7インチ弱の大画面は動画を見るのに向いている

2021年のスマホ「4つのトレンド」を搭載、ZTE AXON 20 5G|山根康宏のワールドモバイルレポート

2020年の世界のスマートフォン市場は新型コロナウィルスの影響を受け、出荷量は前年比マイナス10%となった(カウンターポイント調査)。2021年はワクチン接種の広がりや各国のパンデミック抑え込みがようやく進み、経済状況もようやく上向きになると見られている。2021年のスマートフォン市場は5Gの普及と共に買い替え需要も高まり、2020年比プラスの出荷利用になると予想されている。

では2021年はどんなスマートフォンが出てくるのだろうか。毎年様々な新しい機能・デザインが各メーカーから登場してきたが、2021年のトレンドを取り込んだ製品と思える端末を筆者は入手した。それはZTEの「AXON 20 5G」だ。
AXON 20 5Gには2021年のスマートフォンが必ず搭載すべき機能がほとんど搭載されていると感じるほど、日々使ってみると不満点はほとんど感じられない。
では筆者が実際に使ってどのように感じたのか、4つの特徴を説明しよう。

特徴1.高速な5Gに対応

AXON 20 5Gは5Gに対応している。5Gの普及はまだ各国で「これから」という状況だが、1年後には5Gの使えるエリアは今より広がっているだろう。また今後、よりストリーミングで動画を見ることが当たり前になると、今から買うなら5Gスマートフォンにしたほうが良いはずだ。メーカー側も消費者の買い替えを促すために2021年は5Gスマートフォンへのシフトを急激に進めているのが実情だ。

5Gに対応するAXON 20 5G
5Gに対応するAXON 20 5G

一方、4Gのみ対応の製品は新興国向けの低価格なモデルのみとなっていくだろう。日本でもシャオミが1万5980円(税別)という低価格な4Gスマートフォン「Redmi 9T」を発売したが、4Gスマートフォンの価格はこの程度となり、これより高価格なスマートフォンはすべて5G化していくだろう。つまりある程度のスペックを備えたスマートフォンは、5Gに対応しなくては売れなくなるかもしれない。

特徴2.コンテンツを楽しむための大画面化

AXON 20 5Gのディスプレイサイズは6.92インチ。この大きさがあると、動画も快適に視聴できる。例えば動画を見ている最中に、背景に写っている建物の看板の文字も大きい画面ならそれなりに見ることができるだろう。SNSを使う場合も、タイムラインにサムネ表示される動画や写真も大きく見えるほうが楽しい。

7インチ弱の大画面は動画を見るのに向いている
7インチ弱の大画面は動画を見るのに向いている

もちろんスマートフォンは片手で使いたい、という声もよく聞かれる。しかし満員電車の中の狭いスペースでスマートフォンを使う機会はこれから減るだろうから、持ちやすさから小型モデルを好む消費者も減るかもしれない。2021年はスマートフォンの大画面化はさらに進むはずだ。AXON 20 5Gの7インチ弱の画面サイズはトレンドの最先端を走っているといえそうだ。

特徴3.ノッチを廃止、ディスプレイの下に埋め込まれたフロントカメラ

大画面化と共に求められるのがフロントカメラの小型化・廃止だ。iPhone 12 Pro Maxは6.7インチの大きい画面を搭載しているが、画面上部のノッチ(欠き取り部分)があるため、実際に表示できるサイズはそれより小さくなってしまう。そしてノッチの部分、ディスプレイの最上段を非表示にすると、今度は大きいディスプレイの一端に非表示エリアが目立ってしまう。

ディスプレイ上部中央にフロントカメラを内蔵。わかりやすく光の加減を変えて撮影
ディスプレイ上部中央にフロントカメラを内蔵。わかりやすく光の加減を変えて撮影

フロントカメラをなくすことが一番だが、リモートオフィス化が進みオンラインミーティングなどが日常になると、スマートフォンのフロントカメラは必須機能となる。iPhone以外のAndroidスマートフォンはすでにノッチは無くし、フロントカメラ部分だけを穴型にするモデルが増えている。AXON 20 5Gはフロントカメラをディスプレイの下に埋め込んだ、世界初のスマートフォンだ(同系モデルとなる日本のRakuten BIGも同じカメラを搭載)。ディスプレイ埋め込みフロントカメラは他のメーカーも開発中であり、2021年は採用が増えるだろう。

特徴4.ケースを不要とする美しい本体デザイン

いつからスマートフォンにケースをつけることが当たり前になったのだろう?もちろん落下させてしまったときの破損防止としてケースは有用だ。しかしスマートフォンは年々大型化しており、ケースをつけると本体サイズはさらに大きくなってしまう。またケースも適当なものを買うと、外観が安っぽく、せっかく買った高価なスマートフォンの雰囲気を損なってしまうものもある。

AXON 20 5Gの背面は真珠をイメージしたような色合いと、貝殻のような曲線が流れる美しい仕上げになっている。筆者が初めてAXON 20 5Gの実機を目にしたとき、「ケースをつけるのが勿体ない」と思ってしまったほどだ。その後実機を入手したが、現在もケース無しで(傷が付かないように注意しながらだが)使っている。

美しい背面デザインはケースをつけるのがもったいないと感じる
美しい背面デザインはケースをつけるのがもったいないと感じる

現在の筆者は、サムスンのGalaxy S21 Ultraをメイン機に使っているが、こちらの端末もマットなブラック仕上げが美しく、同様にケースをつける気が失せてしまうほどだ。2021年はこれらのように、「ケースをつけたくなくなるような美しいデザイン」の製品が増えるのではないだろうか。

AXON 20 5Gは他にもマクロカメラを含む4つのカメラを搭載するなどまだまだ特徴はある。家に籠ることが多い今の時代、食事や物撮りの機会は多いだろうから、マクロカメラは結構使うものだ。近距離撮影ができないスマートフォンは2021年は敬遠されるかもしれない。このようにAXON 20 5Gは大きな欠点の見つからない、バランスも良くトレンドを先取りした「2021年のスマホの代表」と感じられるのだ。

ZTEについては2020年10月にも記事を書いたことがある。

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6.9インチのディスプレイをすべて表示領域にできる

日本ではやや忘れられた存在になってしまったが、今のZTEはグローバル市場での存在感を取り戻そうと、必死にいい製品を開発しているのだろう。AXON 20 5Gを使ってみると、ZTEの気合の入れようが伝わってくるのだ。

日本ではAXON 20 5Gの同系機、Rakuten BIGが発売されているものの、通信キャリアであるRakutenのみの発売であること、本体デザインが日本仕様となり背面仕上げも特徴のないものになっており、あまり注目されていないのが残念だ。AXON 20 5G、Rakuten BIGともにZTEが本気で仕上げた製品だけに、機会があればぜひ実機を触ってみてほしいと思う。

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