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新元号が「令和」に決定。平成も残りわずか、スマートフォンも新しい世代に生まれ変わる?|池端隆司のモバイルジャンクション

本日、政府より新元号が「令和」に決定したと発表されました。

平成も終わりに近づいて様々なメディアで平成の振り返りなどを見るようになりましたが、スマートフォンは新しい令和の時代に向けてどのような変化の予兆を見せているのか考察してみました。

約10年前にコンシューマ向けスマートフォンが日本発売

今から約10年前の2009年の7月、docomoよりHT-03AというAndroidOSのスマートフォンが発売されました。

HT-03A
初めてのAndroidはトラックボールが搭載されていた。

なお日本で発売されたiPhoneは、更に2年前の2008年6月にSoftBankから発売されたiPhone3Gが初でした。

iPhone3G
初代iPhoneはネットワーク形式がGSMのみの為、国内では未発売、2代目で初登場した。

今のスマートフォンと比べると処理速度やUI、UX周りなど決して良い物と言える程ではありませんでした。しかし、それまで法人向け用途を前面に出し日本国内で販売されたスマートフォンと比べて、コンシューマ用途、エンターテイメント用途として販売されたスマートフォンは非常にインパクトがあるスタートを切りました。

しかし、始めはアーリーアダプター層が利用する携帯電話という形でした。

発売された当初は文字入力の違いから「スタンダードにはなれない」とか、「電池の持ちが悪すぎる」など否定的な意見が多かったのですが、今では誰もが持つ当たり前の機械です。様々なサービスがスマートフォンを軸に展開され、様々なカルチャーの中心となる、生活に欠かせないものとなりました。

スマートフォンシェアの拡大

そんなスマートフォンですが総務省の調べによると、2010年のデータでは所持率が9.7%と10%にも達していませんでしたが、2017年にはモバイル端末全体の所有率が約95%ある中のスマートフォンの割合が約75%となりました。2019年のデータになれば数字は更に上がっていると思われます。

あえてフィーチャーフォンを利用しているユーザーを除くと、ほとんどのユーザーがスマートフォンを利用し、対象となるユーザーに行き渡ったのではないでしょうか?

実際に各メーカーの販売台数や、ハードとしての機能やスペックも落ち着きつつあり、成長期は一旦落ち着いたようにも見えます。

新ジャンルのスマートフォンの登場か?それとも

さて、前置が長くなりましたが、先日購入した端末があるので紹介したいと思います。

この端末は国内で利用する際に必要な「技術基準適合認定」を未取得の端末であり、国内で使う場合は罰せられる場合があるので注意が必要です。筆者はウェブレッジ社で保有する「シールドルーム内にてテスト利用する目的で購入いたしました。

まずこちらの端末。

BlackShark
Xiaomiが出資した会社、Black Shark Technologから発売されたゲーミングスマホ
RazerPhone2
ゲーミングデバイスメーカーのRazer社から発売されたゲーミングスマホ

これらの端末はどちらもゲーミングスマホというジャンルで、ゲームプレイに特化したスマートフォンです。

具体的に何が特化したかと言うと、両メーカー共に独自のゲームアプリブースターの様な機能を搭載しており、ゲームアプリを起動するとクロックアップして、ゲームの動作を快適にすることに集中した処理を行うものであったり、外部アクセサリーのゲームコントローラーを接続した際に簡単にキーマッピング出来たりとゲームプレイをしやすくする設定が簡単に出来る機能を搭載しております。

ハードウェアは各メーカー共に端末の冷却機能には力を入れています。

Razerは大きなヒートシンクが中に配置されており、BlackSharkでは水冷の為のパイプが搭載されていて、これにより、高負荷なゲームをプレイした時の発熱による処理速度低下を抑えています。

しかしゲーミングスマホというジャンルではありますが、正直な所、ゲームプレイの専用設定がソフトウェア上でできはするものの、それ以外の所で「ゲーミングスマホ」だけの部分が少ないのが現状です。
端末のデザインがゲーミングPCの様なデザインであることや背面がカラフルに点灯するライトを搭載するなど、それ以外でのゲーミングと言われる部分がほとんどありません。

動作に関わるチップセットやメモリなど発売タイミングで最高の部品を搭載していることが多く、ゲームプレイは快適に行うことが出来るが、ゲーム専用にカスタマイズされたものが搭載されている訳ではありません。

したがって新しいフラッグシップモデルのスマートフォンが出た場合の差別化が難しくなるのではないかと予想されます。

まとめ

今後、ゲーミングスマホとしての地位が確立していき、市場が大きくなる場合は専用のチップなどもできるかもしれませんが、このゲーミングスマホは、すでに行き渡ったスマホ所持率から考えて2台目需要に備えた順当な進化なのではないかと思います。

「リアル課金」という言葉を聞きますが、ゲーム内課金での収益が大きい市場です。そのゲームにかけるお金をゲーム自体、快適に動かす方に購買意欲を動かす戦略が増えていくかもしれません。実際特定のタイトルをゲーミングスマホ販売時にタイアップし、快適に動作が可能というマーケティングを各社が進めております。

近年、大きな技術革新がない中、スマホ市場でゲーミングスマホの需要を狙う場合はユーザーのスマートフォンの入れ替えを狙うより、スマートフォンゲームをよくプレイするユーザーの2台目需要を狙う方がシェアの拡大もしやすいということかもしれません。

2019年には折り畳み液晶画面のスマートフォンや5G通信対応のスマートフォンが発売されると各メーカーから情報が出ています。

この大きなスマートフォンの変化の間にあるゲーミングスマホは、PCにて過去にブームを起こしたネットブックを見ている様であります。

これから起こる技術革新に飲まれて統合していくのか、または独自の進化をしていくのか。
ゲーム好きの筆者はこれからもゲーミングスマホをウォッチしていきたいと思います。

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