「プロライブ」の様子

教育を創造的なものにしたい!プログラミング教育が学びを変える – SOZOWが目指す未来 -【後編】|上松恵理子のモバイル教育事情

オンラインの学び場である「SOZOW」を作られた小助川 将さんへのインタビュー、後編をお届けする。

「LITALICOワンダー」との出会い

上松:前編では教育に疑問を持った経緯について教えていただいたのですが、実際にはどのようにこのSOZOWをスタートされたのでしょうか。

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筆者は以前、総務省のプログラミング教育事業推進会議の委員として仕事で全国をまわったが、総務省の事業ということで課外での取り組みが中心だった。そのため「今後プログラミング教育はこれまでの教育のあり方までも変えていくだろう」という予感があった。[…]

Go Visions 株式会社 代表取締役 小助川 将 さん

小助川:ある日、子どもとLITALICOワンダー渋谷校の体験に行きました。子どもはレゴやダンボールでのものづくりが好きだったので、もしかしてプログラミングにも興味を持つのではと思ったからです。
特に長男はどハマりしました。
LITALICOワンダー渋谷校での体験で印象的だったのは、子どもたちが異学年で、みんなバラバラのものを作っていたことです。同じ学年・同じ内容を学ぶ学校とは全然違います!だから子どもたちが夢中になっているんだと感じました。

上松:息子さんがWRO(ワールドロボットオリンピアード)に出られましたよね。世界最年少、小学3年生で世界7位入賞。小5の時に孫正義さんの前でプレゼンしたのはすごいですね。

小助川:はい、私もびっくりしました。それだけ、興味や好奇心の力ってすごいんだということを身近な息子から学びました。

上松:そういえば、以前たまたま朝日新聞社で仕事があったのですが、LITALICOワンダー渋谷校さんは同じビルでしたよね、確か。その時にドアをノックした覚えがありました。当時、総務省のプログラミング教育推進会議の委員になったので、北海道まで行ってLITALICOワンダーさんの実践を見ました。

小助川:北海道でのプログラミング教育実践の見学、ありがとうございました。もっと多くの子どもたちへ届けたいと考え、LITALICOワンダーは首都圏のターミナル駅にどんどん出店しました。今では、都市圏でプログラミング教室は一般的になりましたし、オンラインもある時代でプレイヤーがすごく増えましたね。

子どもたちにデジタル体験の機会を届けたい

上松:いつの間にかレッドオーシャンになりましたね。確かLITALICOさんは不登校なども受け入れるインクルージョンでしたね。

小助川:はい、もともとLITALICOワンダーのプログラミング教育事業は、不登校や発達障害の子どもたちの可能性を伸ばすためにできた事業なんです。教室では、学校に適応できている子ども、不登校や発達障害の子どもたちが垣根なく、好きなプログラミングを通して友達になる光景が多々見られました。好きなこと・興味のあることから繋がれば、不登校や発達障害という言葉のない世界ができると感じました。ただ、店舗展開ですと、“今”を生きている子どもたちへ届けるのに間に合わないとも感じていました。

その後、日本中の子どもたちへプログラミングを始めとしたデジタル体験の機会を、店舗という形態以外の形で届けたいと思い、独立をしました。事業イメージは、年間80万人がくるキッザニアというテーマパークに近いです。遠い地域の人は、遠足や修学旅行で来ることができ、その一日の体験で興味があることに出会い、人生が変わるきっかけとなる可能性のある場を作りたいという思いがありました。

起業していきなりキッザニアのようなテーマパークを作るのは難しいため、イベント事業から始めました。第1回目は1,000名、第2回目は1.2万人から申し込みがありました。日常では出会うことのないデジタル体験を行ったり、複数のプログラミング教室で子どもたちの発表などを行いました。

