小型なXperiaから両面スマホまで、IFA2019で見つけたこの冬注目の新製品|山根康宏のワールドモバイルレポート

小型なXperiaから両面スマホまで、IFA2019で見つけたこの冬注目の新製品|山根康宏のワールドモバイルレポート

毎年9月にドイツ・ベルリンで開催される大型展示会「IFA」は家電を中心にIT関連の新製品が数多く登場する「秋冬製品」発表の場だ。スマートフォンも一部のメーカーがIFAに合わせて新製品を発表してくる。今年2019年のIFA2019でも日本発売予定のモデルなど、様々な端末が会場をにぎわせていた。
それらの中から注目の製品を紹介しよう。

【1】Sony Xperia 5

Xperia 5
Xperia 5

21:9とシネマサイズのワイドディスプレイを搭載した2019年のXperiaシリーズの最新モデル。春先に発表されたXperia 1は6.5インチのディスプレイだったが、Xperia 5は6.1インチと一回り小型化され、片手でも楽に持てる大きさになった。この2つのモデルの関係は、以前ソニーのフラッグシップモデルに合った「Compact」名のモデルとしてXperia 5が出てきたというわけだ。
両者カメラ性能は変わらず1200万画素x3個を搭載、Xperia 5はディスプレイのサイズと解像度が落とされている。

いきなり「5」の数字がつけられたのは、海外で販売されている「Xperia 10」とフラッグシップの「Xperia 1」の間の製品ということで、5をつけたのではないか?と筆者は考えている。ちなみにXperia 10は6インチで、6.5インチの「Xperia 10 Plus」もある。整理すると2019年の21:9ディスプレイモデルは、

ハイエンド:Xperia 1、Xperia 5
ミッドレンジ:Xperia 10 Plus、Xperia 10

カメラはXperia 1相当、大胆なカラバリも注目
カメラはXperia 1相当、大胆なカラバリも注目

となるわけだ。Xperia 5は落ち着きのある色合いのモデルもあり、日本発売もされるだろうからこの秋冬一番注目したい製品となりそうだ。

【2】Samsung Galaxy A90 5G

Galaxy A90 5G
Galaxy A90 5G

サムスンの「A」シリーズの最上位モデルは5Gの通信方式に対応したモデルが発表された。日本でもドコモなどから「Galaxy S10」「Galaxy Note9」が発売されており、これらはハイスペックなフラッグシップモデルである。一方Aシリーズは「Galaxy A30」が発売中、エントリーモデルとして「Galaxy A10e」が登場予定と、どちらかといえば低スペックな低価格品というイメージがあるだろう。

ところがこのAシリーズ、下のGalaxy A10から、「Galaxy A20」「Galaxy A30」「Galaxy A40」と、10番ずつモデル名をあげて一番上のモデルとして今回のGalaxy A90まで10機種以上の製品が揃っているのだ。「Galaxy A80」はメインカメラが上にスライドして180度回転してフロントカメラになるギミックも搭載。決して「格安スマホ」ではない。

価格を抑えた5Gスマホ。背面処理も美しい
価格を抑えた5Gスマホ。背面処理も美しい

Galaxy A90 5GもCPUはSnapdragon 855を採用、カメラは4800万画素+800万画素+500万画素と同等としたスペック。価格は日本円で9万円を切るので、5G対応スマートフォンとしては安い。Galaxy Aは「Galaxy S、Galaxy Noteの下のモデル」ではなく、独立した全く別のラインの製品という位置づけなのだ。5Gモデルしかないため、日本で発売される予定はいまのところなさそうなのが残念なところ。

【3】LG G8X ThinQ

G8X ThinQ
G8X ThinQ

IFA2019ではサムスンが発売延期になっていた折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」の実製品版を展示して話題になった。スマートフォンディスプレイの大型化は、今後折りたたみ式によりさらなる大画面化を目指す方向になりそうだ。

LGのG8X ThinQは全く別のアプローチで大画面化を実現している。それは本体と同じ大きさのディスプレイを備えたカバーを装着することで、開くと左右に2枚のディスプレイが並ぶ2画面化を実現しているのだ。2つのアプリを左右に表示するもよし、1枚の画面にはゲームのコントロール画面を表示する、といった使い方もできる(要対応ゲーム)。

実は今年2月に発表された「LG V50 ThinQ」も同じ機構を持っていたが、カバーをつけて2画面にすると、「閉じる」(画面が見えない)か「開く」(画面が2枚並ぶ)のどちらかのスタイルでしか使えなかった。つまりスマートフォン本体を使うときは、常に2画面が左右に並び、片手では持ちにくかったのだ。

