「きのくにICT教育」の取り組み【後編】―ネットでいつでもどこでも。和歌山から地方創生の時代―|上松恵理子のモバイル教育事情

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クオリティソフト株式会社 社内の様子

こちらの写真は2019年10月27日に訪問した企業、クオリティソフト株式会社の様子。
場所は和歌山県の景勝地、南紀白浜。羽田空港からわずか1時間で最寄りの空港に着く。クオリティソフト株式会社は東京本部以外に松本や大阪、名古屋にもオフィスを持っているが、2016年、白浜町に本店所在地を移転した。

クオリティソフト株式会社 クオリティソフト株式会社

会社の広さは敷地5530坪、建物750坪。ドローンを飛ばし放題だなと思ったら、やはりドローンスクールもやっていた。
雄大な海沿いの高台に建つオフィスにはプールや温室、バーベキュー場もある。果樹園や農園にもトライ中で、さしずめDASH村のようだ。
2階は宿泊施設(約50名)とコワーキングスペース。ここでは、ハッカソンだけでなく婚活イベントまでやっており、人気イベントなのだそう。

ドローン 農地 クオリティソフト株式会社 社内の様子

筆者は和歌山県のICT教育アドバイザーを勤めており、また熱中小学校というプロジェクトの講演を行った関係で訪問の機会をいただき、クオリティソフト株式会社の浦聖治 代表取締役社長へ単独インタビューを行った。

浦社長は
「日本には豊かな自然があり、ここ白浜町もそう。そもそもIT産業が地方を盛り立て『海の白浜・山の松本』として働き場所に選択肢のある、そういった会社を目指したい」
という。

1984年にできた当社はセキュリティソリューションの会社で、マッキントッシュ、いわゆるMacが出た1ヶ月後に、Mac が手本としたXerox の Star Workstation の日本語化のために作られた会社である。

Macと縁がある会社でKeyServer配布用ソフトの発売を開始し、1998年からQND Plusを発売した。クラウドから安心安全を提供するためのセキュリティサービスに関しては7割近いシェアを持っている。

もともとはライセンス管理からIT資産管理に移り、エンドポイントセキュリティに移っている。どこにいても安心して効率よく仕事ができるという点においてエンパワーメントすることを研究中であるという。
概念としては“どこでもオフィス”の上を行く、“どこでも机”、となることを考えているという。

南紀白浜、海の風景
南紀白浜、海の風景

浦社長は以前アメリカに住んでおり、帰国した際に
「日本はこんなに豊かな自然があるのに、長時間のラッシュで遠距離通勤をしている。狭い家に住んでいる。しかし和歌山に帰ってきて改めて思ったことは、太陽、水、豊富な緑、木々の豊かさ。日本こそ自然の豊かさを示せる国なのにもったいない、と考えた。地方に住むことが世界に豊かさを示せるのではないだろうか。ITの世界にいる自分たちが牽引して地方の時代を作ろう」
という考えに至ったという。
「雇用をいかに生み出すか、ということがイノベーション。ここは温泉がたくさんあるのでイノベーション・スプリングスと言う名前にした。」
という。

イノベーション・スプリングスのコンセプトは、色々な人が集まる異業者交流である。
「一般的な交流は、話をして1時間くらいお酒を飲むくらい。ここでは宿泊してコミュニケーションを取り、地域課題を洗い出していく」
という。

インタビューの様子
インタビューの様子(左より、筆者、浦社長)

来訪者からヒントを得たドローンスピーカーがある。防災やアナウンサー、電池の開発者などが持っている課題を話しながら、ドローンに特殊なスピーカーをつけた“アナウンサードローン”を作って販売をスタートした。“アナウンサードローン”が発するアナウンスは28ヵ国語に翻訳されるという。

ひきこもりハッカソンも開催し、ネットでも参加OKということだったが意外に参加者が集まったという。いつでもどこでも安全に仕事ができる環境を生み出すことは、いつでもどこでも安心安全なネット環境のもとで学習ができることに繋がる。

ここではスタートアップウィークエンドが開催されもう3回目となった。ここでイノベーションを生み出したい!という浦社長の意気込みは、会社の展望の可能性を大きく感じ取ることができた。

<前編はこちら>

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