Starlink一式

Starlink(スターリンク)を導入してみた!- スペースX社の衛星インターネットサービス、設定方法や通信速度は? -

みなさん、Starlinkはご存じでしょうか?

イーロン・マスク氏が率いる米国宇宙ベンチャー企業、 Space Exploration Technologies 通称SpeceX社の一大部門、衛星を介したインターネット通信を提供する、それがStarlinkです。

Starlinkの開封から設置、設定まで

日本でサービスを開始されてから約1か月経ちましたが、福島県郡山市にあるウェブレッジ本社に導入することになりましたので、ご紹介していこうと思います。

ウェブレッジ本社
ウェブレッジ本社

いざ、Starlink開封の儀

製品パッケージ発送されて到着した箱がこれ。

黒い箱にシンプルなアンテナの形が印刷されています。
こういうデザインセンスはなかなかに素敵です。
それでは開封していきましょう。

開けると設置マニュアルが

パカッ!

いきなりわかりやすく設置マニュアルが入っていてなかなかに親切です。
未だ本体の姿は拝めず。なかなか焦らしてくれます。
恥ずかしがりやさんなのかな?

Starlink一式

じゃじゃーん!

これがStarlink一式になります。
ケーブルはとぐろを巻いてはいるもののアンテナ自体はシンプルな見た目です。
ちなみに、全ての機器がつながった状態で梱包されています。
これは簡易マニュアルでも十分でしょう。

こちらがルーター本体です。
前面に小さなステータスLEDがあります。
衛星に続くオベリスクのようなイメージを感じさせます。
近未来的ですね!

ルーター本体

ルータ本体背面

ルータ本体背面

アダプター経由でアンテナとルーター本体につながっています。
色分けされているということは誤配線防止なのかな?

アダプター

細かい接続をやらなくてもすぐに設置できるような状態で発送されているのは楽でいいですね!

アンテナを設置してみたよ

アンテナを見通しの良い屋外に設置します。
今回はテスト用に本社2階のルーフのところに設置してみました。

アンテナを設置

電源を入れてからしばらく放置すると、一旦真上を向いた後に、自動で衛星が飛んでいる方向にアンテナが調整されるようになっている模様。
BSアンテナのように湾曲しているのかと思っていたら表面はフラットで非常に美しいです。
これはフェーズドアレイという方式のアンテナで、内部で電子的に電波を飛ばす向きを制御しているそう。
BS・CSアンテナのように入念な角度調整をする必要が無く、設置も楽ちんです!

Starlink本体のセッティング

さて、いざチャレンジしてみると拍子抜けするほど簡単でした。
アプリの画面に従って進めていくだけです。(2022年11月10日時点では日本語対応はされていません。)

アプリの初期画面

Starlinkアプリの初期画面

続いてアンテナタイプを選択します。

アンテナタイプを選択

設置場所が問題ないか確認します。

設置場所が問題ないか確認

「CHECK FOR OBSTRUCTIONS」ではアンテナ周囲の障害物がないかをスキャンすることができます。
スキャンを開始すると、“通信のために視界が必要な範囲” の空がARで表示されます。
このARモードでぐるりと空をスキャンすると、障害物の有無を検出して自動で視界マップを作成してくれます。(詳細はCHECK FOR OBSTRUCTIONSにて)

電源を接続します。

電源を接続

しばらく待つとStarlinkのルータのSSIDが検索できるようになりますので、接続します。

ルータのSSIDに接続

StarlinkのルータのSSIDに接続すると、新しいSSIDとパスワードの入力を求められるので、設定していきます。

ログイン画面

Createボタンを押すと、SSIDの設定変更が完了します。

SSIDの設定変更完了

以上で設定は完了です。

セットアップ完了

DONEボタンを押すとホーム画面に遷移します。

ホーム画面

いつものネット回線に接続する手順とほとんど変わらないのに、自動で位置調整やらなんやらしてくれました。これで衛星と繋がってるんだぜ。すごいなぁ。

使用してみての感想

想像よりずっと簡単につながってしまったのですが、それはさておき、どんな感じで通信が使えるのか確認していきます。

アプリにまで近未来的な作りへのこだわりが

接続設定に使用したアプリは、通信速度を計測できるだけではなく、アンテナの周辺の障害物を検知(CHECK FOR OBSTRUCTIONS)できたり、周辺一帯の電波強度を測定し、グラフィカルに表示してくれます。

