成績を残し、2017年の自立成長率は前年同期比12%増と同業界でも勝ち組になりました。LVMHグループが勝ち組になれた大きな理由というのが、デジタル化です。高級ブランド市場はもともとデジタル化が遅かったのですが、LVMHグループが消費者の需要に合わせて積極的に取り入れたことにより、成功したとされています。デジタルの活用はミレニアル世代へのアピールにも有効だったというわけです。

ルイ・ヴィトンのデジタル活用をみていくと、たとえば「スマートウォッチ」なんかも取り組んでいました。見た目はルイ・ヴィトンらしい「モノグラム」や「ダミエ」の柄を使ったベルトでおしゃれな時計。ですが、「旅」をコンセプトにフライトの時刻や着陸までの残り時間、さらには主要都市のガイド情報を見ることができます。発売2か月ほどで、年間目標を早期に達成する売り上げを達成し、かなり注目されました。

前置きが長くなりましたが(笑)、そのルイ・ヴィトンがロゴをあしらったIoTガジェットを発表しました。10cm程度の黒いプラスチックは、なんとLPWA無線通信サービスの1方式であるSigfoxを使ったカバン追跡システムで、製品名「Echo」としてすでにオンラインで販売を開始しています。

Louis Vuittonスーツケース追跡ユニット「Echo」(出所:Sigfox)
Louis Vuittonスーツケース追跡ユニット「Echo」(出所:Sigfox)

このEchoは、ルイ・ヴィトンの定番スーツケース「Horizon」シリーズの50/55/70で使用できる専用ユニットとして設計されており、50/55/70の専用ポケットに仕込んで、目的地の空港にスーツケースが到着しているかどうかをスマートフォン用アプリケーションで確認できます。

これまでもBluetoothを使った追跡トラッカーなどはありましたが、至近距離でなければ検出できず、使い勝手はイマイチでした。LPWAを使えば省電力な微弱通信でありながら、基地局の範囲は最大数十kmの範囲で捕捉が可能です。

一方で、世界を飛び回るユーザーにとっては、国ごとのLPWA周波数帯域も異なるので、通信接続できるのか疑問でしたが、このEchoは仏Sigfoxが2017年9月に開始した新サービス「Monarch」に対応しており、通信に使う電波の周波数を自動的に検知することが可能です。世界31カ国115空港の空港で利用できることが明記されており、日本の空港では羽田、成田、中部、大阪、関西、福岡の6空港で使用が可能です。

1時間の充電でおよそ6カ月間使用可能で、日本での販売価格は4万2120円(税込)。高級ブランドのLPWA追跡タグ、いっちょいかがですか?

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