日本に参入したrealme(リアルミー)が海外で販売するスマホの「3つの特徴」|山根康宏のワールドモバイルレポート

日本に参入したrealme(リアルミー)が海外で販売するスマホの「3つの特徴」|山根康宏のワールドモバイルレポート

中国のスマートフォンメーカーが続々と日本市場に参入している。2021年4月にはrealme(リアルミー)の日本上陸がアナウンスされた。realmeと聞いてもピンとこない人が多いだろう。実はrealmeは2018年創業という若いメーカーなのだ。しかし海外では新興国を中心に人気となっており、グローバルでも急成長を遂げている。

カウンターポイントの調査によると、2021年第1四半期のスマートフォン出荷量は1280万台で世界シェア7位。realmeの上は、1位からサムスン、アップル、シャオミ、OPPO、Vivo、ファーウェイとビッグネームが並ぶ。日本では知られていないものの、海外では着々とユーザーを増やしているのだ。

日本参入を果たしたrealme
日本参入を果たしたrealme

realmeはもともとOPPOの低価格ブランドとしてインド向けに投入されたが、販売絶好調の勢いから別会社として独立した。当初は低価格モデルを中心に展開しており、ターゲットユーザーは若い層に絞った展開を行った。KDDIから発売され人気になった「INFOBAR(インフォバー)」などのデザイナー、深澤直人氏がデザインしたオニオンスキンのモデルを投入するなど、「安さ」だけを追求するのではなく常に「ファッショナブル」な製品を開発してきた。
カナリスの調査によると、フィリピンでは2021年第1四半期にシェアトップになっており、今後は他の東南アジア各国でもメジャーメーカーとして人気を高めそうだ。

深澤直人氏デザインの「realme X Master Edition」
深澤直人氏デザインの「realme X Master Edition」

ではrealmeのスマートフォンはなぜ人気なのだろうか?現在販売されているモデルから、その魅力を探ってみた。

1.価格にこだわった超コスパモデルの存在

realmeのスマートフォンは価格が安いからと言って、最新技術の5Gに対応していないわけではない。2020年には世界最安値、約1万7000円の5Gスマートフォン「realme V3」を発売。今年4月に発売されたばかりの「realme Q3i 5G」は若干価格が上がりながらも、約1万9000円(1098元)で4800万画素カメラ、90Hz駆動ディスプレイ、5000mAhバッテリーを備える。もちろん5Gに対応する。

2万円を切る5Gスマホ「realme Q3i 5G」
2万円を切る5Gスマホ「realme Q3i 5G」

またハイスペックなゲーミングスマートフォンも約4万7000円(2799元)と、5万円を切る価格だ。「realme GT 5G」はチップセットにSnapdragon 888を搭載、120Hzの高速駆動ディスプレイ、65Wの超高速充電、15度温度を下げるという冷却システムを搭載している。本体背面は本革風のビーガンレザーモデルもあり、realmeのコーポレートカラーであるイエローの色が映える。

ハイスペックスマートフォンながら価格を抑えた「realme GT 5G」
ハイスペックスマートフォンながら価格を抑えた「realme GT 5G」

2.大胆な本体デザイン

realmeのキャッチコピーは「Dare to Leap」。日本語にすると「臆せず、飛び越える」だ。realmeの一部のスマートフォンには、このキャッチコピーを背面に大きくデザインしたモデルが存在する。メーカー名ではなくキャッチコピーを表示することで、realmeの製品開発のDNAである「若い世代をターゲット」「スタイリッシュ」「リアル」「卓越した」というメッセージをアピールしている。透明ケースをつけて、このメッセージを見せながら使うことがファッションとなるのだ。

Dare to Leapの文字を背面に配した「realme Q3 5G」
Dare to Leapの文字を背面に配した「realme Q3 5G」

3.豊富なIoT製品やアクセサリ

日本に参入したrealmeだが、スマートフォンの投入は見送られた。代わりに複数のワイヤレスヘッドフォンやスマートウォッチ、モバイルバッテリーが発売となる。
スマートフォンメーカーなのにスマートフォンが発売されないとは不思議に思えるが、大手メーカーがひしめくスマートフォン市場に乗り込むのは敷居が高い。IoT製品なら価格も安く販売数も見込めるだろう。

日本で発売になるモバイルバッテリー。カラーリングが斬新だ
日本で発売になるモバイルバッテリー。カラーリングが斬新だ

海外ではスマート体重計やスマートライト、スマートプラグ(コンセント)、電動歯ブラシ、さらにはバッグやリュック、パーカーにTシャツなどアパレル関連グッズも出している。スマートフォンはiPhoneを使っていても、realmeのスマート家電を使い、realmeの服を着ることでrealmeへの好奇心を持ってもらおうという考えもあるのだろう。
realmeが生まれた2018年には、すでに数多くのIoT製品が世にあふれていたことから、スマートフォンだけではなくそれらの機器も同様に多数展開するのは当然のことでもあった。さらにウェアラブルデバイスを手掛けるのなら、ウェアそのもの=アパレルに進出するのも自然の成り行きなのだ。

シャツやバッグなどアパレル製品も展開している
シャツやバッグなどアパレル製品も展開している

このように魅力あるrealmeの製品だが、日本へのスマートフォンの展開はいつになるのだろうか。現時点ではシャオミが低価格なスマートフォンを次々と出しており、realmeが今参入するとなると価格競争に巻き込まれてしまう恐れがある。そのため1年くらいはじっくりとIoT製品を次々と展開し、ブランド認知度を高めることに注力するだろう。
またシャオミが「格安で性能のいいスマホ」を次々と出してくれれば、日本の消費者も通信キャリア経由で高価なスマートフォンを買わずに、SIMフリーで低価格なモデルを買うことに慣れてくる。そのころにrealme得意の「超コスパスマホ」を出すのが一番いいタイミングかもしれない。

日本市場へのスマートフォン投入を期待したい
日本市場へのスマートフォン投入を期待したい

日本のスマートフォン市場はキャリアの過度な割引販売による「高性能なスマホを安く買う」ことが当たり前だった。しかし政府の規制も入り、今後は「個々の消費者が自分の予算や使い方に見合ったスマートフォンを、多数の製品の中から選ぶ」という、まっとうな市場になろうとしている。ブランド力の高い高価なモデルを買う人もいれば、コンビニでの買い物感覚で低価格なモデルを買う人もいる、そんな時代になろうとしている。
realmeは「シャオミのように安いけど、シャオミよりちょっとおしゃれ」というイメージを各国で植え付けることに成功し、若い消費者の目を引き付けている。日本でも1年後には、realmeのスマートフォンが人気になっているかもしれない。

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