格安スマホ(SIM)の仕組みは?
格安スマホの乗り換え手順や仕組みをご紹介するまえに、今回の記事での「格安スマホ」という言葉は、「格安で購入できるスマホ機種」ではなく「通信サービス提供会社」の意味で使用している点を念頭にお読みください。
格安スマホは大手通信サービス提供会社ではなくそこから通信回線をレンタルしている会社なので、高額な維持費や通信料を支払う必要がなく、その分、安い通信料を利用者に提供できています。
大手携帯会社の通信サービスを利用している
格安スマホの会社は、自分たちで通信回線を持たずに、三大キャリアの大手の会社の通信回線を借りることで節約しながら安い料金を提供してくれています。
反対に大手の通信会社は、通信回線を持つための初期費用に莫大な金額を投資しています。スムーズな通信を維持するために基地局の整備やメンテナンスをおこなう必要があり、年間数千億円もの資金が必要だからです。そのため、大手キャリアはセットプランが高めに設定されています。
MNOとMVNOとは?
MNOとは「Mobile Network Operator」の略で移動体通信事業者のことで、MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」の略で、仮想移動体通信事業者という意味になります。
MNOとは日本では、ドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクのことです。格安スマホは、このMNOと呼ばれる通信のキャリアから回線を一部借りる形で、消費者にサービスを提供しています。
格安スマホはなぜ大手携帯会社より安く使えるの?
格安スマホは通信回線の維持費や初期費用が必要ない分、ユーザーに安い値段でサービスをお届けしています。
格安スマホの会社が回線をレンタルしている大手のキャリアは、総務省から周波数帯700MHz帯~28GHz帯を割り当てられて使用しています。日本の大手3社は、自分たちの基地局や設備を介して、ユーザーに割り当てられている電波を届けてくれています。維持費や初期費用がかかる分、料金が高く設定されています。
格安スマホのメリットとデメリット
格安スマホのメリットとデメリットについてご紹介していきます。
安くて便利な格安スマホにすぐに乗り換えたいと考える方が多いところですが、メリットやデメリットについて先に知っておくことをおすすめします。以下に格安スマホの乗り換え前にぜひ確認しておきたいメリットとデメリットについて、料金や使用勝手について詳しく言及していきます。ぜひ、格安スマホの乗り換えの参考にしてみてください。
格安スマホのメリット
格安スマホに乗り換えるメリットはたくさんあります。格安スマホの乗り換えで一番に考えられるメリットが料金です。前述したように、大手キャリア三社の通信網をレンタルしている格安スマホ会社のサービスは、リーズナブルなお値段で利用することができます。いままで我慢していた音楽の視聴なども思う存分、できるようになります。また、契約の縛りが少ないので、機種なども自由に変更することが可能です。
料金が安い
格安スマホの乗り換えで皆が納得するお得なポイントが、使用状況を変えることなく料金を低く抑えられるという点です。通信料金は家計を圧迫する要因としてたいへん重要な項目です。しかし、現代人が通信機器のない生活を送ることはたいへん困難です。仕事でも使いますし、大事な用事や通達がメールなどを通しておこなわれる時代です。通信料金は安ければ安いほど助かるので、格安スマホへの乗り換えが盛んになっているのです。
料金プランがシンプル
格安スマホへ乗り換えると、料金プランがとてもシンプルでわかりやすくなります。反対に大手のキャリアの回線を利用すると、どうしても使い放題などのセットプランを契約しなければならないので、通信料金が高くなり内容も複雑化してしまいます。格安スマホへ乗り換えると自分にとって本当に必要なプランだけを選べるので、無駄な料金を払うことがなくなります。ひと月に使うデータ通信量も減らせるので、さらにお得です。
契約の縛りが少ない
格安スマホに乗り換えると、契約の縛りが減るので気楽に使用できるようになります。現在は問題になったので、三大キャリアの2年間の縛り(2年以内に解約する違約金が発生する)の違約金が1万円近い金額から2000円程度になりました。しかし格安スマホのなかには契約期間がないサービス会社もあり、安心して乗り換えることができます。
好きな機種を使える