SPEED TESTの実施結果

SPEED TESTの実施結果 182Mbps

CHECK FOR OBSTRUCTIONS

青いところが視界OK、赤い部分がNG(遮蔽物あり)のようです。
また、必要な視界は若干北側に寄っているようで、「完全に開けた視界を得るのは難しい……」といった場合には建物の北側を設置場所に選ぶのがベターかもしれません。

アンテナの周辺の障害物を検知(CHECK FOR OBSTRUCTIONS)

アプリでは北側に遮蔽物(赤い部分)があって遮られているのが見て取れます。
これでも通信は可能ですが、常に動いている衛星が赤エリアに入ってしまうと通信が切れてしまいます。

電波強度測定の結果

電波強度測定の結果

右側がルータの設置場所になります。
(赤くなる(POOR)につれて、電波強度は下がる)

アンテナ設置について

アンテナの設置については購入前に検討したほうがいいと思います。
戸建てだと自由度は高いとは思いますが、マンションなどに設置するには事前に取り付け場所や周辺の障害物を入念に調べておかないと、思ったよりも速度が出ない状態に陥ってしまう可能性はありそうです。

購入前に調べておくべきポイント
・設置場所が平らで十分にスペースがあること
・アンテナ設置場所周辺に遮蔽物(障害物)がないこと
・屋内にケーブルを引き回す配線孔などがあること

付属品のみだと地面にポン置きになりますので、壁や屋根に取り付ける場合はOPTIONのマウントなどを購入する必要があります。
公式サイトにOPTION機器の一覧が公開されています。
また、耐久性についてはしばらく使ってみないとわからないところです。

持ち運びってどうなの?

どこでも使えるという触れ込みのStarlinkなのですが、せっかくならいろんなところに持っていきたい…!と思うところです。
しかし、いくつか制約があるので注意が必要です。

まず、「該当するオプションの申し込みが必要」な点。
Starlinkを申込時に指定した住所以外で使用する場合、「ポータビリティオプション」を追加しなければいけません。

いきなり出鼻を挫かれたようですが、ご安心を。
このオプション、有効にした月だけ請求されるオプションとなっており、ONにして即座に反映されます。

「今月はキャンプに行くから1回だけ……」という方でも安心ですね!
(ただし、料金は日割りではなく月額料金が請求されます)

そして、次に「畳み方」です。
スタンドに立てたままでは地味に場所を取るこのアンテナ、持ち運ぶにあたってやはり元の箱に入れるのが楽そうです。
いざ移動させるぞ!とアンテナをまた箱に入れようとして、あれ?入りません……。

このアンテナ、輸送時には90°折りたたまれており、電源を入れると上を向いたあと最適な角度でしっかり保持されるため、箱に入れるにはまた畳まなければいけません。
がっちり保持された角度から無理やり戻したら壊れそう、と途方に暮れていると
アプリの設定にありました。

STOW STARLINK?

しっかり存在した「STOW」(畳む)ボタンを押すと……

アンテナの折り畳み

畳まれました!
これで元の箱に入れてお出かけできますね。

Starlinkの通信速度をスピードテストで計測

簡単ではありますが、Starlinkの通信速度を計測してみました。
ADVANCED SPEED TESTを実行してみると、Starlink(衛星通信側)の速度とWiFiの速度を両方測ることができます。

WIFI SPEED 239Mbps/STARKINK SPEED 256Mbps

気になる速度ですが、WiFiの速度は下りであれば200Mbps前後はおおむね出ているようでした。
障害物などがない見通しの良い屋内であれば問題なく高速通信が体感できると思います。
上りの方は30Mbps程度に落ちることもあるため、絶えず送信など行う用途がある場合は少し注意が必要です。

その他気になったこと

また、現時点では一部地域のみとのことですが、ネットワーク使用量が多い場合には帯域制限されるといったサービスポリシーも検討されているようです。
その量なんと1TB!
今後の動向に注目していきたいところです。

まとめ

専用アンテナ代が73,000円で、月額12,300円の衛星通信ネットワーク。
日本でのサービス開始当初は東日本しか使えなかった利用エリアも、いつの間にか日本全土一帯に広がりました。
今後基地局が増えて、利用者も増加していけば、価格も下がっていく可能性も高いと思えば、衛星通信インターネットが一般化する未来はもう間もなくかもしれません。

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