中国で早くも始まる5Gスマホ競争、シャオミが3万円台の製品を投入|山根康宏のワールドモバイルレポート

中国で早くも始まる5Gスマホ競争、シャオミが3万円台の製品を投入|山根康宏のワールドモバイルレポート

11月から5Gサービスが始まった中国、それに合わせるように年末にも拘わらず5Gスマートフォンの新製品ラッシュが始まっている。ちなみに中国ではお正月は旧正月をお祝いする。2020年の旧正月は1月25日だ。そのため12月後半は日本のようなお正月を迎える状況にはなく、クリスマスの続きと年の変わりに向けての準備が進められるくらい。12月31日までは平日であり、1月1日のみが休日だ。そのためオッポは12月26日に新製品発表会を行ったくらいである。

中国では8月にZTEが「AXON Pro 10 5G」を発売、8月から通信キャリア3社がプレサービスをはじめ、料金無料の体験SIMを入手すれば5Gを実際に試すことができた。その後ファーウェイ、Vivo、シャオミが相次いで5Gスマートフォンを発売。11月の正式な5Gサービス後はさらに多くの製品が登場している。中国の街中はいまやスマートフォン新製品には「5G」の表記が見られ、最新モデルはほぼ5Gに対応している状況になっている。

中国・深センの街中の広告。最新スマホは5G対応が当たり前だ
中国・深センの街中の広告。最新スマホは5G対応が当たり前だ

11月以降に中国で発売・発表された5G対応のスマートフォンは以下の通りで、これだけの数の製品が出てきている。

・ファーウェイ Honor V30
・ファーウェイ Honor V30 Pro
・ファーウェイ nova 6 5G
・シャオミ RedMi K30 5G
・Vivo X30
・Vivo X30 Pro
・OPPO Reno3 Pro

またファーウェイの話題の折りたたみスマートフォン、「Mate X」も11月になりようやく正式に発売された。定価は16999元(約27万円)だが発売直後から完売し品薄状態が続いている。なお転売市場では最高値では100万円を超えたという。筆者知り合いの香港の輸入端末取り扱いショップでも12月末時点で約80万円のオファーを受けた。ちなみにサムスンの折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold 5G」は中国で15999元(約25万円)で販売中だ。

ようやく出てきたMate Xも5G対応。品薄で転売価格は100万円近くにもなった
ようやく出てきたMate Xも5G対応。品薄で転売価格は100万円近くにもなった

各社がこぞって5Gスマートフォンを出す理由は、クリスマス&お正月シーズンで消費者の財布の中身を4G端末からの買い換えへ向かわせようとしているからだ。中国でもスマートフォンの買い控えが目だってきているが、全く新しい5Gというサービスを3キャリアが全国の主要都市ではじめ、しかもカバレッジも広いとなれば4Gからの移行は大きな意味がある。メーカー側はとにかく5Gスマートフォンを投入することで、5G拡大を図る通信キャリアとの連携も強めているのだ。

とはいえ端末の過度な割引は目立っておらず、「端末は定価販売、通信料金で数百元を毎月キャッシュバック」する方式が主流のようだ。そもそも5Gはデータ利用が多い消費者をターゲットにしており、毎月100元(約1600円)以上の通信費も苦も無く払う人たちは最新機種にも惜しげもなくお金を払う。また通信キャリアも過度な端末の値下げは自分たちの首を絞めてしまう。まずは5Gを本当に使ってほしい人に5Gを勧めていく、という戦略のようだ。

5G推しなチャイナユニコムの深センの店舗。5Gスマホは定価販売
5G推しなチャイナユニコムの深センの店舗。5Gスマホは定価販売

各社の5Gスマートフォンはハイエンドモデルが多いために、安くても3000元台、日本円でだいたい5万円以上のものが多い。ところが早くも低価格機で勝負をかけてきたメーカーが現れた。そう、日本にも「5万円台で1億画素カメラ」のモデルを投入したシャオミだ。

シャオミの「RedMi K30 5G」の定価は1999元(約3万1000円)と一気に価格を下げてきた。1999元という価格設定は中国では一昔前は「ハイエンドのコスパモデル」の価格としてよく見られたものだ。しかし最近ではあまりこの価格でインパクトを与える製品は出ていなかった。シャオミですら目玉製品は3000元台のものが多かったのだ。

RedMi K30 5GのスペックはSoCがSnapdragon 765G、1999元のモデルはRAM6GBにROM64GBとメモリ構成はさすがに低い。しかしディスプレイは6.67インチ2400×1080ピクセル、カメラも6400万画素+800万画素+200万画素+200万画素と4つを搭載。フロントカメラも2000万画素だ。画面サイズとカメラは他社の上位モデルと比べても見劣りはしない。

RedMi K30 5Gは6400万画素カメラを搭載
RedMi K30 5Gは6400万画素カメラを搭載

実は筆者もそろそろ中国で5G契約を行おうと思っている。なお中国は基本的にプリペイド契約であり、毎月の基本料金を先に残高追加しておき先払いで使う。そのため契約も外国人でも可能だ。ただし現在は本人認証が厳格化されたので顔写真撮影が必須なことから外国人の契約を受け付けるキャリアの大型店に行く必要がある。

しかし3000元台のスマートフォンではやや力不足である半面、5000元以上(8万円弱)の端末を中国用に買うのは躊躇してしまう。しかも中国販売のスマートフォンにはグーグルサービスが乗っていない。当初は11月に契約しようと考えていたが、端末代金を考えるとなかなか踏み切れなかったのだ。

しかしRedMi K30 5Gの価格なら、あまり無理をせず購入することができる。筆者と同じ考えの中国人も多いようで、深センのシャオミの店に行ってK30の実機を触っていると「発売はいつになる?」と質問する来客が多かった。ちなみに1月中旬に発売になるとのこと。

RedMi K30 5Gが出てくれば4Gからの乗り換え客は一気に増えるだろう。またシャオミは他にも3699元(約5万8000円)の「Mi 9 Pro 5G」も販売しており、こちらも他社の5G機より価格は安い。シャオミは低価格5Gスマートフォンで一気に5G端末市場でシェアを取ろうと目論んでいるのだ。

一方他のメーカーはカメラ性能を高めつつ、5G対応で先進性をアピール。それら各社の争いを見ていると、もはやライバルは中国メーカー同士であり、アップルやサムスンを相手にもしていないと感じられる。実際、5G開始後の中国では新型iPhoneの存在も以前ほど高くはない。2020年の中国は中国メーカー同士の5G端末ラッシュが進み、それに合わせるように5Gユーザーが急増していくだろう。

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