イベントの様子

小助川:第2回目のイベントでは、会場内でビーコンを張りめぐらせたり、約30家族の子どもたちには、脳波や脈拍系を測る電子デバイスを装着してもらい会場でさまざまな体験をしてもらいました。
どのブースに滞在したか、どの体験の時にわくわくしたか、ストレスを感じたか?など、脳波・脈拍等からデータを取って、子どもの興味や性格傾向などが科学的にわかるという新技術開発にもチャレンジしていました。

上松:この記事を載せていただいているモバ大を運営するウェブレッジさんにはcocce(こっせ)という廃校活用施設があって、そういった取り組みの場所を提供しています。データは大事ですよね、これから教育に役立つことと思います。

小助川:はい、私も同じでデータは大事だと思います。データを元に教育も変化してくると思います。

小中学生の好奇心を解き放つオンラインの学び「SOZOW」

上松:では、SOZOWについて説明を詳しくお願いします。

小助川:小中学生の好奇心を解き放つオンラインの学び「SOZOW」という事業を2021年1月にスタートしました。元々はリアルイベント事業をやってましたが、コロナの影響を受けてオンラインへ舵を切りました。スタートしたばかりですが、日本全国、さらにはドイツ・インド・ベルギー・マレーシアなど海外在住の方も含めて、すでに5,000家族へ学びを届けた実績があります。(2021年9月時点)

小・中学生の好奇心を解き放つオンライン教育 SOZOW

SOZOWの特徴は、子どもの好奇心に火がつくさまざまなオンラインアクティビティがあることです。8つのジャンルがあります。

・デジタル創造力が身につく「ゲームプログラミング」「YouTuber(映像制作)」「3Dものづくり(マインクラフト)」「デザイン
・ビジネスや仕事を学ぶ「起業家になろう」、お金や投資を学べる「お金マスター
・子どもの視野を広げる「未来の世界」、プロと出会える「プロライブ

子どもの好奇心に火がつく多様なアクティビティテーマ

特に、「起業家になろう」や「お金マスター」、「未来の世界」「プロライブ」は保護者のみなさんも一緒に参加してくれるケースが多いです。
私のおすすめは「プロライブ」です。世の中には、いろんな生き方や仕事をしている多様な大人がいます。でも、現代の子どもは、両親・学校の先生といった限られた大人としか繋がりがありません。
人との出会いで、未来に大きな影響が出ることがあります。私自身、大学時代に京セラ創業者の稲盛さんの講演を聞いて、事業家・起業家をおぼろげながら目指すきっかけとなりました。さまざまな価値観や生き方をみんなに知ってもらうことで、未来の可能性を広げたいと考えています。
これまで「ゲームクリエイター」「経営者(メルカリ会長)」「ロボットクリエイター」「宇宙への挑戦者」「社会起業家」「デザイナー」「エンジニア」など多数の方々に出演いただきました。

「プロライブ」の様子

2021年10月〜12月は「漫画家」「映像クリエイター」「上場企業経営者」、そして「プロマインクラフター」に登場していただきます。マインクラフトが仕事につながる時代! 新しい職業がどんどん生まれる時代!なのです。
SOZOWの子どもたちが未来の仕事をどんどんクリエイトする社会になったらワクワクする、という思いでプロライブを行っています。

オンラインアクティビティですが、学校の授業よりも長い60〜75分行います。
集中力が持たないのでは?と思われますが、子どもたちは夢中になって参加してくれます。
ポイントは、「クイズ」や「正解のない問い」をどんどん子どもたちに提示していくことです。自ら考えて参加するので、参加への意欲が増します。そして、2~3ヶ月経つと子どもたちの創造力や発想力、積極性の変化に保護者の皆さんが驚かれます。

SOZOWオンラインライブの様子

さらに私たちSOZOWが大事にしているのは、自ら考える・調べる・作るなどの“アウトプット(行動)”から始まる学びです。事業をスタートしてから、改善を続け、オンライン授業でも80%以上の子どもたちが作品作りを楽しんでいるレベルまで来ました。

