「OPPO」から「Reno」へとブランディング変更を図るオッポの狙い|山根康宏のワールドモバイルレポート

「OPPO」から「Reno」へとブランディング変更を図るオッポの狙い|山根康宏のワールドモバイルレポート

日本市場にも続々と新製品を投入するOPPO(オッポ)。同社の製品はアジアの若者を中心に売れまくり、今では世界シェアも4位グループの常連となった。そのOPPOがこの1年で製品のブランディング変更を急いでいる。5G時代を迎えアップルやサムスンと直接競合する製品を増やす中、OPPOは全く新しいブランドを立ち上げ、さらなる成功の道を切り開こうとしているのだ。

OPPOの海外最新モデル、Reno 2
OPPOの海外最新モデル、Reno 2

OPPOが日本に上陸したのは2018年2月。海外でも人気の「R11s」をひっさげ、カメラフォンブランドとして参入した。しかしスマートフォンのカメラと言えばファーウェイへの注目が集まっていたころであり、iPhoneの人気も高い日本。OPPOの参入は無謀と考えた人も多かったかもしれない。

しかしその後はフロントカメラがモーターで上下に動く「NEX」といった10万円を超えるハイスペック端末を出したり、MVNO向けにはカメラ画質のいい低価格機を次々と投入。参入から1年半で発売及び発表したモデルの数は10機種にも及ぶ。最新機種の「Reno A」はAKB48の指原莉乃さんをイメージキャラクターに使い、販売数増を狙っている。

海外市場でもOPPOは地域ごとにイメージ戦略を変えており、本国である中国では逆に芸能人を使った広告展開は取りやめ、おしゃれなイメージのものに切り替えている。さらには2019年から投入したあらたなシリーズ「Reno」をフィーチャーした広告が増えている。

中国深センのOPPOの店舗もReno 2を大きくアピール
中国深センのOPPOの店舗もReno 2を大きくアピール

OPPOのスマートフォンは主にハイエンドの「Find」、カメラ特化の「R」、コスパモデルの「A」、RとAの中間で新興国向けの「F」と4つのシリーズ展開をしている。ディスプレイ指紋認証センサーをいち早く取り入れた「K」、先進国向けのRシリーズの派生モデル「RX」などもあるが、いずれにせよFind以外の製品はアルファベット+数字というモデル名だった。日本でもその展開は同様だった。

だがすでにOPPOが高いシェアを誇る市場であればRシリーズとAシリーズの区別もつくだろうし、その後の数字を見るだけでいつの世代の製品かもわかるだろう。それに対して新規参入した国、主に先進国ではアルファベットの型番だけでは製品特性をイメージしにくい。日本で昨年発売になった「AX7」と「R17 Neo」、その違いにどれくらいの日本の消費者が気が付いただろうか?

そこでOPPOは2019年にRenoという新しいブランドの製品を投入した。すでに知名度がある新興国も含め、今までのスマートフォンにはない全く新しい製品を新ブランドとして投入したのだ。Renoの最初のモデルの1つ「Reno 10Xズーム」は扇形にフロントカメラがせり上がり、ペリスコープレンズにより最大60倍のデジタルズームを実現したOPPOのカメラ技術の集大成とも言える製品だったが、Renoという名前を広く知らしめることに成功。Renoブランドは幸先のいいスタートを切ることに成功した。

初代Renoの広告。10倍ズーム、そしておしゃれなイメージは中国でも話題になった
初代Renoの広告。10倍ズーム、そしておしゃれなイメージは中国でも話題になった

Renoはこの10倍ズームモデルだけではなく、デュアルカメラのみを搭載した「Reno」も登場。さらには5G対応の「Reno 5G」と3つのモデルが相次いで発表になった。Renoの名前を聞けば「カメラがすごい」あるいは「5Gモデルもある」というイメージが広く消費者に伝わっていったことだろう。Reno 5Gはスイスなど海外で5Gを開始した通信キャリアも積極的に販売を行っており、サムスンやファーウェイの5Gスマートフォンと同列に並べて販売されているケースもある。しかもカメラ性能はそれらと互角、ズーム機能などはOPPOの製品が勝っている。立ち上がったばかりの5Gスマートフォン市場で早くも「カメラのいい5GスマホといえばReno」という評価を受けている。

UAEのドバイでもReno 5Gが普通に販売されている
UAEのドバイでもReno 5Gが普通に販売されている

その後はカメラが飛び出さない「Reno Z」、フロントカメラ部分のみが飛び出す「Reno F」「Reno 2F」、Reno 10xズームの後継機となる「Reno 2」、カメラ固定式の「Reno Ace」とRenoシリーズが次々と発売になっている。日本では3万円台で買える2500万画素フロントカメラ+おサイフ+防水の「Reno A」も発表された。

このようにRenoはカメラが動くギミックとSnapdragonの最上位品を搭載する「旧Findシリーズ」、カメラ性能、特にフロントカメラを強化した「旧Rシリーズ」、さらにはコスパモデルがありながらもカメラ性能を高めた「旧Aシリーズの上位モデル」を統合した製品を揃えている。Renoというブランドは従来のモデル名では消費者に伝えきれなかった製品特徴をしっかりとアピールできているのだ。

Reno Aceの本体背面。「DESIGNED FOR RENO」とここでもRenoブランドを強調
Reno Aceの本体背面。「DESIGNED FOR RENO」とここでもRenoブランドを強調

なお従来から続いている「Aシリーズ」の製品はまだコスパモデルとしてラインナップが残されている。日本向けにも「A5 2020」が発表されたばかりだ。だがAというモデルはサムスンが「Galaxy A」シリーズで採用しており、しかも1年間で「Galaxy A10」から「Galaxy A90」まで10機種以上ものラインナップを揃えている。「A」というモデル名がバッティングしてしまうことを考えると、カメラ性能のいいコスパモデルも「A」ではなく「Reno」のラインナップに加えたのは得策だ。

今や消費者が最も気にするスマートフォンの性能はカメラという時代になり、各社が競い合って高画質なカメラを搭載した製品を開発している。だが「4800万画素カメラ搭載」という数字を言われたとしても、他社と同じであれば自社製品に消費者の目を向けてもらうことは難しい。一方でブランド力を高めれば、それだけで関心を集めることは容易になる。「いいカメラが欲しければReno」そんなイメージの浸透に成功すれば、OPPOのスマートフォン販売数はまだまだこれからも成長が期待できるだろう。

そして5G市場でも存在感を高めることができれば、大手メーカーの一員としての信頼を集めることも可能になる。製品品質や機能の面では十分な実力を持つOPPO。これからの成長のためにはブランド力を高め、消費者からの信頼を勝ち取っていくことが必要なのである。

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