曲がるディスプレイの大いなる可能性│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

曲がるディスプレイの大いなる可能性│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

さる1月に米国で開催された家電見本市「CES2019」では、“曲がるディスプレイ”が話題になっていたようです。ディスプレイといえば、未だに「平面」という既存概念から抜け出せていない感じですが、いよいよ柔軟に曲げられるディスプレイが実用化されていきそうなフェーズに来たようです。

まず注目されていたのが、中国Royole社が展示した半分に畳めるタブレット端末の試作機でした。7.8インチのディスプレイは、中央部を山折りできて半分に畳めます。これによりサイズはスマホ並みに。
畳めばスマホ、広げればタブレット、なるほどそんな製品があったら確かに便利かもしれません。折り曲げ部分が壊れないのか気になるところですが。

Royole社のこのタブレット端末は、有機ELの一種であるAMOLEDと呼ぶ技術を使った「FlexPai」と呼ぶ自社開発のディスプレイを搭載しているそうです。

中国Royole社が展示した曲がるディスプレイを備えた端末
中国Royole社が展示した曲がるディスプレイを備えた端末

曲がるディスプレイといえば、早い時期から取り組んできたのがLG。LGは2年前のCES2016でも新聞みたいに曲がる有機ELディスプレイをお披露目していますが、今年は65インチ4Kの有機ELディスプレイをアピールしてきました。

そして、このディスプレイは「曲がる」ことの特徴を活かして、使わないときはロール状に巻かれて本体に格納されるというものとして展示されました。
横長の箱のようなものからディスプレイが出たり入ったりした映像がCES2019開催時に日本のメディア各社でも報道されましたので、インパクトに残っていらっしゃる方もいることでしょう。

LGのブースでは曲がる有機ELディスプレイを大々的にアピール
LGのブースでは曲がる有機ELディスプレイを大々的にアピール

従来から広く用いられてきた液晶ディスプレイは、その仕組みとしてLEDなどを使ったバックライトやその光を均一に拡散する導光板が必要になるため、薄型にしづらく、しかも折り曲げることは難しかったわけです。
しかし、昨今主流になりつつある有機ELは素子自体が発光するためバックライトが不要となります。このため、柔軟性に優れたディスプレイが現実味を帯びてきたわけです。

そうした中で、筆者は正直なところこのLGの65インチ有機ELディスプレイとそれが格納されるモニターにはかなりの衝撃を受けました。
これはただ単に「曲がる」ということのアピールにしか見えなかった方も多かったのではないでしょうか。もう少し視点を広げると、この「格納できる」ことにじつは大きなビジネスチャンスが潜んでいるのではと筆者は考えるのです。

情報化社会といわれる現代において、情報を表示するためのディスプレイは重要なものであることは否めません。そのディスプレイが、こうして折り曲げて格納できるようになるということは、逆に考えればこれまでにディスプレイを設置できなかった様々な場所やシーンにおいても、情報を表示できるようになるということです。

日常生活の様々な場所で、これまでにできなかった情報提供ができるようになる可能性を秘めています。そこには、新たなコンテンツビジネスや、広告ビジネスの拡がりが期待できるではありませんか。

新たな技術の考案によってそれまでになかったコンセプトの製品を作るというのももちろん大切ですが、技術の進化によって新たなビジネス市場を生み出すというところに、すごくワクワクするものを感じた次第です。

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