マイクラ部、YouTu部、SDGs部などのクラブ活動や同好会なども多数あり、距離を超えて同じ趣味を持つ友達ができるオンラインコミュニティもあります。

クラブ活動や同好会、オンラインコミュニティ

コロナによって日本中で始まったオンライン授業ですが「つまらない」「集中力が続かない」と思っているご家庭が多いと思います。でも、私たちはオンラインに特化し、最新デジタル技術を活用して、その常識を打破しています。保護者のみなさんが、驚いてくれています。

10月以降もSOZOWの体験会や説明会を開催していますので、まずは体験いただきご判断ください。

体験会・説明会の詳細はこちら

時代が大きく変化し、子どもの教育をどうしたら良いのか?と悩まれるご家庭が増えてきていると思っております。私たちは、保護者向けの教育に関するセミナーなども開催しています。SOZOWへ入会いただけたら優先で参加できるようになります。

保護者向けセミナー「失敗力と好奇心~新時代の教育のキーワード~」
セミナーの例(こちらのセミナーは終了しております)

ありがたいことに、SOZOWを応援してくれる方々が増えたり、多数の賞を受賞いただけるようになりました。多くのみなさんの力を借りて、子どもたちにもっともっと良い学びを届けていきます。

SOZOWは様々な賞を受賞しています/各界のリーダーから応援をいただいています

小助川:さらに、2021年10月からSOZOWでは平日昼のスクールを開始しました。その名も「SOZOWスクール 小・中等部」です。まだ、小さく始めたばかりのためホームページはありません。2022年春までお待ちください。

SOZOWスクールの主な特徴を少しだけ紹介します。

✅実社会ですぐに活きる最新デジタルツールを使う
✅好奇心のあることに夢中になれる探Q活動が中核にある
✅1,000人子供がいたら、1,000通りのカリキュラムができる個別最適な学びの仕組み
✅選べる学びは、「基礎学習」「デジタルクリエイティブ(プログラミング/デザイン/映像など)」「地球や社会を学ぶSDGs」「キャリア教育」など多数

本来、人はみんな異なる興味や強み・弱みを持って生まれています。私たちは、その個性を潰すのではなく、「伸ばす!」教育を、小学生(高学年)と中学生に届けていきます。

このスクール事業が、日本国内における本丸の事業だと考えており、来年には世間がビックリするような発表ができるのでは!?と、さまざまな準備を進めています。

私たちは、日本の子どもたち・保護者の皆さまへ、新たな学びの選択肢を届けることを目指して、これからも歩んでいきます。

上松:とても素晴らしいですね!本日はありがとうございました。

小助川さんと筆者、インタビューの様子
小助川さんと筆者、インタビューの様子

プログラミング教育に携わっていた経験を生かし、教育界にインパクトを興すであろう小助川さんの教育の思いとその活動の輪は今後ますます広がりをみせるだろう。
このことが将来の日本にとって素晴らしい結果をもたらすのではないだろうか。筆者だけでなく大きな期待と応援の声も聞こえている。今後の活躍が期待される。

小助川 将 氏小助川 将 氏 プロフィール

2003年慶應義塾大学卒業後、経営コンサルティング会社へ入社。大企業からベンチャーまで多数の企業の事業計画策定や新規事業立上げ、事業再建などに従事。2008年株式会社リクルートに入社し、BtoB新規事業立上げ、インターネット教育事業の企画を行う。2011年グリー株式会社にて、事業企画や複数プロダクト責任者として事業を推進。家庭で、子どもの教育問題があったことをきっかけに株式会社LITALICOヘ入社。執行役員として、ITものづくり教育事業LITALICOワンダー事業部長、HR部長を歴任。2019年6月にGo Visions株式会社を創業。2021年1月にオンライン教育SOZOWを開始。長男は、最年少でWorld Robot Olympiad世界7位、翌年8位へ。現在、孫正義育英財団3期生。(「Morning Pitch」公式サイトより抜粋。閲覧日:2021.10.12, http://morningpitch.com/startups/22594/ )

参考サイト
・SOZOW 好奇心に火がつくオンラインの学び場
https://www.sozow.net/

前編はこちらから。

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