カバーを外せば普通のスマホとして使える
カバーを外せば普通のスマホとして使える

G8X ThinQは、開いた画面を裏側に回せば1画面サイズになるため片手でも十分持つことができる。V50 ThinQの使い勝手の悪さをきちんとフィードバックさせて改良させているのだ。
「開くと2画面」のスマートフォンは過去にNECやZTEが出していたが、本体価格が高いうえに、2画面のため厚みや重量が増していた。G8X ThinQはカバーを外せば普通サイズのスマートフォンになるため扱いもしやすい。カバーを付けて2画面化は、他のメーカーにも採用が広がるかもしれない。

【4】Motorola One Zoom

One Zoom
One Zoom

モトローラのスマートフォンはアタッチメントで様々な機能を追加できる「moto Z」や、コスパに優れた「moto E」など複数の製品が日本でも販売されている。IFA2019で発表された新製品は、Zoomの名前がつくことからわかるようにカメラ機能を強化したカメラフォンだ。

カメラは4つで4800万画素のワイドに800万画素の3倍望遠、1600万画素のウルトラワイドと500万画素の深度測定用とそれぞれ高いスペックを持っている。望遠はファーウェイの5倍やOPPOの6倍と比べるとやや弱いものの、他のメーカーの製品はほとんど2倍であることを考えると抜き出た性能と言えるだろう。

カメラ周りの処理はモトローラファン受けする
カメラ周りの処理はモトローラファン受けする

しかも4つのカメラをスクエアに配置した上に、その下にはモトローラファン受けする「M」のロゴがLEDライトとして配置されており、プッシュ通知で光ってくれる。CPUはSnapdragon 675とミッドレンジクラスの製品だが、このカメラ画質で450ドルの価格はお買い得だろう。日本発売はぜひ期待したいところ。

【5】Hisense A6L

A6L
A6L

中国大手家電メーカーのハイセンスは中国を中心にスマートフォンも販売している。最新モデルは裏も表もディスプレイという、2画面ならぬ「両画面スマートフォン」だ。ハイセンスはこの両画面スマートフォンを数年出し続けているが、大きな話題にはなっていない。それだけニッチ向けの製品ということなのだろうが、それでも毎年新製品を投入してくるのは何かしらの意図があるに違いない。筆者は過去の記事で「スマート家電の連携用に使われるかもしれない」と予測したが、その後ハイセンスからはそのような動きは起きていない。

ではA6Lはどんな製品なのだろうか?表面は6.53インチの液晶で、フロントカメラ部分に書き取りのある「水滴型ノッチ」を採用。昨年のモデル「A6」が6.01インチだったのでサイズはかなり大きくなり、流行のノッチデザインも取り入れた。
裏面側はモノクロの電子ペーパーを採用、こちらもサイズは5.8インチと、A6の5.61インチからサイズアップした。

電子ペーパー画面でカメラを起動、それなりに見られる
電子ペーパー画面でカメラを起動、それなりに見られる

裏面で電子書籍を読むと、表面のカラー液晶で見るよりも文字がはっきりと表示され見やすく目にも優しい。書籍ばかりを読む人には有用だろうが、他社から同じ製品が出ていないということはそこまで消費者は電子ペーパーディスプレイを求めていないということだろうか。ハイセンスにはスマートフォン本体だけではなく、この両面をうまく使えるアプリを出してほしいもの。

【6】Onix BOOX Max 3

BOOX Max 3
BOOX Max 3

最後に紹介するのはスマートフォンではなくタブレットだ。ハイセンスA6Lの裏面のように、このタブレットも電子ペーパーを採用している。しかしただの電子ペーパータブレットならアマゾンのKindleなど1万円以下で買える小型モデルも売られている。Onixの最新製品はそれとは全く逆の方向を向いた製品なのである。

BOOX Max 3のディスプレイは13.3インチ。ここまで大きい画面に電子書籍を表示させると、A4の雑誌、あるいは新聞紙を折りたたんで使っているような感覚になる。電子ペーパーなので文字の表示も見やすく、長時間の読書も疲れない。なによりもこれだけの大きさがあると本当の紙の雑誌を読んでいるようにも思えてくる。

またスタイラスペンが付属しており、ノートアプリに手書きで文字や絵をかいたり、電子書籍にマーカーを付けるといったこともできる。これも本当のノートにメモを書いているような気分で使えるので、アイディアをまとめたりスケッチを描く、なんて用途にも使える。まさしく「紙」を持ち出すようなものなのだ。

ペンを使った手書きもできる
ペンを使った手書きもできる

本体にはキーボードやマウスを接続できるので、ちょっとしたパソコン代わりとして原稿を書くこともできる。さらにはケーブル1本でPCと接続し、PCの「モノクロ外付けディスプレイ」にもなるのだ。ただのタブレットでは購入層は限られてくるだろうが、ノートにもなるしPCにもつながるということで、会社などで社員に配布すれば生産性も高まりそうだ。もちろん学生向けにも向いているだろう。
価格が800ドル超えと高いのがやや難点だが、日本でも発売になるかもしれない。

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