カメラが増えればデザインも変わる、ファーウェイMate 40の円形デザインに注目|山根康宏のワールドモバイルレポート

カメラが増えればデザインも変わる、ファーウェイMate 40の円形デザインに注目|山根康宏のワールドモバイルレポート

ファーウェイが10月22日に発表した「Mate 40」は3モデル+1ブランドモデルが登場した。
最上位モデルの「Mate 40 Pro+」と、そのポルシェデザインモデルである「Mate 40 RS Porsche Design」は5000万画素+1200万画素(3倍望遠)+800万画素(10倍望遠)+2000万画素(超広角)+深度測定という、5つのカメラを搭載する。5眼カメラのスマートフォンは他にはファーウェイの「P40 Pro+」程度であり珍しい存在だ。

ファーウェイが発表したMate 40の最上位モデル、Mate 40 Pro+
ファーウェイが発表したMate 40の最上位モデル、Mate 40 Pro+

しかし2021年は他のメーカーからも5眼、あるいは6眼といったカメラを搭載したスマートフォンが出てくるだろう。スマートフォンのカメラの進化は止まらないが、望遠からマクロまでをカバーするとなると、カメラ(レンズ)の数を増やしていくのは当然の流れだ。

Mate 40 Pro+はこの5つのカメラを本体背面中央に円形に並べて配置している。最近のスマートフォンはカメラ画素数アップと数の増加により、本体左上にそれらのカメラをまとめて配置するデザインが増えている。数年前、カメラが1つ、あってもせいぜい2つだったころはこの位置にカメラがあることに違和感を覚える人はいなかっただろう。しかし今では多数のレンズが並び大きな存在感となっている。

左上にカメラを集めると、スマートフォンを横向きに持った時にちょうどいい位置にレンズが来るので写真を撮影しやすい。しかし普段スマートフォンを使うときは本体の重量バランスが左上に寄ってしまい持ちにくくなるし、机の上に置いた時に右側が浮く状態になってしまう。カメラを使う時間よりも手に持ったり机の上に置いて使う時間のほうが長いことを考えると、左上にカメラをまとめて配置するデザインはあまりよろしくないと感じられる。

カメラ部分が大きいと、机の上に置いた時にぐらついてしまう
カメラ部分が大きいと、机の上に置いた時にぐらついてしまう

Mate 40 Pro+、そして下位モデルのMate 40 Pro、Mate 40はいずれも円形にカメラを配置しているために、背面を見ると左右対称のデザインをしている。手で持った時や机の上に置いた時の重量バランスも良い。このデザインは1年前の「Mate 30」でも採用されていた。さらにその1年前の「Mate 20」では円形ではなく正方形の台座に複数のカメラを配置していた。形状は違えど「左右対称」になるように、背面の中央線上にカメラの台座は配置されていたのだ。

円形の配置にはメリットがある。まずは外観上、中央に配置されているので美しい印象を与えてくれる。ファーウェイの発表会でもその点がアピールされていた。

またもう1つの利点として、カメラが増えても円周上にレンズを増やして配置することができる。左上に正方形や長方形の台座を乗せるとなると、数を増やしていくとデザインバランスが悪くなってしまう。iPhoneはコンパクトに収まるようにと正方形の台座だが、理論的には四隅に4つのカメラを配置するのが限界で、5個、6個とカメラを増やすとなるとデザインを大きく変えなくてはならない。

Mate 40 Pro+のカメラ部分を見ると、一番上のフラッシュ部分をカメラに置き換えれば6眼化も可能だろう。また円の中央部分にもカメラを入れれば7眼化もできる。実際そこまでカメラの数を増やすかどうかはわからないが、増やそうと思えばそこまでできる可能性があるというわけだ。

Mate 40 Pro+のカメラ部分。あと2つカメラを追加してもデザインは崩れそうにない
Mate 40 Pro+のカメラ部分。あと2つカメラを追加してもデザインは崩れそうにない

この円形のカメラ配置はファーウェイだけではなくシャオミの「K30」や「Poceo F2 Pro」、ノキアの「8.3 5G」なども採用している。いずれも最近はやりの各社の背面デザインと比べると安定性のようなものが感じられるのではないだろうか?

ファーウェイはカメラフォンであるPシリーズは本体左上に、ビジネス端末でもあるMateシリーズは本体中央にそれぞれカメラを配置することで、外見上の差も大きくつけている。各社スマートフォンの複数シリーズ展開を行っているが、カメラ周りのデザインの差別化ができなければ消費者には「みな同じ」と思われてしまう。ファーウェイはうまくデザインを変えることに成功している。

多眼カメラを美しく配置する例として、TCLが採用している横並びデザインも悪くはない。TCLはアルカテルブランドでスマートフォンを国際展開していたが、2019年秋からメーカー名であるTCLブランドで新たに製品展開を行っている。それから約1年で6機種のスマートフォンを市場に出したが、いずれも背面のカメラを横1列に並べたデザインとしている。

TCL 10 5G。カメラを横に並べている
TCL 10 5G。カメラを横に並べている

このデザインは以前、サムスンがGalaxy S10で採用していた。しかしGalaxy S20からは他社と横並びとなる背面左上への配置へと変更した。カメラ周りの設計上そのほうが有利なのかもしれないが、外観デザインは他社と区別がつきにくくなってしまっている。
その点、TCLは他に類似した製品が無いために「カメラが横に並んでいればTCL」と消費者に認知してもらうことができそうだ。

2020年のスマートフォンのカメラのトレンドを見ると、上位モデルは望遠機能を強化し、下位モデルはマクロカメラの搭載が進むなど近距離撮影にフォーカスしている印象を受ける。いずれ両者のカメラが融合し、望遠からマクロまで多数のカメラを搭載するモデルが出てきてもおかしくはない。カメラを4つ搭載するスマートフォンがかなり増えているが、今後5つ、6つとなった時に、今の背面デザインをどう変えていくのか興味深いところだ。

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