スマホカメラ「億画素」到来、2億画素カメラのスマホが登場予定|山根康宏のワールドモバイルレポート

スマホカメラ「億画素」到来、2億画素カメラのスマホが登場予定|山根康宏のワールドモバイルレポート

スマートフォンのカメラ性能の指標の一つが撮影画素数だ。今や5000万画素クラスのカメラも当たり前となり、ZTEは2021年4月に発表した「AXON 30 Pro」で6400万画素カメラを3つ搭載した。
多くのスマートフォンはメインカメラが超高画質、そのほかのカメラ(超広角や望遠)は1000万画素クラスという組み合わせが多いが、OPPOの「Find X3 Pro」が広角(メイン)と超広角それぞれに同じ5000万画素カメラを搭載するように、超高画質のカメラを2つ、3つと搭載するモデルが増えてきている。

高画質カメラの搭載は中国メーカーが率先して進めている。一方iPhoneやGalaxyの上位モデルは1000万画素クラスのカメラをメインに使うなど、画素数だけで見るとシャオミやファーウェイ、OPPOなどのほうが性能が良いように見える。

6400万画素カメラを3つ搭載するZTEの「AXON 30 Pro」
6400万画素カメラを3つ搭載するZTEの「AXON 30 Pro」

しかしカメラの光を受ける部分のセンサーサイズはどのスマートフォンもサイズに極端な差はない。同じ面積のセンサー上で画素数を増やすということは、1つ1つの画素が受けることのできる光の量が減ってしまう。また画素が増えればそれぞれで受光した光を処理しなくてはならず、CPUやメモリも高い性能が求められる。高画質なカメラの搭載はメリットだけではない。
グーグルのスマートフォン「Pixelシリーズ」の写真画質が好評なように、撮影後の画像をいかに美しく処理するかという「コンピュテーショナルフォトグラフィ」技術もカメラの性能を大きく左右する。

とはいえ現実的にはスマートフォンのカメラ画素数はすでに「千万画素」を超え「億画素」のものが増えている。サムスンが開発した1億800万画素のセンサーは、サムスンのスマートフォンのみならずシャオミも率先して搭載している。しかも日本でも発売したシャオミの「Redmi Note 10 Pro」のように、3万円台の価格で1億800万画素カメラを乗せたモデルも出ているのだ。低価格なコスパモデルでも最高画質のカメラを搭載する例がこれから増えていくだろう。

スマートフォンカメラのセンサーを供給する最大手メーカーはソニーで、iPhoneを始めとして多くのメーカーがソニーセンサーを採用している。中国メーカーなどはカメラセンサーにソニー製を採用していることをアピールしている例が多く、OPPOなどはソニーと共同でセンサー開発も行っている。

「OPPO Find X3 Pro」が搭載するIMX766センサーはソニーとの共同開発
「OPPO Find X3 Pro」が搭載するIMX766センサーはソニーとの共同開発

そのソニーを追いかけているのがサムスンだ。サムスンのセンサーはサムスンの他、シャオミなどが積極的に採用している。また他のメーカーもメインカメラはソニー製を採用しつつ、サブのカメラにサムスンを採用する例も増えている。サムスンが1億800万画素のセンサーを開発したのも、ソニーと同等の画素数では勝てないとにらみ、画素数という数字で勝とうとしたからに違いない。

そのサムスンが今度は2億画素のセンサーを発表した。「ISOCELL HP1」は1/1.22インチのセンサー上に16,384 x 12,288個の画素を配置し2億画素を実現している。過去の採用例を見るとおそらくシャオミが真っ先に搭載し、サムスンは2022年1月に発表予定の「(仮)Galaxy S22 Ultra」に搭載するだろう。

サムスンの2億画素センサー「ISOCELL HP1」
サムスンの2億画素センサー「ISOCELL HP1」

画素数が増える一方で、センサー上の1画素あたりのサイズはよりも小さくなり、暗場所などでの光量不足がより深刻になる。1億800万画素でもこの問題は懸念されていただけに、2億画素となるとその影響はさらに大きくなってしまう。そこでサムスンは新しい技術として「カメレオンセルテクノロジー」を開発し2億画素センサーに搭載した。

カメレオンセルテクノロジーは、撮影シーンによって画素4つを1つにまとめ、疑似的に1つのセンサーサイズを大きくする技術だ。これにより晴天の屋外では2億画素をフルに生かして撮影を行い、暗い室内では4つを1つ、あるいは16個を1つにすることで、より多くの光を取り込める。
撮影シーンはAIが自動判別してくれるだろうから、ユーザーは撮影場所を気にせず常にセンサーの最適な性能を生かして写真を撮影できるというわけだ。

カメレオンセルテクノロジーで暗所での撮影にも対応する
カメレオンセルテクノロジーで暗所での撮影にも対応する

サムスンの1億800万画素カメラを搭載するメーカーはサムスンとシャオミ以外ではモトローラ、realme、Infinixの5社のみ。realmeとInfinixはそれぞれまだ1機種のみだ。他のメーカーが1億画素カメラの採用に二の足を踏んでいるのは、暗所にも強くディテール表現力に優れたソニーなどの5000万画素クラスのカメラを搭載したほうが総合的なカメラ性能が高まるからだろう。

しかしカメレオンセルテクノロジーにより2億の画素数を自在に下げて暗いシーンでも美しい写真を採用できるとなれば、他のスマートフォンメーカーもこのセンサーを安心して搭載できるかもしれない。2022年は「億画素カメラ」を搭載するスマートフォンが当たり前の時代になるかもしれない。

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