エーデルワイス門田樹

【浅井企画 エーデルワイス門田の「お笑い調査」体験レポート】芸人にとっては怖いけど味方にもなるツール

こんにちは、浅井企画でお笑い芸人をしている門田樹と申します。
インターネットで知り合った相方と小さめの声で漫才をしています。
ネタ作りのためにコーヒー屋さんに入ると相方がいつも当然のように背もたれがフカフカの壁側の席に座るのが不満です。ネタを考えているのは私なのに。

エーデルワイス門田樹

そんな私のところに、いつもスマホゲームレビューを執筆させていただいているウェブレッジさんから実証実験の依頼をいただきました。

お笑いを可視化!?

スマートフォンだけでお笑いのネタ動画を見た人の笑いの量を可視化できるツールが開発されたようで、漫才をしている動画を提供してほしいとのこと。

「なるほど、おもしろそう」と動物占いくらいのテンションで僕らのお気に入りの漫才動画を提供させていただきました。

私が提供した動画は「言葉にツッコむ」というテーマの漫才で、その場にはいない「物や人」に対してツッコミを入れていくというもの。「コンビニ店員」だったら「名札の写真撮ったときから今に至るまで何があったんだよ!」といった感じ。
自分たちとしてはかなり気に入っているネタで勝負ネタといえるものです。

視聴率よりシビア

結果はこのとおり!

エーデルワイス(被験者全体の結果)

グラフの見方
縦軸は「笑いの量」、横軸は動画の秒数。被験者が笑った箇所を「Good(ピンク)」、つまらない表情をした箇所を「Bad(紫)」、表情に変化の見られなかった箇所を「Normal(緑)」として表示しています。
赤い線はエーデルワイスさんが「ここで笑いが起きるはず」と予想した秒数で「お笑い予測ポイント」と呼んでいます。

私たちの漫才中の閲覧者の表情を分析し、笑っているかどうかが毎秒ごとに表示されています。テレビには毎分視聴率なんてものがございますが、これはそれどころじゃありません。「毎秒」の「笑いの量」が計られてしまいます。恐ろしい!

ゲームの記事だけでお世話になっていたウェブレッジさんに裸をみられた気分です。

エーデルワイス 「とても面白かった」「まあまあ面白かった」と答えた被験者 41.7% エーデルワイス 「あまり面白くなかった」「全く面白くなかった」と答えた被験者 41.7%

そして「おもしろかった」と「面白くなかった」と答えた人の割合がぴったり同率という結果に、冒頭で「私がネタを考えている」と言ってしまったことを激しく後悔しています。

味方かも

恐ろしいだけでなく、お笑い芸人側にもたくさんのメリットがあると感じました。

毎秒の反応が感覚ではなくデータでみることができるので
「ここのボケはライブでは大きな笑いがきてたけど、笑ってる人の割合が多いのはこっちなのか」

「冒頭のあんまりボケてない時間もニコニコみてくれているからそんなに焦ってボケ始めなくてもいいんだな」
など、お笑いライブの笑い声では見えてこなかった情報も見えてきます。

閲覧者の属性ごとにデータを分析できるので「このボケはここの層にウケるのか」や「ここは若い人には伝わらなかったか」などの発見もあります。
私たちのネタは一言ネタの集合したものになっており、組み替えやすくなっているのでこのデータを元に、ライブやイベントなどで披露する際にお客さんの層に合わせたネタを作ることができるなと感じました。

その他にも、お笑いライブに来てくれるお客さんは「かなりのお笑い好き」に分類される方々だと思いますが、動画で幅広い層にみてもらうことでブレイクするために必要な「お笑い好きではない人にも届くネタ」を模索する大きなヒントになると感じました。

そして何より、現在私たちは新型コロナウイルスの影響でお客さんの前でネタを披露することがほぼゼロになっており、自分たちの漫才の反応をいただくことが半年間なかったので、今回の結果をみて「ここのボケだめだったか」や「あ、ここ意外とウケてるな」「ここ自分でも気に入ってるからウケて嬉しいなあ」などと思った時、大勢のお客さんの前でネタをみてもらっていたときの感覚が蘇りました。

もし今後もこのような状況が続くのであれば、こういったツールは芸人のモチベーションを保つことにも繋がると思います。

幅広い人に見てもらうという以外にも、このツールが広がって芸人とお客さんのビッグデータのようなものが出来上がれば、「自分が好きそうな芸人」と「自分のことを好きそうなお客さん」をマッチングすることもできるようになり、「かなりのお笑い好き」の皆さんにとっても楽しい世界になるんじゃないかと感じました。

その他にも、現在お笑いコンテンツの配信は「お客さんの笑い声が入ったもの」と「ネタだけを収録するもの」の両方がある状態で、その2つの閲覧者の感じ方の違いなども比較が進めばお笑いコンテンツのネット配信により適した様式が出来上がっていくのではないでしょうか。

よりよいお笑い界のために

現在は閲覧者が「笑ったポイント」を「年齢」「居住地」「事前に知っていたか」「おもしろいと感じたか」などでわけて分析できるようですが、その他にも「また見たいと思ったか」「普段からお笑いをよく見るか」「衣装や風貌に好印象をもったか」などのデータが得られると、芸人がブレイクするための研究材料になるのではないかと思いました。

あまりにもリアルで言い逃れできない反応がみれるので、お笑い芸人としては怖さもありますが、ネタをブラッシュアップしていくという作業においては非常に有益なツールなので期待しています。

今回の「お笑い調査」について詳細はこちら
https://webrage.jp/service201006/

■ジャイアントジャイアンかーしゃさんの体験レポートもぜひご覧ください。

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