テストエンジニアのモチベーションを上げる要因、下げる要因

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2014年3月7日~8日、東洋大学にてソフトウェアシンポジウム「JaSST ’14」が開催されました。

まず初めに「JaSST」とは、Japan Symposium on Software Testingの略であり、日本各地で開催されているソフトウェアシンポジウムの事を指します。中でもJaSST Tokyoは日本国内最大のソフトウェアテストのシンポジウムとして知られ弊社もJaSSTのスポンサーとして協賛させて頂いております。

テストエンジニアのモチベーションについて

本稿は多数行われました講演の中から初日に基調講演として行われましたStuart Reid氏による「Tester Motivation  テストエンジニアのモチベーション」について、大変興味深い内容でしたので紹介をさせて頂きます。

Stuart Reid博士:英国コンピュータ協会フェロー、認定ITプロフェッショナル、ロンドンに本拠を構えるTSG(Testing Solution Group)社CTO(最高技術責任者)

テストエンジニアに限らず、社員のモチベーションを保ち仕事に取り組む事はとても重要であると考えられますがStuart Reid氏はモチベーションを構成する要因として下記を挙げられました。

*モチベーションを構成する要因
-社会的動機 社会の中でのポジションに対する動機
-達成動機 行動に対する結果が出た際の充足感
-内発的動機 好奇心や関心、面白さや充実感からくる意欲
-外発的動機 報酬や評価を得ようとする意欲

氏はテストエンジニアのモチベーションを探る為、世界中のテスターを対象としたアンケートを行い、返答のあった600余のアンケートの結果を職務特性モデルとして知られるMPS(Motivating Potential Score)というスコアを使い評価しています。

**MPS(Motivation Potential Score) **
潜在的なモチベーションの程度を図る手法に、MPSというものがある。
次の要因を式で表す事が出来る。

スキルの多様性(Variety)
タスクの完結性(Identity)
タスクの重要性(Significance)
自律性(Autonomy)
フィードバック(Feedback)

(V+I+S)/3×A×F

モチベーションを上げる要因は?

詳細については割愛しますが、テスターのモチベーションを上げるには何が必要か?
アンケートの結果からMPSを適用すると下記のように読み取れます。

1.新しいことへのチャレンジ
2.評価されること
3.自分がうまくできている、貢献しているということを認識する。

給与は全体の7%、順番で言うなら5番目の要因でした。
給与を上げる事は一時的なモチベーションには繋がるものの、効果は持続しません。

モチベーションを下げる要因は?

逆にモチベーションを下げる要因として

1.マネジメントの悪さ
2.フィードバックの欠如
3.同じタスクの繰り返し
4.プロジェクトの完了が不明瞭である。品質基準が決まっていない

という結果が公開されました。

モチベーションの高いメンバーが多ければ、病欠も減り、長期的に有能な人材を持つことが出来る。脅したり、お金を上げてみても、生産性を上げる事には繋がらない。

ここから先は私の主観となりますが、モチベーションについて難しく突き詰めればきりがないと感じます。
しかし、「モチベーション」に左右される作業の効率化は見逃してはいけない効果であり、自主的にモチベーションを向上させる事が出来る人ばかりとは限らない中、「仕事の中のやるべき事」には、従業員が何に対してモチベーションを上げる事が出来るのかを見出して導く事も含まれるのだと私は考えています

志の高いような標語を並べ立てて、自主性に任せたふりをして煽るよりも、たった一言の「良い仕事をしたね。次もまた一緒に頑張ろうね。」これを伝える事の方が何倍も効果があるのではないでしょうか。この一言には「課題の達成」「フィードバック」「エンドの無い作業では無い事」など、モチベーションに纏わる多くの要素が含まれているのだから。

弊社ではモチベーションの高い品質管理のスタッフが、日々クライアント様の品質チェックを行っています。
ウェブサービスの品質チェックで困っている方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ下さい。

ウェブレッジ問い合わせページ:https://webrage.jp/toiawase_form/

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