格安スマホに乗り換えると、好きな機種を使うことが可能になります。格安スマホの乗り換え先が、自分が現在使用している機種のキャリアの回線をレンタルしている通信サービス提供会社であれば、そのまま乗り換えが可能です。今使っている機種をそのまま使用することができるので、とても便利です。
格安スマホのデメリット
格安スマホの乗り換えにはデメリットもあるので、詳しくチェックしていきましょう。安いからとすぐに格安スマホへ乗り換えると「こんなはずではなかった」「こんなこともできないのか」と、戸惑うことが出てきてしまいます。格安スマホへ乗り換えるといままでとどう違ってくるのかを、デメリットを参考に確認していきましょう。
混雑時は速度が遅い
当然のことですが、大手の回線からレンタルしている都合上、格安スマホに乗り換えると混雑時は速度が遅いと感じることがあります。格安スマホへ乗り換えたのですから、当然といえば当然の現象です。混雑時の速度の遅さは、その分、通信料金が安いのだからと割り切って考えることをおすすめします。混雑する時間帯は使用を避けるなど、対抗策を考えて対処していくとよいでしょう。
キャリアメールが使えない
格安スマホに乗り換えると、キャリアメールが使えなくなるので気をつけましょう。三大回線の会社のキャリアメールをメインに使用していた方は、格安スマホに乗り換えると使用できなくなるということを、しっかりと覚えておかないとたいへんなことになります。格安スマホへ乗り換えても、会社によっては自社独自のメールアドレスが取得できる場合があります。その他の場合は、フリーメールを利用するとよいでしょう。
実店舗が無い(少ない)
格安スマホに乗り換えると、自分が利用する通信サービス提供会社の実店舗が無くなるので注意が必要です。格安スマホでも実店舗を展開しているサービスもありますが、大手キャリアと比べると店舗数は限定的です。事前によく調べてから乗り換えましょう。通信サービス提供会社の実店舗がないとどうなるかというと、格安スマホへ乗り換えるときの接続情報などの設定を、自分自身でおこなわなければならなくなります。誰でも簡単にできますが、機器の操作が苦手な人は注意が必要です。
LINEの登録が少し面倒
格安スマホに乗り換えると、LINEの登録が少し面倒になるので注意が必要です。格安スマホへ乗り換えると、LINEの登録にSMS(ショートメッセージ)の機能が必要になるからです。音声通話付きプランの格安スマホは、SMS利用がタダで使えることが多いです。稀にSMSが有料の格安スマホがあるので、気をつけましょう。また、基本的に格安スマホではLINEの「ID検索」機能が使えません。QRコードを利用して友達登録をするなどの対応をしましょう。
一般的な格安スマホの乗り換え手順
ここからは、一般的な格安スマホの乗り換え手順についてご紹介していきます。格安スマホの乗り換えは、実店舗がほとんどない状態なので自分でおこなわなければいけませんが、それほど難しい作業ではないので誰でもできます。機器の操作が苦手な人は手順の説明をよく読みながら、ゆっくりと落ち着いて進めていきましょう。
乗り換え手順1:MNP予約番号を取得する
格安スマホへ乗り換えるために、まずはMNP予約番号を取得しましょう。格安スマホへ乗り換える場合は、必ず乗換え先のMVNOでMNP切替え手続きをおこなわなければいけません。そのための手続きがMNP予約番号の取得です。MNP予約番号には有効期限があるので気をつけてください。直接来店、または電話で取得できます。
乗り換え手順2:格安スマホに申し込む
格安スマホの乗り換え手順として、次は格安スマホに申し込みます。各通信サービス提供会社のホームページで、誰でも簡単に申し込むことができます。会社によって違いますが、MNP予約番号やお客様情報などを入力して完了です。
乗り換え手順3:SIMカードが届く
格安スマホの乗り換え手順として、次はSIMカードが届きます。届いたSIMカードを機器に装着して、電源を入れてください。回線切り替え処理を案内に従っておこなってください。格安スマホに回線が切り替わったら、接続を確認してください。このあと、機種によってはインターネットの回線に繋ぐ設定が必要になる場合があります。
乗り換え手順4:APNを設定する
格安スマホの乗り換え作業の最後として、APNを設定します。APN設定とはアクセス・ポイント・ネームという意味です。 インターネットサーバーに接続する際にどうしても必要な設定のことです。簡単に誰でもおこなえる設定ですが、説明書が付いてくることもあります。
厳選!おすすめの格安スマホ事業者
