こどもたちが集うプログラミングコミュニティ【前編】|上松恵理子のモバイル教育事情

こどもたちが集うプログラミングコミュニティ【前編】|上松恵理子のモバイル教育事情

プログラミング教育に関わり、大学院でも研究をされている宮島衣瑛(みやじま きりえ)さん。今回は宮島さんにCoderDojo Kashiwaを立ち上げたきっかけなどについてインタビューしました。前後編でお届けします。

プログラミング教育に対するニーズの高まりと「CoderDojo」の目的

宮島さんが立ち上げた「CoderDojo Kashiwa」
宮島さんが立ち上げた「CoderDojo Kashiwa」

上松:最近はプログラミング教室がたくさん開かれています。学校でも1人1台端末を持つという時期ですし、それだけプログラミング教育に対する保護者の期待が高まっているのではないかと感じますがいかがですか?

宮島:カリキュラムを立ててプログラミングを教えてもらいたい、という保護者のニーズは当然ありますね。しかしCoderDojoはどちらかというと「教えるとか教わる」という場所ではありません。
子どもから大人まで世代を超えて集まるクラブのような場所」という説明の仕方をしています。
子どもの自発性が大切。子どもたちが自分でやりたいことを実現するためには自発的に動けることが大事です。最初は一緒に使い方を教えるけれども、その先が大事と考えています。

上松:確かにそうですね。自分で自発的・能動的に動けるためには、ある程度、問題意識がないと難しいのではとも思います。

宮島:一応、初めて来た子どもたちには、初回用のワークショップでやるようなチュートリアルなどを用意しています。問題はその後ですよね。世界中のユーザーが作った作品を見ることができるScratchのようなものを使って、どうやって学んでいくかという方法ですね。上手く使えばプログラミングのスキルは上がると思います。

一番良くないのは親に「プログラミングが大事だから行きなさい」と言われて来るケースですね。私たちは子どもの自発性を大事にして能動的に来ることを目的としており、そうなるための手助けはいくらでもしています。

CoderDojo

余白のある教育が生むクリエイティビティ

上松:自分のクリエイティビティにトライするのは大事ですよね。学校と塾が同じ感じで代わり映えがしないというのは、子どもの成長も限定的になりますしね。

宮島:塾だと同じ世代とか決められた中から決められたものしか出てこない。偶発性や創造性が大事で「余白」がある中で試行錯誤していくのが大事だと思います。

上松:日本は余白が無さすぎますね。きつきつな感じで親切すぎですね。

宮島:カリキュラムで決めてしまっているというのは仕方ないと思うけれど、指導案とか作ること自体が終わっていると思います。

上松:なるほど、確かに設計図みたいな感じで、その通りに授業が進行するという前提で作られますよね。しかし実際にはそんな先生の期待通りに答えて発言なんてなかなかしないですよね。実際、予定調和的な感じの授業を見たこともあります。児童もそれがわかっていて協力していたりして。

宮島:「指導案通りに行かなかったので困っている」と言われるのですが、それはなんだかおかしいな、と思いますね。そういうところと一線を画しているのが良いかもしれません。

上松:海外はこういう発想が多くて日本と真逆な感じですよね。

CoderDojo

女子向けの取り組み

上松:受験生になってプログラミングをやめてしまったり、時に女子などは男子のオタクの世界に圧倒されてやめてしまったりという話を聞きます。こういうケースはいかがでしょうか。

宮島:それは一定数います。女子向けのプロジェクトで言うと、昨年度 CoderDojo Japan として Googleさんとスイッチエデュケーションさんにご協力いただき Girls Initiative for CoderDojo という女子限定イベントを開催しました。Googleで働く女性エンジニアの方からお話を聞いたり、micro:bit と周辺機器を無料で配布したりと、次に繋がる一手になったのではないかと思います。

上松:女子はどこに行っても少ないですよね。こういう取り組みはとても良いですね。

宮島:オンラインになると女子の参加が少なくなるケースがあります。これは仮説なんですが、オンラインだと他者との距離が等しくなるから、自由に距離感を調整できないからかもしれません。物理的な教室だと自分で良い距離感を作ることができるので。

上松:なるほど、そういった仮説があるんですね。先生が女性だと行くかもしれません。私は一人っ子なので男の子がちょっと怖かったです。体つきも口調も違うので、実際にいじめもありましたし。思春期の女子だけのクラスを作ってどちらでも選べるようにしたらよいのかもしれないですね。
先が大事なのではないかな、と思います。将来、どうなりたいのかという流れや将来像があると良いのか。社会の受け皿があると良いと思いますね。これは一般的な社会の課題ですね。


次回の後編では、高校1年生で「CoderDojo Kashiwa」を立ち上げた宮島さんの幼少期についてのお話と、これからの目標などを伺います。
後編はこちらから。

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