折り畳みスマホとは?
折り畳みスマホをご存知でしょうか。折り畳みスマホとは、ディスプレイや本体を2つに折りたためるスマホのことです。2000年代に日本で流行した折り畳みケータイのスマホ版とも言える端末です。今、その折り畳みスマホが続々登場し、街中では広告も目にするようになってきました。日本で発売されている端末もあり、身近なスマホになっています。また、スマホで読むことの多い一般記事にも折りたたみ式スマホの記事が多くあります。
そんな未来を感じる折りたたみスマホを今回ご紹介します。あなたも折り畳みスマホで一足先に未来を感じてみましょう。
韓国で作られた未来のスマホ「Galaxy Fold」

最初に紹介する2画面スマホは、サムスン電子のGalaxy Fold。日本でもおなじみのgalaxy初の折り畳みスマホです。ちなみにギャラクシーとはサムスンのAndroid搭載スマホブランドで、日本では2010年から販売されています。ソニーのXperiaとともに日本のスマホをリードしてきたブランドです。
ここではそんなGalaxyブランド初の折り畳みスマホ「Galaxy Fold」を紹介していきます。あなたもぜひこの記事で未来を感じてください。
Galaxy Fold 公式サイト
https://www.galaxymobile.jp/galaxy-fold/
2020年2月に発売された縦型の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip」の記事も参考に!
オシャレかつコンパクトな革新的スマホ! 昨年発売された「Galaxy Fold」に続き、また新たな折りたたみスマホが発売されます。 サムスン電子ジャパンおよびKDDI、沖縄セルラー電話は、日本初となる、コンパクトでスタイリッシュな縦[…]
auで独占販売
このGalaxy Foldは折り畳みスマホのなかでも日本でも購入可能な端末ですが、取り扱い場所は限られています。一般的なGalaxyシリーズはNTTドコモやau、楽天モバイルや格安スマホなどで取り扱われています。ですが、この折り畳みスマホのGalaxy Foldはauのみの取り扱いです。残念ながらドコモではこの最新機種の取り扱いは見送られました。そのため、Galaxy Foldを使ってみたい人はauで購入しましょう。ただし、取り扱い店舗は限られているので注意が必要です。
Galaxy Foldのスペック
それではサムスンの折り畳み式スマホ、Galaxy Foldのスペックをみていきましょう。
ハイエンドモデルとしておなじみでシェアも高く評判のGalaxySシリーズやnoteシリーズと同様に、スマホとしてのスペックが高いのが特徴です。SoCは他のSシリーズやnoteシリーズなどの最新ギャラクシースマホと同じSnapdragon855を採用し、指紋認証と顔認証に対応しています。
内蔵メモリは12GBと一般的なスマホよりも大きく、またストレージも512GBとなっています。バッテリー容量も大型化して4380mAhで、電池は約135時間持ちます。なお、電池パックは取り外しできません。
日本国内でVoLTEによる連続通話時間は約3040分と2日以上通話することが可能です。LTEエリアやWiMAX2+エリアでの待受時間は470時間です。なお、通信速度は受信時479Mbps、送信時75Mbpsです。479Mbpsは一部のエリアでのみ提供されているので注意が必要です。Wi-Fiは802.11a/b/g/n/acに対応しています。Bluetoothは5.0、USBはTypeCに対応しています。
サイズ
Sシリーズやnoteシリーズも最新機種では画面が大型化していますが、より大型画面を搭載するために2画面スマホとして作られたサムスンスマホがGalaxy Foldです。
画面サイズはメインのディスプレイが7.3インチ、カバー側が4.6インチです。カバー側は主に折り畳んだ時に使う画面で、電話のダイヤルなどを表示できます。なお、メインディスプレイは折り畳むと内側に来るので、折り畳んで持ち運ぶ時にディスプレイを傷つける心配はありません。メインディスプレイはタブレット並の大きさですが、この大きさのおかげで迫力満点の映像などを表示することができます。また、折り畳めることと、この大きさからフォルダブルスマホと呼ばれています。ディスプレイはHDR10+対応の有機ELで、綺麗な画面も特徴です。綺麗で大きな画面なので、今まで以上に動画をみるのが楽しくなるのがメリットです。
