Xiaomi 12とiPhone 13 Proを手に持った時の比較

2022年のスマホは「小型化」が進む?シャオミが新たな製品展開を開始|山根康宏のワールドモバイルレポート

スマートフォンの大きさが年々大型化する中、シャオミが2021年12月28日に発表した「Xiaomi 12」はその動きに逆行する製品としてちょっとした話題になっている。
Xiaomi 12のディスプレイサイズは6.28インチで、最近のスマートフォンとしてはやや小さいサイズだ。しかも本体の横幅は69.9mmと、70mmを切る細さを実現している。
これなら女性など手の小さい人でも楽に持てるだろう。

Xiaomi 12は手のひらが小さい人でも楽に持てる横幅69.9mmを実現
Xiaomi 12は手のひらが小さい人でも楽に持てる横幅69.9mmを実現

Xiaomi 12はクアルコムの最新チップセット「Snapdragon 8 Gen1」を採用し、メインカメラにはソニーのハイエンドセンサー「IMX766」を搭載、動画撮影時は人物の自動フォーカスが可能なCyberFocus機能も内蔵している。さらに4500mAhのバッテリーを有線充電なら39分、無線では53分で満充電できる高速充電機能を内蔵したハイエンドモデルだ。
各社のハイエンドモデルは「Max」「Ultra」などの名前が付けられており、本体サイズも大きいが、Xiaomi 12は「ハイスペックなのにスリム」なスマートフォンなのである。

ハイエンドスマートフォンの小型モデルと言えば、「iPhone 12 mini」「iPhone 13 mini」を思い浮かべる人も多いだろう。どちらもディスプレイサイズは5.4インチであり、手のひらに収まる大きさは日本でも人気だ。
ところがグローバル全体で見てみると、これらiPhoneのminiモデルは売れ行きが今一つだという。
iPhone miniのディスプレイサイズではハイスペックな本体のパワーを生かしきれず、またそもそも小型モデルを求めるユーザーは性能よりもモビリティーを重視している。そう考えるとiPhone 12 mini、iPhone 13 miniは割高感もあり市場ではあまり受け入れられていないということなのかもしれない。

ハイエンドなスマートフォンの小型モデルは、過去にはソニーがフラッグシップ機の「mini」を展開していたが、日本国内だけに投入される例も多かった。またサムスンは2019年に6インチを切る5.8インチディスプレイ搭載の小型モデルとして「Galaxy S10e」を投入したが、その後後継機が出ていないということは市場の反応はいま一つだったのだろう。
最近ではASUSがZenfoneシリーズを一新し、標準モデルは5.9インチディスプレイの「Zenfone 8」、大画面&カメラ回転モデルを「Zenfone 8 flip」と作り分けた例もあるが、それ以外を見ると6インチ以下のディスプレイを搭載したハイスペックなスマートフォンは出ていない。
動画全盛、SNSを多用する今の時代、スマートフォンを活用するなら6インチ以上の大きさが必要と考えられる。

6インチ以下の画面サイズは今の時代のスマートフォンの使い方に適していないかもしれない
6インチ以下の画面サイズは今の時代のスマートフォンの使い方に適していないかもしれない

おそらくシャオミのユーザーの中にも小型サイズのモデルを求めるユーザーが一定数存在し、そのユーザーフィードバックを受け、これまでのスマートフォン展開の「ハイエンド化、大画面化」ではすべてのユーザーニーズをカバーできないと理解しているのだろう。
しかし他社の6インチ以下のモデルの状況を見る限り、ユーザーが求めているのは「小型ディスプレイ」ではなく「持ちやすさ」であることは明らかだろう。

そこでXiaomi 12では本体の横幅を70mm以下とし、そのサイズに収まる最大のディスプレイを搭載することで「持ちやすさ」と「画面の見やすさ」を両立させた。ちなみに大手メーカーのハイエンドモデルで横幅70mm以下のモデルは、前述したZenfone 8以外ではソニーの「Xperia 5 III」しかない。それほどまでにこの70mmの壁は厚く、70mmを切ったスマートフォンを持てば「細い」と誰もが感じるだろう。

Xiaomi 12とiPhone 13 Proを手に持った時の比較
Xiaomi 12とiPhone 13 Proを手に持った時の比較

Xiaomi 12はまた、これまでのシャオミのスマートフォンの製品展開とは異なるモデルとして登場した。Xiaomi 12と同時に発表された「Xiaomi 12 Pro」は6.73インチの大型ディスプレイに、5000万画素カメラを複数搭載するなどXiaomi 12の上位機種として登場した。サムスンもフラッグシップモデルは2-3種類の大きさのモデルを投入するが、シャオミが同じモデル展開を行ったのは今回が初めてだ。

今後シャオミはハイエンドモデルを大小2つのサイズで展開し、大画面を求めず「握りやすく使いやすい」製品を求めるユーザーをカバーすることで、販売数のさらなる拡大を狙っているのだろう。

シャオミ初の「大・小」2サイズ展開で販売増を狙う
シャオミ初の「大・小」2サイズ展開で販売増を狙う

シャオミの動きに対して、vivo、OPPOなど他の中国メーカーがどのような動きをするのかも注目だ。
他社からも6インチ台前半の小型モデルが出てくるようであれば、2022年はスマートフォンの大型化に一定の歯止めがかかるだろう。

Xiaomi 12とiPhone 13 Proを手に持った時の比較
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