着実にシェアを伸ばしつつあるMVNO|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

着実にシェアを伸ばしつつあるMVNO|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

NTTドコモ モバイル社会研究所は、スマホ利用者のMVNO比率についての調査を行い、その結果を4月16日に公表しました。MVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動通信事業者)は、いわゆる格安SIMなどと呼ばれているサービスですが、年々加入率も増えていることもあり、さらには今後新たなMNO(Mobile Network Operator=移動通信事業者)として楽天モバイルも参入したことから、業界動向としてユーザーがどう動いていくのかは興味深いところです。

なお、MVNO動向に関する定義は調査機関ごとに色々ありまして、とくに「MNOでありながらMVNOもやっているキャリア」をどちらに含めるかで統計が変わってきます。このNTTドコモの調査ではKDDI系のUQコミュニケーションズをMVNOに含めていることを勘案しながら見ていく必要があります(UQコミュニケーションズはMNOに扱われることもあります)。

では実際にデータを見ていきましょう。MVNOは近年普及が進んできており年々増加の一途をたどってきましたが、2020年にはスマホ利用者のうち18.9%がMVNOを利用しするまでに増加しました。着目しておきたいのは2015年には4%未満だったMVNO比率が2016年に13.2に急成長、そして2018年の14.5%から2019年に18.1%と、2度の急増期があったことです。

<図1>スマホ所有者のうちのMVNO比率 [調査対象:スマホを所有する全国・15~79歳男女]
<図1>スマホ所有者のうちのMVNO比率 [調査対象:スマホを所有する全国・15~79歳男女]
2015年の最初の伸びは、MVNOの販売戦略が方向転換したことがきっかけだったと見ています。従来のMVNOは、SIMカードのみを提供するスタイルが多かったのですが、一般のユーザーにはSIMカードそのものの認知が十分に浸透していませんでした。のちにMVNO各社は独自に調達したスマホ端末とセットで販売することにより、MVNOの認知を高めていったことで一般のユーザーに浸透していきました。こうした取り組みが功を奏していったのが2015年あたりからの伸びにつながっていると考えられます。

また、2018年の伸びは、おそらくSIMロック解除を義務化した施策が浸透し、SIMカードを差し替えるだけで通信料金が大幅に安価になるということを多くのユーザーが認知し、動いた結果ではないかと考えます。

NTTドコモはこのほか、年代別のMVNO比率も公表しています。MVNOは30歳代以降で利用率が高いことが分かります。ではなぜ10歳代、20歳代の若年層で利用率が少ないのでしょうか。これは、各通信キャリアの学生・若者向け割引施策の影響が大きいのではないかと見ています。実際に大学生に話を聞いてみると、親の契約している回線と家族割引のグループに組まれているのでMVNOに移れないとか、学生・若者割引があるのでMVNOへ移るメリットが薄い、そもそも親が支払っている、といった声が聞こえてきました。
しかし社会人となって自身で通信料も負担しなくてはならないとなって、MVNOに移行していくというのが20歳代後半から30歳代の動きなのではないでしょうか。

<図2>年代別スマホ所有者のうちのMVNO比率 [調査対象:スマホを所有する全国・15~79歳男女]
<図2>年代別スマホ所有者のうちのMVNO比率 [調査対象:スマホを所有する全国・15~79歳男女]
なお、この調査の実施は1月なので、3月の決算期にはわりと多くのユーザーがMNPをしてキャリアの変更をしますので、実際にはもっとMVNOに流れている可能性もあります。

出典:NTTドコモ「スマホユーザーのMVNO比率18.9%に:50代・70代は昨年より減少」
https://www.moba-ken.jp/project/others/mvno20200416.html

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