また、折り畳まずにオープンな状態の本体サイズは横が118mm、縦161mm、奥行き6.9 mmです。折り畳むと横63mm、縦161mm、奥行き15.7mmになります。なお、オープン時の一番厚い部分の厚さは7.6mmです。オープン時はタブレット、折り畳み時はスマホとして使い分けましょう。
重さ
重さは約276gと一般的なスマホより重くなっています。例えば、同じサムスンのスマホで最新のGalaxy Note 10+では196gです。iPhoneの新型スマホの中でも大きい11 Pro MAXでも226gです。Galaxy Foldは折りたたむと小さなスマホになるため、276gは外見に反して重く感じます。ここは画面サイズがタブレット並に大きいことと、折り畳みのための機構があるので仕方ありません。ただ、この未来のスマホでは画面が大きいこともあるので、ユーザー評価の中でも気にならない人も多くいます。
カメラ
メインカメラは背面にあります。一般的なギャラクシースマホでは2つのカメラが多いですが、このGalaxy FoldはソニーのXperia1などと同じく最新のハイエンドモデルのトレンドである3つのカメラが搭載されています。気になるメインカメラの画素数は1600万画素、1200万画素、1200万画素で、一眼レフ並の綺麗な写真がスマホで取れることで評判です。
一方で、スマホではお互いの顔を見ながら通話したり、インカメラで自撮りをしたりすることも多いです。そんな時に自撮りなどで使うインカメラはディスプレイのノッチ部分にあります。メインディスプレイの右上にインカメラがあり、ここに広角カメラと奥行き検出カメラが搭載されています。
インカメラの画素数は1000万画素と800万画素です。カメラの素子はメインカメラ、インカメラの両方ともCOMSセンサーを搭載しています。
また、ズームは動画と静止画の両方で10倍ズームまで可能です。
値段
値段はかなり高く245,520円。気軽に購入できる価格ではありません。一般的なスマホでも2019年のハイエンドモデルでも10万円前後、高くても20万円以下が多いのでこの24万円台は比較すると高いです。また、一般的なパソコンもこの値段になるとかなりいいものを買うことができます。これはGalaxy Foldが高機能端末であることと、二画面スマホという新しいジャンルであるという付加価値から高くなっています。
ただし、日本では端末代金を分割で支払うのが一般的です。このGalaxy Foldもauで購入すれば分割で支払うことが可能ですし、auには48分割という選択肢があります。端末代金は高いですが、分割支払いを選べば無理なく支払うことが可能です。
この機能と値段から、アーリーアダプターと呼ばれる先進的なユーザーが買うことも多いですが、その分未来を感じることができるのです。
Motorolaの折りたたみスマホ「Razr」

次に紹介するのはモトローラの折り畳みスマホ「Razr(レイザー)」です。このRazrという名前はかつての折り畳みケータイのヒットモデルについていた名前で、スマートフォンとして復刻したモデルという位置づけです。この新しいRazrは往年のモデルの名前を冠するだけではなく、美しいデザインの本体に最新の機能を搭載しています。
また、Galaxy Foldとはまた違った折り畳み方になっているのも特徴で、折り畳みケータイを使っていた人には馴染みのある形です。なお、このRazrという名前は日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、ドコモから発売されたM702iGやM702iSもRazrシリーズの端末です。
このRazrは日本では発売予定がありませんが、シリーズとしては日本でも売られたことがあり馴染みがあるのも事実です。そんな日本との関わり合いもあるRazrの折り畳みスマホについてみていきましょう。
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Razrのスペック
正式にはRazr 2019と呼ばれることもあるこの折り畳みスマホ版Razr。そのスペックはどうなっているのでしょうか。
ネットワークは4Gの対応バンドはBand2、3、4、5、7、13、20、28、66。3GはHSDPAの850、900、1900、2100です。日本でよく使われている4GのBand1などの周波数には対応していない部分もあります。
SIMカードはeSIM対応なので、ネットワークを通じてSIMカードに情報を書き込みます。手持ちのSIMカードを使うわけではないというのがポイントです。