厳選したおすすめの格安スマホ事業者を8つご紹介していきます。格安スマホの乗り換えができる通信サービス提供会社はたくさんありますが、そのなかでも知名度が高く人気がありおすすめの事業者について、詳しくご説明していきます。
おすすめ1:楽天モバイル
楽天モバイルは、楽天のユーザーにとってとてもお得な格安スマホ事業者です。なぜなら、楽天モバイルを使用すると、楽天ポイントが貯まっていくからです。スマホのネット契約数ナンバー1の大人気格安スマホ事業者です。
おすすめ2:LINEモバイル
LINEモバイルは、月額使用料が5か月間半額の、魅力的な格安スマホ事業者です。LINEモバイルには月々500円のプランなどもあり、たいへんお得感のある会社です。わかりやすくシンプルな料金と、豊富なオプションが人気です。「LINEのID検索が使えない」ということをデメリットであげましたが、本家LINEが提供しているサービスだけあり、LINEモバイル契約者ならID検索が利用できます。
おすすめ3:BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルは、通信速度に定評のある格安スマホ事業者です。SNSとの親和性が高く、オプションの評判もたいへんいい会社です。料金プランが充実しているのでお得感があります。
おすすめ4:OCNモバイルONE
NTTグループが提供するOCNモバイルONEは、安心感がある格安スマホ事業者です。割引キャンペーンを毎月実施していて、セットに含まれている端末の料金も低く設定されています。日単位の通信容量プランもあり、電話かけ放題オプションに10分刻みのオプションまで設定されていて、たいへん良心的です。ストリーミングサービスが利用できる、MUSICカウントフリーというサービスもあります。
おすすめ5:UQモバイル
UQモバイルは、通信速度が安定していると好評の格安スマホ事業者です。縛りがない契約が特徴で、いつでも解約や乗り換えができます。もっとも安いプランで1480円から使用できるお得さです。余ったデータを翌月に繰り越すことができるサービスもあります。
おすすめ6:Y!mobile
どんな時間帯も通信速度が安定している定評のあるY!mobileは、ソフトバンクのサブブランドです。Y!mobileの基本料金に国内無料通話のオプションが含まれています。また、Y!mobileのキャンペーンを利用すると、さらにお得に利用できます。
おすすめ7:mineo
顧客満足度ナンバー1のmineoは、パケットをユーザー同士で分け合えるという特徴があります。ドコモ・au・ソフトバンク回線に対応しているので、乗り換えが簡単にできる点が好評です。オプションも充実しています。
おすすめ8:IIJmio
老舗格安スマホ事業者であるIIJmioは、iPhoneを取り揃えていることが特徴です。料金選びがシンプルにできるので、本当に必要な機能だけをチョイスしてお得に利用することができます。
格安スマホを使いこなすコツ
格安スマホを使いこなすコツについて言及していきましょう。格安スマホはお得感満載ですが、デメリットでご紹介したように、不便な面も持っています。そこで、格安スマホを便利に使いこなす裏ワザをご紹介していきます。
コツ1:低速・高速を切り替える
格安スマホの低速・高速を切り替える機能を使えば、データを節約できます。格安スマホには、データが残っている状態でも、低速モードに切り替えて使用できる機能がある通信サービス提供会社があります。大手キャリアにはないサービスなので、たいへんお得です。
コツ2:カウントフリー機能
格安スマホには、カウントフリー機能がついているものもあります。カウントフリー機能を利用すれば、対象となる音楽ストリーミングサービスやSNSが通信量を消費することなく楽しめます。対象となるサービスは格安スマホによって異なるので、契約前に必ず確認しましょう。
コツ3:動画はダウンロードしておく
格安スマホに乗り換えたら、動画はダウンロードしてから視聴しましょう。格安スマホに動画をダウンロードしておけば、オフラインでも視聴が楽しめます。その間は通信回線を使う必要がないので、節約ができます。ぜひ、ご活用ください。
格安スマホの乗り換えは難しくない!
格安スマホの乗り換え手順は簡単で誰でもできることを、ご理解いただけたでしょうか。格安スマホの乗り換えは、ポイントさえ押さえておけば誰でも手軽にできます。手軽な料金で使えて通信量も増えてお得ですので、興味がある方は乗り換えていきましょう。
さまざまな通信サービス提供会社のプランから今回の記事を参考にして、自分にぴったりの内容のものを見つけ出してみてください。