LINEで手軽に診察を受けられる時代に|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

LINEで手軽に診察を受けられる時代に|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

LINEヘルスケアは2020年12月17日より、医療機関の検索・予約から実際の診察・決済まで、すべてLINE上で完結できるオンライン診療サービス「LINEドクター」を、首都圏の一部医療機関で先行提供開始しました。わが国ですでに8,600万人以上が利用しているとされている「LINE」アプリ上でオンライン診療を受けられます。

実際の診察には、LINEビデオ通話を利用して医師の診察を受ける事ができ、医療機関の検索・予約から、診察、決済まで、LINEアプリ上でシームレスに行なえるのが特徴です。まずは、首都圏の一部医療機関で先行提供を開始し、実際に利用したユーザーや医療機関双方の意見をもとにサービスを改善していくとしています。

LINEドクター利用の流れ
LINEドクター利用の流れ

スマホを用いたオンライン診療は、すでに中国の「平安好医生(Ping An Good Doctor)」や、イギリスの「Babylon Health」などがすでに参入しており、わが国でもこうした手軽に医療を受けられるサービスの実現が期待されていました。世界で提供されているこれらのオンライン診療サービスは、体調を崩したときなどに手元にあるスマホから手軽にアクセスできて診察してもらえるアクセスの良さがポイントになります。

一方で、わが国ではオンライン診療に際し「最低限遵守する事項及び推奨される事項並びにその考え方を示し、安全性・必要性・有効性の観点から、医師、患者及び関係者が安心できる適切なオンライン診療の普及を推進する」ことを目的として2018年3月に厚生労働省が「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を公表しました。じつはこの指針の中で最低限遵守する事項として「初診は、原則として直接の対面による診療を行うこと」と定められました。このため、事実上わが国ではスマホから診察を受けるためには、かかりつけの医師で再診の場合でしか利用できないものとなっていました。

医療へのアクセスという観点からすると、やはり手軽にスマホから医師に相談できることはとても重要です。わが国でもどうにかこうしたスマホから医療にアクセスできるサービスが実現できないものかと考えていた矢先、2020年は新型コロナウイルス感染症が蔓延し、厚生労働省は2020年4月10日の事務連絡で「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を発出、初診からのオンライン診療に関する規制の緩和を行いました。

実際に、新型コロナウイルス感染症の流行で医療機関に足を運ぶことをためらう人も少なくなく、オンライン診療の活用は一気に進み始めてきました。LINEはいち早く、エムスリーとの合弁会社であるLINEヘルスケアにおいて、LINEを通じて医師とLINEビデオ通話でオンライン健康医療相談を受けられる「LINEヘルスケア」を3月11日にスタートさせました。医師による健康医療相談を受けられるこのサービスは、診断まではオンライン上でできないものの、医療機関で診察を受けるべきかどうかの相談までは可能で、医療機関にすぐにかかれない状況にある人たちにとって心強いサービスとなったはずです。

このLINEヘルスケアの健康医療相談サービスが、いよいよオンライン診療まで行うLINEドクターへと進化したことになりますが、オンライン診療は、通院の負担なく隙間時間で自宅から自身やご家族の診療を受けることができるため、仕事や家族の用事などで忙しい方でも、医療とつながりやすくなることで、早期の治療や継続した治療が可能となります。昨今、新型コロナウイルスが再び感染拡大している状況下においても、院内感染や外出による感染等のリスクを極力減らし、医師の診察を受けることができます。

この初診からのオンライン診療をめぐっては、厚生労働省が開催する「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」でも議論が続いてきました。新型コロナを受けての時限的・特例的な取扱いに先立ち、4月2日に開催された「第9回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」では、初診オンライン診療のケースを4つに分類し、論点を整理していました(下図)。

初診オンライン診療のケースこの4つのケースのうち、ケース3の場合は慎重に対応する必要があるという意見もありましたが、4~6月の電話・オンライン診療の実績が検証された8月6日の同検討会では、特に安全性の面で大きな有害事象は報告されていません。オンライン診療は感染症のリスクが低減できるといった医師・患者双方の利点もあり、時限的な取り扱いにとどまらず恒久的に利用できるようにすべきでしょう。

じつはLINEドクターのようなオンライン診療を提供するためのソリューションはすでに多数の企業から医療機関向けに提供されていますが、やはり利用するユーザー側のスマホにすでに入っている「LINE」アプリから診察を受けられるというアクセスの良さは、今後一段とわが国の人たちにとってオンライン診療を手軽なものにしてくれることでしょう。同時に、どのようにオンライン診療対応したらよいか悩む医療機関側のハードルを下げるソリューションにもなるはずです。

さらに、これまで投薬の際に薬剤師からの対面で服薬指導が必要だったものが、これも2020年9月から規制緩和され、オンライン服薬指導が可能となりました。すなわち、ビデオ通話機能を使い、薬剤師から薬剤の説明を受けて、自宅で薬を受け取ることが可能となりました。オンライン診療と組み合わせて、スマホ上で一気通貫の医療サービスを受けられる時代がいよいよ始まろうとしています(もちろん、医療機関への通院が必要な症状の場合は強く通院をお勧めします)。

LINE プレスリリース
「オンライン診療サービス「LINEドクター」首都圏の一部医療機関で先行提供を開始」
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2020/3539

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