NFTアートも買えるサムスンのスマートTVはまるでスマホかタブレット|山根康宏のワールドモバイルレポート

NFTアートも買えるサムスンのスマートTVはまるでスマホかタブレット|山根康宏のワールドモバイルレポート

日本では2021年12月にドン・キホーテが発売したチューナー無しのTVに大きな注目が集まっている。インターネット接続してストリーミング放送を楽しむことができれば、もはやTVの地上波チューナーは不要という考えの製品だ。またAndroid OSで動作することでアプリの利用も可能だ。
いわゆる「スマートTV」という製品で、これまでのTVの概念を大きく変える製品と言える。

ところが海外を見てみると、もはや地上波を中心にTVを見ているという国は意外にも多くない。たとえば日本人の海外渡航先で人気の台湾や韓国で、ホテルに入ってTVをつけるとチャンネル数は優に100を越えている。日本の地上波のような総合放送もあるが、番組の多くは「スポーツ」「サッカー」「音楽」「教育」「宗教」のような専門チャンネルだ。韓国なら音楽チャンネルだけでかなりの数があり、K-POP好きなら1日中アイドルのステージ配信を1日中視聴することが可能だ。

これは海外ではTV放送がすでにインターネットで配信されるIPTVになっている国が多く、TVにはIPTVのチューナー(Wi-Fiルーターやスマートスピーカー機能を内蔵するものもある)を購入して番組を購読するか(IPTVチューナーは2年契約などでたいてい無料だ)、あるいはスマートTVを買ってアプリとして番組を契約することも一般化している。そのため各TVメーカーの製品は普及モデルであってもスマートTVが多数ラインナップされているのだ。

海外で販売されているTVの多くはスマートTVだ
海外で販売されているTVの多くはスマートTVだ

世界のTVの販売シェア1位はサムスンだが、そのサムスンのTVも今や画質だけで勝負するのではなく、様々な付加機能で消費者の購買意欲を高めようとしている。中でもスマートTVならではの機能を活用した様々なサービスも提供しているのだ。今回はサムスンTVの付加機能をいくつか紹介しよう。

まずは「Samsung Art Store」。最近のTVは大型化しており、壁にかけている人も多いだろう。しかしせっかく室内の壁紙をお気に入りのものにしていても、TVを使っていないときはその場所は大きな黒い窓が開いたような状態になっている。TVが部屋のインテリアデザインを崩してしまっているわけだ。

そこでSamsungはTVを視聴しないときに、スマホのスクリーンセーバーのように世界の絵画を表示するサービスとしてSamsung Art Storeを展開している。月課金サービスに加入すれば、ゴッホなど有名画家のアートを順次表示したり、世界の美術館に展示されている海外作品を自宅で見ることができる。
「TVはTVやインターネットの番組を表示するもの」という概念を大きく変えるだけではなく、「TVは最初にお金を払って購入するもの」から「毎月課金するもの」へと新しいビジネスモデルも生み出しているのだ。常にインターネットにつながっているスマートTVだからこそできるサービスともいえる。

Samsung Art Storeでスクリーンセーバーのように絵画を表示
Samsung Art Storeでスクリーンセーバーのように絵画を表示

Samsung Art Storeの絵画を表示しているTVは、まるで本当の絵画のように見えないだろうか。これはサムスンの「The Flame」というTVで、TVの枠を木材などにし、絵画のフレームのように見せているのだ。最近のTVはフレームレスのものも多いが、The Flameは逆にTVらしくないフレームをつけることで、インテリアにより調和するようになっている。なおフレームは複数の種類からオーダー時に選ぶことが可能だ。

The Flameは壁に絵画をそのまま張り付けているような見た目のTVである
The Flameは壁に絵画をそのまま張り付けているような見た目のTVである

TVはコンテンツ表示だけではなく、ゲーム機を接続してゲームプレイにもよく使われる。サムスンのスマートTVはNVIDIA GeForce Nowなどのゲームが利用できる「Gaming Hub」機能も内蔵しているので、TVに直接コントローラーを接続してゲームを楽しめる。この機能はかなり前から搭載されており、PCやゲーム専用機がなくともTVだけですぐゲームができる機能として人気だ。これもインターネット接続ができるスマートTVならではの機能だろう。

そして2022年には最新のトレンドである「NFT」をスマートTVに対応させた。スマートTV上でNFTアートを購入できるプラットフォームを搭載させ、アートの購入はもちろん、TVの大画面で表示することができる。
現在NFTアートはスマホやPCで購入し、それらの画面で見ることはできるものの、画面サイズは大きくない。美しいグラフィックのNFTアートをサムスンのスマートTVなら大画面で楽しめ、しかも購入や管理もできるのである。

スマートTVにNFTアートの購入機能が搭載される
スマートTVにNFTアートの購入機能が搭載される

このようにスマートTVは表示できるコンテンツに無限の可能性を秘めているのだ。そこでサムスンはTVの画面表示を分割し、複数の表示にも対応できるようにしている。画面の縦横比は変わってしまうものの、「交通渋滞のライブ映像と、ニュース番組」「映画を見ながらアート」なんて表示もできる。ゲームならウルトラワイドな表示もできるし、画面の右上にスマートホームのコントロール画面を表示しておくこともできるのだ。

複数画面の表示にも対応
複数画面の表示にも対応

さて大型TVを購入して家に設置後、困るのがTVを梱包していた段ボールの梱包材の処分だ。梱包材は大きいため時にはお金を払って廃棄しなくてはならないだろう。そこでサムスンは梱包材の段ボールを再利用できるよう「Eco-Package」の導入も進めている。梱包材をカッターで切断し接着剤で張り合わせることで、棚などの小物を作り自宅で利用できるのである。

梱包材の段ボールをカッターで切り棚などが作れる
梱包材の段ボールをカッターで切り棚などが作れる

梱包材の表にはQRコードがあり、スマホで読み込むとその製品の梱包材で作ることのできる棚などのページが表示され、作りたいものを選ぶと設計図が表示されるので、それに合わせてカッターで切っていく。
それぞれの作成物は難易度や推定工作時間も表示されているのが親切だ。
梱包材はあらかじめマス目が印刷されているので、どの部分を切断するかわかりやすい。サムスンはEco-Packageのコンテストも各国で行っており、面白いアイディアが日々集められている。

Eco-Packageコンテストの入賞作。梱包材もごみにしないアイディアだ
Eco-Packageコンテストの入賞作。梱包材もごみにしないアイディアだ

Eco-Packageは資源を再利用するというサステナビリティを考えて発案されたものだが、サムスンは他にもエコを考えた開発を行っている。
その1つがTVのリモコンの電池の廃止だ。2021年には乾電池の廃棄削減を目的にTVリモコンを太陽電池で動くようにした。高容量のコンデンサーを搭載し、電池がなくともTVのコントロールが十分できるのだ。そして2022年はリモコンの電力をWi-Fiルーターの電波から充電できるという。

Wi-Fiルーターの電波で充電できるリモコン
Wi-Fiルーターの電波で充電できるリモコン

TVの進化というと8K対応やミニLED、マイクロLEDといった画質アップばかりが注目されるが、サムスンはそれらの技術開発だけではなく、TVの活用法を広げる機能にも注力しており、さらには廃棄物を減らすエコな活動にも積極的だ。
日本では現在はサムスンのTVは販売されていないが、5Gや8Kが主流になったことに、再び参入してくるかもしれないだろう。

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