Wi-Fiは802.11a/b/g/n/acに対応しています。Bluetoothは5.0、USBはTypeCに対応しています。
指紋認証に対応していますが、防水には非対応です。
また、GPSはA-GPSに対応し、NFCチップも搭載です。VISAタッチなどは使用可能ですが、おサイフケータイとしては使えません。イヤホンジャックもないので、Bluetoothでイヤホンを接続する必要があります。
OSはAndroid9を採用。SoCはSnapdragon710でミドルハイの性能を持っています。また、メモリは6GB、ストレージは128GBです。カードスロットは256GBまで対応です。
サイズ
本体のサイズは展開している状態で横72mm、縦172mm、厚さ6.9mmです。一方で折り畳みの時は縦が94mm、厚さが14mmになります。
他の折り畳みスマホと違う点は、他のスマホが横に折り畳むのに対して、縦に折り畳むことです。そのため横幅は変わりませんが、縦と厚さが折り畳むと変わってきます。
ディスプレイは6.2インチで有機ELを採用。また、ストレートタイプのXperia1と同じ21:9のアスペクト比を採用しているので映画をフルサイズで見ることができます。
重さ
重さは205gと少々重いです。他のスマホと比較すると、同じ折り畳みスマホのGalaxy Foldよりは70gほど軽いです。一般的なストレートタイプのスマホと比較すると、ソニーのXperia XZ2 Premiumが236gなので、こちらよりは軽いです。一方で同じ21:9ディスプレイのXperia1が178gなので、それよりは約30gほど重いというところです。
カメラ
カメラは背面部と前面部の2箇所に搭載されています。最近のハイエンドモデルのトレンドは折り畳みスマホを含め2つ以上のレンズ搭載ですが、このRazrはシングルカメラになっています。
背面のカメラは1600万画素でF値は1.7。他のカメラに関する機能としてはレーザーによるオートフォーカスや電子手ブレ補正といったものがあります。
この背面部カメラで撮影できる動画は画素数が2160p、fpsが30fpsです。動画撮影時にも電子手ブレ補正が使えます。一方の前面部のカメラは500万画素でF値は2.0。こちらは主に自撮りや動画での通話などに使用します。ディスプレイ上部にノッチの形で存在しています。
値段
値段は1500ドルで、日本の円に換算すると163,000円前後になります。同じ価格帯ではiPhone11 Pro MAXの512GBの157,800円があります。また、その他の一般的なストレートモデルと比較すると同じ21:9ディスプレイのXperia1 Professional Editionが14万円台と近い価格帯になります。同じ折り畳みスマホで比較すると、Galaxy Foldよりは8万円ほど安くなっています。これにはハイエンドモデルのGalaxy Foldと比べるとSoCにSnapdragon710を採用し、カメラもシングルになっているという違いがあります。
値段的には一般的なスマホのハイエンドモデルに近いので、折り畳みスマホを使ってみたいという場合には手頃な価格といえます。ただし、この折り畳みRazrは日本では発売されていません。購入する際には日本への発送費などもかかるので、実際には16万円よりももう少しかかります。
HUAWEI Mate X

最後に紹介するのはHUAWEI Mate Xです。中国のHUAWEIにより開発された折り畳みスマホがこのMate Xです。同時期に開発されていたのが最初に紹介したGalaxy Foldです。この2機種は競い合うように開発されていたという経緯もあり、注目されています。
このMate Xは発売まで紆余曲折ありましたが、昨年秋に発売されました。そんなMate Xについてみていきましょう。
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HUAWEI 公式サイト
https://consumer.huawei.com/jp/
HUAWEI Mate Xのスペック
このMate Xはなんと5G対応。5G通信時の下りは4.6Gbps対応です。この速度はサブ6帯とよばれる周波数を使用した際の速度ですが、ミリ波通信にも対応しています。SIMカードはnanoSIMカードのデュアルスロットですが、5Gに対応するのは第1スロットのみです。もう一つの第2スロットは4G対応になります。また、第2スロットは排他利用でHUAWEI独自のメモリーカードであるNMカードに対応しています。
