シャオミ、realme、OPPO、スマホメーカーがタブレットやノートPCに続々参入|山根康宏のワールドモバイルレポート

シャオミ、realme、OPPO、スマホメーカーがタブレットやノートPCに続々参入|山根康宏のワールドモバイルレポート

新型コロナウィルスの影響により自宅業務や学習時間が増えたことで、ノートPCタブレットの需要が堅調だ。
リモートワーク向けのPCの購入がひと段落したことや対面授業が各国で再開されてはいるものの、IDCの調査を見ると2021年第2四半期のノートPCトップ5社、タブレットのトップ4社は前年同期比で出荷量を増加させた。なおファーウェイはアメリカ政府による制裁でチップセットの供給難もあり、唯一数字を減らしている。

ノートPC上位5社出荷量(IDC、2021年第2四半期)
ノートPC上位5社出荷量(IDC、2021年第2四半期)
タブレット上位5社出荷量(IDC、2021年第2四半期)
タブレット上位5社出荷量(IDC、2021年第2四半期)

会社や大学にPCがあれば、普段のプライベートな生活はスマートフォンだけで過ごすこともできないことはない。しかし今では自宅にノートPCやタブレットは必須のツールとなりつつあるだろう。とはいえスマートフォンしか使ってこなかったユーザーが、どのメーカーのPCやタブレットを選ぼうかと考えたとき、その選択肢は意外と狭い。
iPhoneユーザーならアップルの使いやすいエコシステムに守られたiPadやMacBookを買うのは当然だろうが、それ以外のAndroidスマートフォンユーザーは、Androidタブレットを買うか、Windows PCを買うか、そしてどのメーカーの製品を買うかで悩むだろう。

サムスンはノートPCもタブレットも展開しているが、Galaxyユーザーだからと言って同社の製品を選ぶとは限らない。サムスンのノートPCはレノボやASUSなど大手メーカーの製品よりも種類が少なく、販売国も多くない。さらにはグーグルのChrome Bookのような新しいデバイスも生まれている。

サムスンのノートPC「Galaxy Book Pro 360」。販売国や販路は少ない
サムスンのノートPC「Galaxy Book Pro 360」。販売国や販路は少ない

このようにノートPC、タブレット、どの製品を選んでいいかわからないときに、一番頼りになるのは自分のスマートフォンと同じメーカーの製品を選ぶことだろう。そこでスマートフォンメーカーは続々とタブレットやノートPCに本腰を入れ始めている。

たとえばシャオミは3年ぶりとなるタブレット「Xiaomi Pad 5」を日本を含むグローバルに販売している。
3年前の旧製品は低価格を売りにしたコンテンツビュワーとして発売されたが、Xiaomi Pad 5はスタイラスペンにも対応、中国ではキーボードカバーも投入しビジネスユースも意識した製品となっている。シャオミのスマートフォンユーザーがより大きい画面のビジネスツールやクリエイティブツールを欲しいと思えば、悩まずにこのXiaomi Pad 5を買うだろう。
そしてXiaomi Pad 5はシャオミらしいコスパの高さから他社スマートフォンを使っているユーザーにも人気となっている。

中国ではキーボードカバーも販売されているシャオミの「Xiaomi Pad 5」
中国ではキーボードカバーも販売されているシャオミの「Xiaomi Pad 5」

だがシャオミが注力しているのはタブレットよりもノートPCだ。大手メーカーが圧倒的に強い先進国ではなく、中国やインドで複数のノートPCを展開している。

シャオミの製品はメインラインの「Xiaomi(旧「Mi」)」、低価格の「Redmi」という明確なブランディングが行われており、消費者にも広く認知されている。XiaomiブランドのノートPCなら上位モデル、Redmiブランドならば低価格PCとネーミングを見るだけでわかりやすいのも販売時に有利に働く。
インドで学生に人気だという「RedmiBook e-Learning Edition」はRedmiブランドで自宅学習を意識したネーミングの製品。4万4,999ルピー、約6万9,000円で販売されている。

シャオミのインド向けノートPCの1つ「RedmiBook e-Learning Edition」
シャオミのインド向けノートPCの1つ「RedmiBook e-Learning Edition」

中国のスマートフォンメーカーによるノートPCやタブレットの展開はすでにファーウェイが数年前から行っているが、昨今の社会情勢により思うように新製品を出せていない。ファーウェイが一定のシェアを誇っていたAndroidタブレットはサムスンやレノボなどがそのシェアを奪いつつある。そしてこれまでタブレットに参入していなかった他の中国メーカーも参入を開始した。

realmeはインド向けに低価格な「realme Pad」を投入。realmeはもともとOPPOのインド向け低価格ブランドとして登場しその後独立したメーカーとなったが、このrealme Padもまずはインド市場のみに投入される。価格は1万3,999ルピー、約2万1,000円と安い。スタイラスやキーボードはなくメディアビュワーやゲームといったエンタメ用途の製品だが、インドでも巣ごもりするライフスタイルが広がっていることから、大画面デバイスの需要が高まっているのだろう。

一方ビジネス需要にはスリムなノートPC「realme Book」を投入。価格は4万6,999ルピー、約7万2,000円でシャオミの「RedmiBook e-Learning Edition」の好敵手となる。インドでは4万ルピー台が格安ノートPCの標準価格になっているようだ。

インドで販売中の「realme Book」
インドで販売中の「realme Book」

これ以外のメーカーではOPPOのタブレットが登場間近と言われている。OPPOはOnePlus、realmeと同じグループ企業であり、ハイスペックモデルはOnePlus、低価格機やコスパモデルはrealmeと分業している。そのOPPOが出すタブレットはビジネスよりなのか、はたまたエンタメ用途なのかは気になるところである。

今後はノートPCとAndroidスマートフォンの連携も、サムスンやファーウェイのようにメーカー独自の機能ではなく、Windowsの標準機能に取り込まれていくだろう。そうなればスマートフォンメーカーにとって自社ブランドのノートPCを展開する意味もより重要になる。さらにそこにタブレットも加えることで、アップルのように自社で完結するエコシステムを提供することも可能になる。
PCもタブレットも目新しい製品ではないが、スマートフォンメーカーにとっては「ポスト・スマホ」として重要な製品になっていくだろう。

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