交通系ICカードを地域振興に活用、青森県南部町|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

交通系ICカードを地域振興に活用、青森県南部町|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

SuicaPASMOに代表される交通系ICカードですが、これが全国各地に拡がりご当地交通系ICカードが増えておりまして、ついついコレクター心をくすぐられます(笑)
地方に出かけた際には自分へのお土産としてついつい買い集めてしまうんですが、たとえば筆者のコレクションの中でお気に入りの交通系ICカードをご紹介すると、JR九州の交通系ICカードの「SUGOCA(スゴカ)」の北九州モノレール版「mono SUGOCA(モノスゴカ)」とか、ネーミングが最強じゃないですか(笑)

強烈なネーミングが頭から離れなくなる北九州モノレールの「mono SUGOCA(モノスゴカ)」
強烈なネーミングが頭から離れなくなる北九州モノレールの「mono SUGOCA(モノスゴカ)」

一方で筆者が8年間暮らした青森県では、JR東日本エリアであるにも関わらずJRの乗車にはSuicaが使えず(東北新幹線だけはモバイルSuicaで乗車できましたが)、市内のバスなども非対応で交通系ICカードは宝の持ち腐れでした(使うとしたらコンビニでの買い物ぐらいでしたでしょうか)。さらには地域のオリジナル交通系ICカードがなく、寂しい思いでした。

ところが筆者が青森から去った後になってようやく続々と交通系ICカードの利用が開始されているようです。
2021年3月27日からはJRバス東北の青森県内一部区間で交通系ICカード対応が始まり、さらに2022年2月からは八戸圏域で使える交通系ICカード「ハチカ」が、同3月からは青森市内で「AOPASS(アオパス)」の利用が開始されています。

当然、AOPASSもハチカもコレクションせねばと、現地に赴いた際に入手を試みたのですが、中でもハチカのほうは、南部町役場(および同支所)で購入し、そこで無料の「エリア定期」というのを設定してもらうと、なんと南部町内のバスの乗り降りが無料になるという情報が…。

南部町では、2022年4月1日より同町のコミュニティバス「なんぶ里バス」と「多目的バス」を一新して新名称「なんぶちぇりバス」に統一すると共に、新サービスとして南部町内を無料で乗車できる「エリア定期」の発行を開始しました。

ハチカの購入の際にデポジットとして500円の支払いが必要ですが(返却すれば払い戻されます)、「エリア定期」を設定することで、同町内の移動が無料になるのです。コミュニティバスの「なんぶちぇりバス」のほか、同町内を運行する南部バス(路線バス)も無料で乗車可能です。

ただし、無料になるのは町内のみ、たとえば同町内から町外のバス停まで乗車する場合は、無料扱いは適用されず乗車した場所から下車した場所までの通常運賃の支払いが必要になります。

乗合いバスは法律上、基本運賃を定めなくてはなりません。すなわちこれって、町が住民等の町内の移動に対して補助を行っているわけですね。どの地方都市においても地域の交通弱者に対する課題を抱えており、各地で様々な工夫が凝らされているところですが、交通系ICカードの活用推進も兼ねたこの取組みは全国でも画期的なものではないでしょうか。

申込み方法ですが、南部町エリア定期の申請書(南部町役場のウェブサイトからダウンロード可能)に記入の上、南部町役場企画財政課、または町役場福地支所、剣吉支所、南部支所の窓口に申請を行います。

ハチカへのエリア定期の設定には2週間程度を要します。申請した窓口に受け取りに行くか、または届け出た住所への郵送も可能とのこと。しかも、町民だけでなく、町外の方でも申し込み可能という太っ腹ぶり! ちなみに東京在住者でも良いのかと尋ねたところOKとのこと。

ということで、郵送されてまいりました!(申請自体は南部町付近在住の友人に頼みました)

郵送いただいた南部町エリア定期設定済みハチカ
郵送いただいた南部町エリア定期設定済みハチカ

町外の方にも大盤振る舞いな施策ですが、これで南部町に興味を持って足を運んでくださる方が増えたら町としてはそれに越したことはないわけです。これをきっかけに公共交通機関の利用が増えれば、バス路線の健全な運営に貢献できるわけです。さらには、このハチカの導入によって地域のキャッシュレス化の推進にもつながります。なかなか素晴らしい施策だと思いました。

ちなみに郵送いただいたハチカの明細を見ると、エリア定期の有効期限は2099年12月31日だそうです。2099年の世界をぜひ見てみたいものだ(笑)

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