Wi-Fiは802.11a/b/g/n/acに対応で、Bluetoothは5.0に対応しています。メモリは8GBで内蔵のストレージは512GBです。第2スロットにNMカードを入れるとさらにストレージを増やすことが可能です。
SoCはGalaxy Foldなどと異なりHUAWEIが自社で開発したキリンチップを採用。キリン980と同じく自社開発の5Gモデムを組み合わせることで5G通信に対応させています。
OSはAndroid9を採用し、EMUI9.1をあわせて搭載しています。バッテリー容量は4500mAhと一般的なスマホよりは大容量です。また、USBはTypeCで3.1規格に対応しています。
なお、貿易戦争の関係でHUAWEIのAndroid更新にも影響が出ると言われていますが、既に発売されている端末はサポートが継続されます。そのため、Mate XもAndroidのアップデートなども継続して行われます。
サイズ
折り畳みスマホの特徴はディスプレイが折りたためることです。このMate Xでは展開していると8インチとGalaxy Foldよりも大きい画面になります。展開しているときはタブレットとして使うことが可能です。
なお、Galaxy Foldは折り畳む時に内側にディスプレイを折り畳みますが、このMate Xはディスプレイを外側に折り畳みます。折り畳みスマホとして使用するとディスプレイのサイズが変わってきます。折り畳んだ時のディスプレイサイズはフロント側のディスプレイがおよそ6.6インチ、バックディスプレイが6.38インチになります。
ディスプレイのアスペクト比は19.5:9、ディスプレイ解像度は2K+と一般的なハイエンドモデルとほぼ同じです。
本体サイズは展開時の幅が62.2mm、高さ161.3mm、奥行きは5.4から11mmになります。一方で折り畳んだ時は幅が78.3mm、高さが161.3mm、奥行きが11mmです。展開時の奥行きは持ち手があるので幅があります。
重さ
重さは295gです。同じ折り畳みスマホのGalaxy Foldよりも重くなっています。展開時の画面サイズが近いiPad miniがWi-Fiモデルで300.5g、セルラーモデルで308.2gなので音声通話が可能な折り畳めるiPad miniというイメージです。
なお、折り畳みスマホで比べると今回取り上げるなかで一番軽いモトローラのRazrよりも90g重くなります。重さに関しては軽さを重視するか機能を重視するかで選びましょう。
カメラ
カメラはライカとのコラボレーションです。HUAWEIは以前よりライカとのコラボレーションを行っていて、カメラには定評があります。
カメラはトリプルレンズ構成で、広角、超広角と通常のカメラのレンズになっています。広角カメラは4000万画素、超広角カメラは1600万画素、そして残り1つは800万画素になっています。
自撮りを行う場合は折り畳んでバックディスプレイを使って行います。また、このバックディスプレイは撮影される側のライブディスプレイを用いることが可能となっています。
値段
値段は2299ユーロで、日本の円に換算すると約29万円になります。折り畳みスマホで比較すると、Galaxy Foldよりも5万円近く高く、モトローラのRazrよりも13万円程度高くなります。パソコンでいえば、かなりの高機能端末が買える程度の値段になります。
また、日本で発売されていないので、購入時には個人輸入に掛かる発送費などの費用が別途かかります。実際に購入する際には購入サイトなどにより発送費が異なりますが、30万円程度は購入費用がかかる計算です。
近未来のスマホを手に入れてみよう!
ここまで折り畳みスマホを3つ紹介してきました。いずれも2019年に発表され、発売されたスマートフォンです。折り畳みスマホの数はまだまだ限られていますが、2019年に発表された折り畳みスマホの中にはMicrosoftのSurface Duoのように未発売の2画面スマホもあります。また、ドコモではMEDIAS WやMという2画面端末も発売されていました。Surface Duoなどはディスプレイを折り畳むものではなく2つの画面があるものになりますが、今後もこのような端末は続々発売されます。
今発売されている端末は少々値段がはりますが、今までとは違うタイプのスマホになります。また、これまでと違う使い方ができるのも折り畳みスマホの大きな特徴です。
ぜひあなたも折り畳みスマホで近未来を体験してみましょう。