スマートフォンの画面サイズは年々大型化が進んでいる。6インチを超えたあたりでそろそろ限界が来ると思われたが、今度は縦横比を16:9から18:9、19:9など縦方向に長くすることでサイズを大型化しつつ、片手でも持てる大きさを維持している。いまや7インチを超えるスマートフォンも登場しているが、このサイズは一昔前のタブレットで主流の大きさだった。
スマートフォンの画面はこれからまだまだ大型化しそうな勢いだ。

情報検索やオンラインショッピング、そしてSNSを使ったコミュニケーションとスマートフォンは社会生活に無くてはならない必需品となった。しかし「SNS疲れ」に代表されるように、スマートフォンばかりを使う生活に対してのアンチテーゼ的な動きもおきている。
そんな人たちに勧められるのが小型サイズのスマートフォンだ。小型といっても片手で持てるコンパクトなモデルではなく、手のひらにすっぽりとおさまってしまうくらい小さい、ミニミニサイズのスマートフォンだ。

たとえばPalmのスマートフォンは3.3インチ画面の小型サイズで子供でも楽に持てるほどの大きさだ。ここまで小さいとネックストラップを付けて首からぶら下げて使うことも可能だろう。本来は普段使う大きいサイズのスマートフォンのコンパニオン、すなわちサブ端末として動作し、そのスマートフォンに届いたメッセージや通話をそのままPalmに転送することができる。外出時はPalmだけ持ち出せば、メインのスマートフォンへの通知をすべて受けることができるのだ。

画面のUIも工夫されており、一般的なスマートフォンのようにアイコンが整列して並んでいるのではなく格子状に配置し、狭い画面ながらも指先でアプリを選ぶこともできる。さすがにソフトキーボードを使っての文字入力は厳しいが、そのあたりは音声入力をすれば問題ないだろうか。そもそもスマートフォンを思い切り活用する製品ではなく、必要な時だけ検索したり、SNSをチラ見するといった使い方が向いた端末だ。
今の時代、デジタルデトックスをしたくとも完全にネットの世界と決別して生きていくのは難しい。Palmなら適度にWEBやSNSと付き合うことができるのである。

Unihertzの「Atom」も手のひらに収まる小さなスマートフォンだ。こちらは中小メーカーの製品であり、大手メーカーが手掛けない製品を出すことで独自の道を進もうとしている。
Atomは画面サイズ2.45インチと、Palmと比べてさらに小さい。その外観は特徴的であり、分厚い樹脂に覆われたタフな仕様の製品となっている。小型のスマートフォンはポケットにすっぽりと収めることができるが、取り出すときに誤って床に落としてしまうかもしれない。しかしAtomならばちょっとの落下くらいでは本体にダメージが加わることは無さそうだ。しかもIP68の防水に対応しているのでアクティブに使うことができるのだ。

PalmもAtomも実は日本で販売されている。ニッチな製品だが、最近のスマートフォンの高性能化に疲れた人には購入を検討してもいい製品だろう。また普段使っているスマートフォンはそのままにこの小型スマートフォンを買い、必要に応じて使い分けるのもよさそうだ。あるいはお子さん用に最低限の機能を持ったスマートフォンを考えているケースにも向いていそうだ。

韓国では実はこの手のサイズの小型スマートフォンがその名もずばりの「Mini Phone」として子供向けに販売されている。ディスプレイサイズは3.2インチ。ディズニーキャラクターをあしらうことで子供たちも毎日使うことが楽しくなるような工夫がされている。大人用のスマートフォンは子供が使うには大きすぎるし、ゲームをしたり子供には見せたくないサイトを閲覧されてしまう恐れもある。子供向けとしても超小型スマートフォンは有用なのだ。

スマートフォンは大人だけではなく老若男女、あらゆる世代の消費者に必須のツールだ。しかし誰もが高性能な製品を必要としているわけではない。また年々高価格化するスマートフォンも、スペックオーバーと感じる人もいるだろう。
安価で販売されるスマートフォンの数も増えてきたが、中途半端なスペックの製品を選ぶくらいなら、今回紹介した超小型スマートフォンを使うのも面白いかもしれない。
Palm Phoneについてはこちらの記事も参考にご覧ください。
株式会社FOXは、手のひらサイズの高性能小型スマートフォン「Palm Phone」の予約受付を4月18日15時より開始、4月24日に発売することを発表した。 この「Palm Phone」は、PDAのパイオニアである同社[…]