スマホがちょっぴり高級に。背面革張り仕上げの端末が増えてきた|山根康宏のワールドモバイルレポート

スマホがちょっぴり高級に。背面革張り仕上げの端末が増えてきた|山根康宏のワールドモバイルレポート

一昔前のスマートフォンは背面がガラス仕上げというだけでも高級感を味わえるものだった。しかしここ2-3年で中国メーカーを中心にグラデーションをかけた背面仕上げの製品が増えている。フィルムを多層重ねて細かい色を組み合わせることで、光の反射や見る方向によって見た目が変わるため、毎日見ていても飽きないデザインになっているのだ。メーカー側も標準で透明ケースを付け、自らが開発した背面の色を見せびらかしてほしい、という売り方をしている。

このグラデーションのパターンも段々とバリエーションも変わってきており、光の反射の仕方を放射状や羽のような形にしたり、色の混ぜ方を複雑にするなど様々なパターンのものが登場している。

OPPO Reno 3 Pro中国版の背面。サンライズという名前の通り日の出をイメージする色合いだ
OPPO Reno 3 Pro中国版の背面。サンライズという名前の通り日の出をイメージする色合いだ

しかしどのメーカーも似たような背面仕上げを採用するようになると、もはや目新しさもなくなってくる。また光沢感ある仕上げはどちらかといえば派手なデザインであり、落ち着いた色合いを好む消費者にはむしろ受け入れられにくいものだろう。

そこで各社が新たなバリエーションとして展開を図っているのが新しい素材、の利用だ。とはいえ本革では価格も高くなってしまうため、ビーガンレザーという合皮を繊維状にして革のようにまとめた素材を採用する例が多い。たとえばファーウェイは2019年9月に発表した「Mate 30 Pro」で単色グラデーション仕上げのモデルを4色用意しただけではなく、ビーガンレザーにも2つのモデルを追加。Mateシリーズはビジネス層などターゲットユーザーは高めで、それらの層が好む仕上げのモデルを用意したのだ。

ファーウェイ「Mate 30 Pro」シリーズ。4色+ビーガンレザー2色の6モデル展開
ファーウェイ「Mate 30 Pro」シリーズ。4色+ビーガンレザー2色の6モデル展開

毎日手で握るスマートフォン革素材の採用は、快適な触り心地を与えてくれる。またグラデーション仕上げのモデル同様に、ケースを付けずそのまま使いたくなる外観をしている。そのためケースを装着して本体サイズが大きくなることもない。なによりも高級感あふれる仕上げなので所有欲も満たされるだろう。そしてガラスや金属と違い、こすり傷が付きにくく多少の傷が付いても目立たない。スマートフォンを買ったその日にポケットに入れたところ、入っていた家の鍵とこすれてしまって傷が付いてしまった、なんて悲劇ともおさらばできるのだ。

なおMate 30 Pro 5Gは海外から送れること半年、ようやく日本でも発売になった。カラバリは1色のみ、ビーガンレザーのオレンジモデルだけが採用された。5G対応で高価格なモデルだけに、あえて高級路線で進むことを選んだのだろう。

日本発売のMate 30 Pro 5Gはビーガンレザーのオレンジモデルだけの発売だ
日本発売のMate 30 Pro 5Gはビーガンレザーのオレンジモデルだけの発売だ

革素材を採用したスマートフォンはこれまにもいくつか登場している。たとえば中国の自撮りスマートフォンとして一時は人気だったMeituは上位モデルに本革採用モデルを投入。Meituのユーザー層は若い女性が多かったが、さらに上の年齢層を狙うために高級モデルを用意したのだ。Meituのフロントカメラの性能は他社を大きく上回っているが、カジュアルなデザインでは自分に似合わないと考える女性もいただろう。
Meitu V7の背面はカーフスキン、牛の皮を使ったため価格は割高だが、その風合いはビーガンレザーでは出せない「本物」そのものだ。

Meitu V7は本革を採用。革のほのかな香りや柔らかい手触りは本革ならでは
Meitu V7は本革を採用。革のほのかな香りや柔らかい手触りは本革ならでは

そういえばファーウェイはMate 30シリーズのポルシェデザインモデル、「Mate 30 RS」の背面もレザー仕上げにしている。そのポルシェデザインはファーウェイの前にはブラックベリーとコラボしたモデルを出していたが、それらも背面は樹脂素材ながら革の表面のような加工がされていた。この「樹脂+革風表面」はサムスンの「GALAXY Note 3」などこれまでにもいくつかの製品が存在し、気持ち程度とはいえプレミアム感を味わえるものだった。

ポルシェデザインとコラボしたMate 30 RSの背面
ポルシェデザインとコラボしたMate 30 RSの背面

革素材の採用はOPPO、OnePlus、Sugarなど中国メーカーが得意としている。やはり世界の工場である中国ならば様々な素材を集めやすいからだろう。しかもビーガンレザーのように合皮の質感も進化しており、安価で見た目や手触りもいい素材が次々と開発されており、それらを積極的に採用しているのだ。
革ではないがカーボン素材の採用など、中国メーカーのチャレンジは見ていて面白い。

大型タッチパネルを搭載した今の形のスマートフォンが登場したのは2007年の初代iPhoneが最初だが、それからまだ10数年しか月日は流れていない。これからもスマートフォンの機能進化は進むだろうが、ディスプレイが折りまげられるようになるなど部材もどんどん新しくなっていく。そしてスマートフォン本体の素材も新しいものが次々と採用されていくだろう。
2020年は革を背面に採用したスマートフォンが増えていくかもしれない。

この記事が気に入ったら
いいね ! をお願いします

Twitter で

山根康宏のワールドモバイルレポートカテゴリの最新記事